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マリメッコのデザインに浸る!国内初の大規模な巡回展「マリメッコ展」に行ってきたよ
多くの女性が活躍し、世界中の人気を集めるブランドとなったマリメッコの歴史を感じる。
こんにちは、シオリです。
箱庭読者のみなさんが今気になっているであろう、「マリメッコ展」に行ってきました!
マリメッコと言ったら、独特の色使いで大胆なデザインが印象的なフィンランドを代表するライフスタイルブランド。日本だけでなく世界中で人気を集めています。雑貨やインテリアでマリメッコ製品を楽しんでいる方も多いのでは?
マリメッコとは?
まずは、おさらいです。マリメッコは、1951年、アルミ・ラティアによってヘルシンキで創業されたフィンランドを代表するデザインハウスです。
創始者のラティアは、テキスタイルデザインを学んだのちに広告代理店でも経験を積み、数々の才能あるデザイナー達を集めて優れたデザインを生み出しました。さらに、巧みなPR戦略を行うことで、60年代には世界的なブランドへと成長していきます。
マリメッコが生み出す布地の柄は、多くがフィンランドの伝統的なモチーフや自然に着想を得つつ、大胆でカラフル、抽象的なデザインでした。そうした柄の映えるシンプルなカッティングの服が、高い人気を呼びます。その後製品は家庭用品やインテリアにまで展開され、マリメッコは今日、日本を含む世界中で絶大な人気を誇っているんです。
そんなマリメッコの国内初の大規模な巡回展が、渋谷・Bunkamuraザ・ミュージアムで2016年12月17日(土)から2017年2月12日(日)まで開催される「マリメッコ展」なのです!ヘルシンキのデザイン・ミュージアムの所蔵作品から、ファブリック約50点、貴重なヴィンテージドレス約60点、デザイナー自筆のスケッチ、そして各時代の資料など計200点以上が並ぶという盛りだくさんの展示の模様を、早速お伝えしたいと思います。
歴代のマリメッコデザインが勢揃い
まず会場を入ってすぐの場所では、代表的なデザイン図案「ウニッコ」が出迎えてくれました。ウニッコは、1949年から1987年に活躍したデザイナー、マイヤ・イソラが作り上げたもので、このケシの花モチーフはあまりにも有名ですよね。
ウニッコに続き、1950年〜2000年代の象徴的な柄のファブリックが大胆に並びます。時代は違えど、どれもマリメッコらしさを感じるものばかり。この時点で、いっきにマリメッコの世界に引き込まれてしまいます!
フィンランドの強い女性を象徴するマリメッコの歴史
「マリメッコの歩み」という展示では、それぞれの時代で活躍したデザイナーごとに、ドレスやファブリック等が並びます。
マリメッコが誕生した1950年代初めのフィンランドは、女性は家庭の主婦として努めなければならないという昔ながらの考えから解放する動きが始まった時代だったそう。その動きはファンションにも見られ、特に1950年代中盤からのマリメッコの服は、その影響が大いに現れているんだとか。
確かに、マリメッコの装飾に凝らないシンプルな形の服は、ファブリックの柄を活かすと同時に、動きやすく快適に過ごせるものになっています。
展覧会の開会式で聞いた、フィンランド大使の言葉が印象に残っています。
マリメッコの歴史は、フィンランドの歴史そのもの。そして、マリメッコはフィンランドの産業・ビジネスだけでなく、フィンランドの強い女性を象徴する歴史でもあります。
この展示を見ると、大使の言葉が実感できました。数々の女性デザイナーが活躍し、今のマリメッコがあるのです。
近年では、インテリアまで幅広く展開し、テーブル・ウェアもたくさん素敵なものが出ています。ここに来るまでの「マリメッコの歩み」は、本当に見応えがありました。
独特なデザインの生まれ方
最後は、「デザインの芸術」という展示です。ここでは、デザインを描き起こしてから、ファブリックとして製品化されるまでの過程が、マリメッコ本社にあるプリント工場の貴重な映像を交えながら紹介されています。
マリメッコならではのデザインは、どのように生まれているのか?気になるところですよね。
こちらは「ハッタラ」という綿菓子・雲がモチーフとなっている図案のカラーサンプル。こんなにたくさんの配色の中から選ばれるんですね!
マリメッコの長い歴史の中で、日本人のデザイナーが活躍したことをご存じですか?こちらのカラフルなお家のパターンは、マリメッコ初の日本人デザイナーとなった脇阪克二氏のデザインです。脇阪氏は、日本文化を強く感じさせる服のデザインもされたそう。
こちらは、石本藤雄氏のデザイン。完成したファブリックの横には、柄の構想を練る際に描いた自筆のスケッチが並べられています。
このように、デザイナーの構想段階のスケッチと、実際に製品化されたものを並べて展示することで、今や有名となっている柄が生まれた原点を見ることが出来る展示になっているんです。
デザイン・ミュージアム館長のお話によれば、マリメッコはフィンランドの精神そのものを表していると言っても良いくらい、60年前からフィンランド人の生活の一部になっているんだとか。それから伝わってくるのは、周りの人を幸せにしたい、すべての人々に笑顔をあげたいという民主主義に根付いている精神です。
素敵なデザインに浸れるだけでなく、フィンランドの歴史や精神をも感じられる「マリメッコ展」。
是非、会期中に足を運んでみて下さいね。
展示を満喫した後は、ミュージアムショップでたくさんのかわいいグッズが待っていますよ!
マリメッコ展
開催期間:2016/12/17(土)-2017/2/12(日) ※1/1(日)のみ休館
開館時間:10:00-19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで) ※12/31(土)を除く
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
住所:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2丁目24−1
入館料:一般:1,400円、大学・高校生1,000円、中学・小学生700円 すべて税込
お問合せ:ハローダイヤル 03-5777-8600
公式サイト:http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/16_marimekko/index.html