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静岡県の個性を、「デザイン」と「旅」の視点から見る展覧会「d design travel SHIZUOKA EXHIBITION」
静岡にあるお店・場所・人の空気感がそのまま持ち込まれた展示
こんにちは、箱庭編集部のシオリです。
47都道府県を1県ずつ取り上げ、その土地ごとの個性を1冊に編集した観光ガイド『d design travel』をご存じでしょうか?各地域で生まれた個性豊かで素晴らしいデザインは、現地の人々にとっては当たり前になりがちですが、改めてそれらを取り上げることでその土地の魅力を伝えているガイドブックです。
『d design travel』は年間3冊のペースで発行されていますが、今年の7月7日に全国発売となる次号が取り上げるのは「静岡」。2011年に発売された『d design travel SHIZUOKA』から6年ぶりに増補改訂版となっての発売となりました。
その『静岡号』増補改訂版の発売を記念して、渋谷ヒカリエ7階にあるd47 MUSEUMで開催されるのが、「d design travel SHIZUOKA EXHIBITION」です。静岡出身の私としては絶対に見逃せない展示!ということで、早速会場に足を運んで来ました。今日は、その様子をレポートしたいと思います。
静岡を象徴するイメージとして採用されたのは、明るくて創造性がある絵でした。
入り口で迎えてくれたのは、今回の『d design travel SHIZUOKA』の表紙を飾ったイラストの展示です。こちらは、KIGI・渡邉良重さんによる「クレマチスの丘」15周年のために描かれた作品。
d design travelの表紙になるビジュアルは、そのために作られることはなく、編集部が取材をする中でその土地をよく表すものを選ぶんだとか。クレマチスの丘はとっても素敵な美術館と庭園がある場所で、私も何度となく遊びに行っているし、みんなにおすすめしたい大好きなところ。ここが表紙になるのは個人的にも嬉しいです!
隣には、これまでに発売となったバックナンバーがずらっと並んでいます。前回静岡が取り上げられた2011年のものもありましたよ。見比べてみると面白いかもしれませんね。
発明級のものづくりから、民藝、美味しいものまで!静岡のありとあらゆるデザインが並ぶ展示。
広い展示エリアに進んでみると、面白いものがたくさん目に飛び込んできました!編集部が静岡号の取材を通して出会った、誌面に登場する場所や人に纏わる様々なものが詰め込まれています。ご覧の通り展示と言ってもアート作品などではなく、その場所にあるあらゆるものを集めて、空気感をそのまま持ってきたような展示になっているんです。
まず、今回誌面で取り上げられた場所が示された静岡県の地図を見てみましょう。東海道新幹線を利用したことがある方なら実感できるかと思いますが、静岡県は思ったよりも長くて広い!こんな広いエリアの場所から今回の展示品を集めるのに、編集部がトラック一台を運転して各所からピックアップしたというお話には、びっくりです。
盛りだくさんの展示ですが、今日はその中からいくつかご紹介したいと思います。
箱庭読者のみなさんの中には民藝好きの方も多いかと思いますが、静岡は人間国宝にもなった染色家・芹沢銈介氏の生まれた場所。ふるさとである静岡には芹沢銈介美術館があり、様々な作品を見ることが出来るんです。ここには「タイ焼き」の図案が飾られていますが、誌面のコラムに関連しているので、ぜひ読んでいただきたいです!
芹沢銈介氏に師事した静岡出身の染色家・山岡武志さんのお店「アトリエぬいや」も紹介されています。浜松にあるお店で、今の暮らしに馴染む民藝の作品がとても魅力的。
美味しいものも忘れてはいけません!静岡市にある「とろろ汁 丁子屋」は、東海道の宿場町・丸子宿にある名店。築約400年の茅葺屋根という歴史ある建物からは、とろろのすり鉢を始めとする、長い歴史を肌で感じるアイテムが展示されていました。
富士山の雪解け水や、大井川・天竜川のある静岡には、美味しい地酒もたくさんあるんです。清水にある「篠田酒店」は、そんな静岡の地酒を“街の酒屋さん”として、愛を持って販売している粋な酒屋さんだそう。展示されている暖簾もなんとも言えずかっこいい!旅先のお酒を買うって、いいですよね。
私の地元・沼津の「ベアード・タップルーム 沼津フィッシュマーケット」も登場!わさび、緑茶、みかんなどを原料にした静岡県を感じるクラフトビールが飲めるお店。地元でもある時から話題になっていたお店なので、この機会にぜひたくさんの方に知って欲しいです。
そしてやはり静岡で外せないのは富士山です。その富士山をまるでアートのように美しく見られる田貫湖キャンプ場も、静岡ならでは。自然もデザインなのですね。
「やらまいか」のチャレンジ精神が育んだ静岡のデザイン
「やらまいか」とは、「やってみよう」の意味を持つ静岡県西部地方の方言。SUZUKIやYAMAHAなどの世界的な企業も、その精神から生まれたのです。
「認定NPO法人 クリエイティブサポートレッツ」を立ち上げた久保田翠さんの活動も、「やらまいか」の精神のある浜松の地で受け入れられ、後押しされてきたもの。この大きな展示作品は、運ぶときにガムテープでぐるぐる巻いたそうですが、それも作品の一部になってこの場に展示されているのだそう。
“静岡”を持って帰ろう!期間限定ストア
展示を見た後は、SHOPへどうぞ。この展示の期間中は、静岡のお土産がたくさん並んでいますよ!普段は東京でなかなか買えないものも一挙に集まっています。
先ほどご紹介した「アトリエぬいや」のアイテムや、「トリイソース」各種、「かねはち」のオイルサバディンなどの静岡グルメまで、静岡を旅した気分になるものが揃っています。箱庭読者には、おしゃれな「san grams green tea & cafe」のお茶とお菓子と、先日ちょうど箱庭でご紹介した「あげ潮」がおすすめ!地酒の角打ちコーナーもあるので、一杯引っ掛けるのもありです(笑)。
静岡を味わい尽くすd47食堂の「静岡定食」も忘れずに!
d47 MUSEUMと同じフロアにあるd47食堂では、展示に合わせて「静岡定食」が登場です!d47食堂スタッフが実際に静岡県を旅して、名物や伝統料理を食べ歩き、生産者に取材しながら「その土地らしい定食」を考えたメニューなんだとか。
主役は用宗港のしらすと桜えびの釜揚げの丼。この2色、たまらないですよね!おろしたての生わさびや黒はんぺんも、静岡の味としてすごくおすすめです。ここまで静岡が詰まった定食は静岡に行っても食べられないと思うので、ぜひ期間中にわってみてはいかがでしょうか。
「静岡定食」は、6月13日(火)〜8月7日(月)(予定)まで。静岡のお茶やビールなどもあるそうですよ。
展示を観て、静岡グルメを味わえば、静岡に旅したくなること間違いなし!夏の旅の下調べにもなりそうです。
週末のお出かけは、d47 MUSEUMにぜひ足を運んでみてくださいね。
d design travel SHIZUOKA EXHIBITION
会期:2017年6月15日(木) – 2017年7月30日(日)
時間:11:00〜20:00(最終入館19:30)
場所:d47 MUSEUM
住所:〒150-8510 東京都渋谷区 渋谷2丁目21-1 渋谷ヒカリエ8F
料金:入場無料
事前申込:不要
http://www.hikarie8.com/d47museum/2017/06/d-design-travel-shizuoka-exhibition.shtml