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台湾のコーヒーカルチャーがアツい!台湾と日本のコーヒーショップが大集結したイベント『Culture & Coffee Festival in Taipei』レポート。
イベントから見えてきた、台湾のコーヒーカルチャー。
こんにちは、シオリです。
ここ数年、日本ではたくさんの素敵なコーヒーショップが次々オープンし、いろんな街で美味しいコーヒーを楽しめますが、今、台湾でもコーヒーが盛り上がっているということをご存じですか?
台北でコーヒーとカルチャーをテーマにしたイベント『Culture & Coffee Festival in Taipei』が開催!
7月29日(土)、30日(日)の2日間、台湾の台北市で『Culture & Coffee Festival in Taipei』が開催されました。このイベント、台湾だけでなく日本のお店も含めて約40ものコーヒーショップやロースターが参加するということで開催前から大注目されていたんです。なんと今回、そんな『Culture & Coffee Festival in Taipei』を、箱庭が取材させていただく機会を頂きました。羽田から約3時間、台北へひとっ飛びです!
ということで、今日は熱気あふれるイベント当日の様子をレポートしながら、台湾でのコーヒーカルチャーの盛り上がりをお伝え出来たらと思っています。いろいろお伝えしたくて長くなりますが、お付き合いくださいね。
イベントが開催されたのは、台北市にある「華山1914文創園区」という場所。ここは、廃墟となっていた日本統治時代のお酒工場跡地をリノベーションして生まれ変わった施設で、アート展示などのイベントが開催されていたり、おしゃれなカフェやレストランがあったりと、台湾の若者で普段から賑わっているところです。
その一角で開催された『Culture & Coffee Festival in Taipei』。当日会場に訪れてまず思ったことは、すごい数の人!!入場を待つ人の列が、イベント会場へ到着する前から延びていました。ピーク時は入場に3時間以上かかったというほど。すでにここからイベントとコーヒーの盛り上がりが感じられます…!
入り口では、今回のビジュアルを担当したチョークボーイさんのチョークアートがお出迎えしてくれました。早速会場内へ行ってみましょう!
たくさんの日台の人気コーヒーに出会える特別な空間。
入った瞬間会場内も大賑わいで、写真も斜めになってしまうほど(笑)。普段は離れた街にあるコーヒーショップが一つの空間に集まっているとあって、来場者は隅々まで見逃すことの無いようにと気合が入っています!
日本と台湾の約40のコーヒーショップがそれぞれブースを構え、試飲をしながらコーヒー豆を選べたり、その場で飲めるコーヒーを販売していたり、グッズをたくさん並べるショップもあったりと、各ブースでお店の特色を生かして出店されていました。また、ブースはお客さんと距離が近く、スタッフさんと気軽に交流できる市場のような雰囲気。街でコーヒー屋さんへ遊びに行ったときとはまた違った楽しみ方が出来る、素敵な空間になっていました。
会場内を巡っていると、台湾の人気店「Simple Kaffa」で飲み比べセットを発見!こういったメニューも、イベントならではですよね。
イベントで出会ったコーヒーショップから知る、台湾のコーヒー事情。
台湾在住の日本人コーヒースペシャリスト・伊藤篤臣さんが立ち上げたブランド「Goodman Roaster」の出店ブースに立ち寄ってみました。伊藤さんは、台湾に訪れたときに飲んだライトローストの阿里山コーヒーに感動し、2013年には台湾で「Alisan coffee」を開業。その後、こちらの「Goodman Roaster」も立ち上げ、さらに阿里山コーヒーの魅力を広めることで、台湾のコーヒーを盛り上げている人物です。
伊藤さん曰く、2008年くらいの台湾にはコーヒーの焙煎屋が無かったそう。そんな台湾でしたが、もともと根付いているお茶の文化からハンドドリップに対しても積極的な人が多かったり、2011年頃からはおしゃれなデザインでコーヒー屋さんを始める若者が増えたりと、徐々にコーヒー文化が成長。自家焙煎のお店も増え、台湾製の焙煎機も普及するほどになったんだとか。
そんなお話を聞かせて下さった伊藤さんのコーヒーは、すっきりとした味わいでとっても美味しかった!
