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独自の世界観が溢れ出す、渡邉良重展「絵をつくること」レポート
こんにちは。箱庭キュレーターのmoです。
現在開催中の第19回亀倉雄策賞受賞記念 渡邉良重展 「絵をつくること」をレポートします。
渡邉良重さんは、植原亮輔さんと共に設立したキギでアートディレクターやグラフィックデザイナーを務めながら、糸井重里氏が主宰する「ほぼ日」と洋服ブランドCACUMAを、さらに滋賀県の伝統工芸の職人たちと陶器・家具・布製品ブランドKIKOFを立ち上げるなど、幅広く活躍されています。きっと箱庭読者にもファンの方が多いのではないでしょうか。
今回の展示は、そんな渡邉良重さんによる洋菓子ブランド「AUDREY(オードリー)」のパッケージデザインが、第19回亀倉雄策賞を受賞したことを記念し開催されました。
ちなみに、亀倉雄策賞は1997年に急逝したグラフィックデザイナー亀倉雄策氏の生前の業績をたたえ、グラフィックデザイン界の発展に寄与することを目的として、1999年に設立された賞です。毎年、年鑑『Graphic Design in Japan』出品作品の中から、最も優れた作品とその制作者に対して贈られています。
渡邉良重さんの世界観がぎゅっと詰まった素敵な展示を、早速お見せしましょう。
女子心をくすぐる、AUDREYのデザイン
やはり今回展示の注目は、受賞作である「AUDREY」のパッケージやビジュアル。
「AUDREY」は洋菓子ブランドとお伝えしましたが、2014年10月に横浜タカシマヤで誕生した苺スイーツ専門店。昨年は日本橋タカシマヤに2号店がオープンしましたが、どちらも行列が絶えない人気スイーツ店なんです。
本展では、ギャラリーを入ってすぐの一室がすべて「AUDREY」の作品で埋められていて、目を引くピンクの柱が印象的。受賞理由にもなった「文字や余白の白を生かしたイラストレーションの世界観」が表現された空間になっています!
入ってすぐ目に飛び込んでくるこちらの壁も、AUDREYのパッケージデザインが元なんだとか。実際のパッケージも展示されているので、ぜひ見つけてみてくださいね。
床には、彼女が落としていった苺も…!
欲しいけどなかなか手に入れられない「AUDREY」のパッケージを一挙に見られるのが魅力的!定番品をはじめ、バレンタインやクリスマスなど期間限定品を含めた歴代のパッケージがずらっと一挙に並べられています。
渡邉良重さんのイラストレーションとイチゴをモチーフにデザインされた「AUDREY」のパッケージたち。並べられたデザインを見て、私たちもとにかく可愛い!の連発でした。
イラストに留まらない渡邉さんの世界
隣の部屋に進むと、これまでの渡邉さんのイラストレーションやグラフィックをはじめ、プロダクトや衣服などあらゆる作品が展示されています。「絵をつくること」のタイトルにあるように、イラストレーションから生まれた様々な媒体の作品が一挙に見られます。ひとつひとつがどれも可愛らしく、じっくりと隅々まで見てみたいと感じる見応えのある展示でした。
絵本や塗り絵などを手がける、渡邉さんのイラストレーションの数々。繊細で丁寧なタッチは思わず立ち止まって見入ってしまいます。
ディレクターを務めるブランド、D-BROSのグラス。イラストレーションだけに留まらない、そこから派生したアイデアのあるプロダクトなど実際に手にとってみたい!と思わせる作品ばかり。
洋服ブランドCACUMA(’13〜)の実物も見ることができます。
布や木のインスタレーション
最後の部屋は木や布製品を使用したインスタレーションの空間になっています。
絵本『ジャーニー』をモチーフにしたタペストリーや、テーブルクロスは作家さんの手刺繍で出来ているそう。渡邉さんの繊細なイラストレーションと温かみのある刺繍、洗練されたシンプルな陶器・家具との組み合わせがとても新鮮な空間となっています。
この展示を見て、ますます今後の渡邉さんのデザインに目が離せなくなりそうです!
展示を満喫したあとは、ギャラリー内で「#渡邉良重展」のハッシュタグを付けてインスタグラムに投稿するとオリジナルポストカードが貰えるみたいですよ!
ぜひ会期中に足を運んでみてくださいね。
第19回亀倉雄策賞受賞記念 渡邉良重展 「絵をつくること」
開催日:2017年4月4日(火)〜2017年5月20日(土) ※休館日:日曜・祝日、4月29日(土)〜2017年5月7日(日)
開催時間:11:00〜19:00
開催場所・会場:クリエイションギャラリー G8
東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F
入場料:無料
URL:http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/g8_exh_201704/g8_exh_201704.html