EXHIBITION いまオススメの展示・イベント
一歩踏み入れた瞬間から世界観に圧倒される!「草間彌生 わが永遠の魂」展レポート
アートの持つ力を感じる、今年必見の展覧会!
こんにちは、シオリです。
みなさんの「待ってました!」という声が聞こえてきそうな、今年注目の展示の一つである「草間彌生 わが永遠の魂」展が、国立新美術館にてスタートしました。
早速、その様子をレポートしたいと思います。
草間彌生13年ぶりにして、これまでにない大規模個展
《木に登った水玉2017》
会場へ到着すると、敷地内の屋外にも草間彌生展の展示作品が施されていました。こちらの国立新美術館は、今年で開館10周年。それを記念し、力を入れて開催するのが今回の「草間彌生 わが永遠の魂」展です。
草間さんにとって13年ぶりの個展になるそうですが、初期から現在に至る創作活動の全貌を約270点の作品によって見せてくれるここまで大規模の展覧会は、今回が初めてといっても良いそうです。館内に入る前からわくわくします!
入った瞬間から広がる、唯一無二の世界観!
展覧会は二部構成になっており、第一部では「21世紀の草間彌生」と題し、国内外で前衛芸術家として高い評価と人気を獲得している草間さんの、今も止まることのない創作活動から生み出される作品が展示されています。
《真夜中に咲く花》2016年 ほか
花やかぼちゃをモチーフとした生命力溢れる彫刻作品、そして色鮮やかな色彩を大胆に駆使した絵画作品が、空間を埋め尽くし、一歩踏み入れた瞬間からその迫力に圧倒されてしまいました!
第一部で注目すべきは、「わが永遠の魂」という2009年に着手され現在も描き続けられている大型の絵画連作です。正方形のカンヴァスに多種多様なモチーフやパターンが描かれるこちらの作品は、今では500作を超える数にまでなっていますが、そのうちの130点あまりが集められ、ぎっしりと壁を埋め尽くすように展示されています。なんと、全て日本初公開!一枚一枚をじっくり見るのも、全体で世界観を感じるように見るのも、どちらも楽しめます。
それぞれの年代ごとに辿る、70年間に渡る芸術活動。
第二部は「20世紀の草間彌生」と題され、故郷・松本での「初期時代」の創作活動から、世界へ羽ばたいた「ニューヨーク時代」、そして日本に戻ってきたからの「東京時代」それぞれに生み出された作品を、順を追って見ることが出来ます。
《太陽》ほか
初期の作品は、今現在よりも落ち着いた雰囲気を醸していました。
《No. AB.》ほか
こちらは、ニューヨークへ渡ってから最初に高い評価を受けたという、巨大なカンヴァスを小さな網目状のストロークで埋め尽くした作品です。中心も際限もなく、構成を排除したモノクロームのネット・ペインティングは、繊細でありながら力強さを感じます。
《最後の晩餐》1981年 千葉市美術館蔵 ほか
体調を崩し1973年に帰国した草間さんでしたが、東京で入院生活を送りながら活動を再開します。水玉やネットなどのこれまでに発表してきた様々なモチーフを大胆に再解釈し、具象的なイメージと組み合わせた色彩豊かな作品を生み出しました。
《かぼちゃ》1999年 松本市美術館蔵
草間さんと言えば、この黄色いかぼちゃを思い浮かべる方も多いかもしれませんね。性、死、無限の宇宙などの普遍的なテーマにもとづく草間さんの作品たちは、率直な表現によって新しい観客を獲得し、コラボレーションやタイアップも数多くおこなわれました。ここからさらに、“草間彌生の世界”は広がっていき、21世紀の作品へ繋がっていくのです。
体験型の展示や、撮影OKの作品も!
展示されている作品は、絵画だけでなくオブジェや映像作品まで多岐にわたりますが、体験型の作品は草間芸術の醍醐味のひとつ。
「無限の鏡の間」では、このように宇宙の中に入り込んでしまったような光景が広がっていました。全面鏡貼りの暗闇の中、無数の小さな光がきらめく空間で、鑑賞者自らが作品の一部になるような感覚を体験できるんです!
《南瓜》フォーエバー現代美術館蔵
そして、屋外展示場に出現したのは、こんなに大きな巨大かぼちゃ!近くで見るとほんとに大きい!こちらは、スマートフォンや携帯電話に限り撮影がOKとなっています。他にも、撮影OKの場所があるので館内をチェックしてみて下さいね。
オープニング当日には、草間彌生さんご本人もいらっしゃっていました。今回の展覧会開催にあたってのメッセージが展示室に入ってすぐのところにありましたが、そのお言葉からも、そして当日拝見したご本人の姿からも、大きな生命力を感じました。
たくさんの方に見ていただきたい展覧会です。ぜひ、足を運んでみて下さいね。
(作品は全て©YAYOIKUSAMA)
草間彌生展「わが永遠の魂」
会期:2017年2月22日(水)~5月22日(月) 毎週火曜日休館 ただし、5月2日(火)は開館
開館時間:10:00~18:00 金曜日は20:00まで
※4月29日(土)~5月7日(日)は毎日20:00まで開館
※入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室1E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
観覧料:当日 1,600円(一般) 1,200円(大学生) 800円(高校生)
※チケットの詳しい情報は、展覧会ホームページのチケット情報をご覧ください。
展覧会特設サイト:http://kusama2017.jp/