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家と暮らしを考えるきっかけになる!「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」展に行ってきました。
「屋根の家|2001 手塚建築研究所」
ローマ・ロンドンを巡回した展覧会が、ついに東京で開催。
こんにちは、箱庭編集部moです。
今回は7月19日(水)から東京国立近代美術館ではじまった「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」展をご紹介します。
展覧会入り口
「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」展はその名の通り、施設や学校ではなく、日本の“家”に着目した展覧会です。安藤忠雄・黒川紀章・隈研吾など、日本の建築家56組による75軒の住宅建築を、400点を超える模型、図面、写真、映像などを通して紹介する壮大な試みとなっています。
2016年秋からローマ、ロンドンを巡回して、いよいよ東京での開幕となったこちらの展覧会。早速行ってきたので、展示の様子をレポートしたいと思います。住まいや暮らしに着眼点を置いた展示がたくさんあるので、建築好きのみなさんはもちろん、建築に詳しくないという方も必見ですよ!これからの家づくり、暮らしづくりの手がかりを見つけられるはずです。
テーマごとの視点で感じる、日本の住宅。
展示会場風景
本展は、日本の住宅建築を成立させる条件が大きく変わった1945年以降、すなわち“戦後”に焦点を当てた展示となりますが、時系列ではなくテーマに分類して様々な視点から住宅が検証されています。「プロトタイプと大量生産」、「町家:まちをつくる家」、「家族を批評する」など、13のテーマに分類して展示することで、誰にとっても身近である“家”を時代性や社会性、立地環境や人と人とのつながりなどの様々な視点から分かりやすく見せてくれているんです。いくつか、私の気になったテーマをピックアップしてご紹介します〜!
「無題/大阪、1998-99|1999 畠山直哉」
こちらは「プロトタイプと大量生産」がテーマの展示。1社あたり年間万単位で受注するハウスメーカーがあるのは日本だけ。またスーパーマーケットのように住宅を集めて販売する「住宅展示場」も日本特有のものである、という展示がとても印象的でした!普段当たり前のように目にし、CMでも毎日のように見るハウスメーカーの住宅ですが、海外から見ると特有で日本的なものなんだなぁとおもしろく感じました。
「無題/大阪、1998-99|1999 畠山直哉」
こちらは「プロトタイプと大量生産」がテーマの展示。1社あたり年間万単位で受注するハウスメーカーがあるのは日本だけ。またスーパーマーケットのように住宅を集めて販売する「住宅展示場」も日本特有のものである、という展示がとても印象的でした!普段当たり前のように目にし、CMでも毎日のように見るハウスメーカーの住宅ですが、海外から見ると特有で日本的なものなんだなぁとおもしろく感じました。
「顔の家|1974 山下和正」展示より
こちらは「遊戯性」がテーマの展示。若いグラフィックデザイナーが住居兼事務所として建てたという《顔の家》です。見た目のおもしろさだけでなく、目は窓、鼻は換気など、機能が正しく割り当てられているんだとか。
「顔の家|1974 山下和正」展示より
写真だけでなく図面も展示されているところがおもしろいです。実際の間取りなどを見て、こんな住宅もありなんだ!と新たな発見がありそうなテーマとなっていました。
「テーマ9 町家:まちをつくる家」展示より
「町家:まちをつくる家」では、昔ながらの町家の空間を活かした、住宅づくりを見ることができます。幅が狭く奥行きの長い特徴的な空間を、それぞれどう構築しているのか。完成写真とともに模型も展示されているのでまじまじと中をのぞいて見たくなります。
中に入って体感できる実物大模型
「清家清設計《斎藤助教授の家》 実物大模型」
今回のみどころのひとつとなっているこちらの展示は、20世紀を代表する建築家ヴァルター・グロビウスを感動させたという逸話も残る清家清設計《斎藤助教授の家》の一部が、なんと実物大模型で展示されてるんです。白黒の写真資料でしか見ることのできなかった日本建築史に残るこの住宅を実際に感じることが出来る貴重な展示。中に入ってオリジナルで制作された椅子に座ることも出来るそうなので、ぜひ体感してみてくださいね。
あらためて感じる日本の住宅の多様さと、暮らしのあり方
たくさんの模型が並ぶ展示風景
400点を超える模型や図面、映像は本当に見応えがありました!普段は見ることのできない実際の住宅や暮らしの様子を写真や映像で見ることができ、とても面白かったです。こんな暮らし方やこんな家づくりも出来るんだ、と未来の家を考える手がかりが色々と得られました!建築に詳しくない方でも、建築を身近に感じられて、住宅や暮らしの魅力を存分に体感できる展示だと思います。
展示品や映像が多いこともあって、お得なリピーター割引や会期中の金・土曜日は夜9時まで開館するなど、足を運びやすいポイントもたくさん!ぜひ一度遊びにいってみてくださいね。
日本の家 1945年以降の建築と暮らし
WEBサイト:http://www.momat.go.jp/am/exhibition/the-japanese-house/
会場:東京国立近代美術館1階 企画展ギャラリー
期間:2017年7月19日(水)~10月29日(日)
時間:10:00~17:00(金・土は21:00まで)
休館日:月曜日、9月19日(火)、10月10日(火)
※9月18日(月)、10月9日(月)は開館
料金:一般 1,200(団体900)円(税込)、大学生800(団体500)円(税込)
※5時から割引 金・土の17:00以降は一般1,000円(税込)、大学生700円(税込)で観覧可
※リピーター割引 本展使用済み入場券提示で二回目以降一般500円(税込)、大学生250円(税込)で観覧可