チャレンジ精神旺盛?!多種多様な台湾のコーヒーショップ。
次に出会ったのは、「GABEE.」という台湾のコーヒーショップ。私が手にしているのは、普通のアイスコーヒーと思いきや、なんと愛玉子(柑橘系のゼリーのようなデザート)が入ったコーヒーなんです!柑橘系ゼリーが爽やかで、ゼリーの甘みをコーヒーの苦みが引き締めてくれているという新感覚のコーヒー。後日、GABEE.のお店にも遊びに行ったのですが、創作コーヒーが盛りだくさんでした。
このように、味でもデザインでも、自分たちの特色を出すお店が多いなぁと思うことが多かった台湾の出店ショップたち。先ほどのGoodman Roaster伊藤さんも「台湾にはまんなかが無い」と語ります。平均点ではなく、独自の味を極めるお店が多いのかもしれません。台湾はチャレンジ精神が旺盛と聞きますが、コーヒーにも表れているなと感じたのでした。
日本と台湾のコラボ!日本でオープンしたばかりのコーヒーショップも。
こちらは、先日新大久保にプレオープンしたばかりの「DOMO CAFÉ」のブースです。京都・下鴨にある「Caffé Verdi」オーナー続木義也さん(左)と、台湾のおしゃれカフェ「Fika Fika Café」オーナーのJames Chenさん(右)のお二人が並んでドリップするという貴重なシーンに、たくさんの方がカメラを向けていました。
James Chenさんは2013年に世界ナンバーワン・バリスタ&ロースターとなった方で、台湾では有名人。続木義也さんは、東京珈琲四天王の一人、カフェ・バッハの田口護氏に師事した方です。ブースの盛り上がりも納得ですね!
DOMO CAFÉは台湾の企業が運営するお店ですが、「2者の対比」をテーマにお店作りをしていることから、提供するコーヒーも“京都・Caffé Verdiの中深煎り”と“台湾・Fika Fika Caféの浅煎り”をチョイスしているのだそう。日台両方のコーヒーを楽しめるお店が日本にオープンしたのは、日本と台湾が近づいたようで嬉しいです!
そしてCaffé Verdi続木さんは、イベント当日ワークショップブースでも登壇されていました。
「コーヒーの焙煎は、写真のようだ」と語る続木さん。
同じ機種のカメラを使って同じ人物を撮ったとしても、撮るカメラマンによって明るさや絞りが違えば、まったく違った印象の写真になる。コーヒーの話をするとき、豆の種類だけを注目するのではなく、誰が焙煎したのかにも注目して欲しい。そんなお話を聞き、コーヒーをもっと知りたくなりました。
日本のコーヒーショップも大人気!
そして、忘れてはいけないのが日本のコーヒーショップ!箱庭でもご紹介している「ONIBUS COFFEE」、「ABOUT LIFE COFFEE BREWERS」も出店していましたよ。聞くところによると、すごい速さで豆が売れていたそうです。今日本でも台湾ブームが来ていますが、逆に台湾でも日本のカルチャーはすごく人気があるそう。日本のコーヒーショップを集めた雑誌もあるほどで、台湾の方々は私たちが思っている以上にアツい気持ちで日本のコーヒーに興味を持っていることが伺えました。
ロゴやパッケージデザインも見逃せない!
そして、こういったイベントでついつい気になってしまうのは、ショップのロゴやパッケージのデザイン。日本人オーナーのアパレルショップが展開する「Washida coffee」のカップは、日本でも人気のイラストレーター・Noritakeさんのイラストが目を惹きます。
台湾の「有明心 Coffee Roasters」のロゴも可愛かった!台湾では、若手のクリエイターが頑張っていて、こうしたショップデザインもこだわりのお店が多いのだそう。
そんな感じで、気になるデザインがないかな~と会場内を巡っていた私に、ぴったりなブースを発見しました。
出店ショップのパッケージに注目し、素敵なパッケージをずらっと並べた展示です!コーヒー豆のパッケージといっても、個性豊かなものが並んでいて面白いなと思いました。ONIBUS COFFEEのパッケージも発見!
その隣にはコーヒー道具が並んだ展示も。カップやドリッパー、ケトルなど、道具にもショップの特色が出ていて面白かったし、アイテムとしてスタイリッシュなものが多くて見ていて楽しかったです。単純にコーヒー屋さんのブースが並ぶだけでなく、こういったイベント内での見せ方もおしゃれだなぁと思いました。
いろいろと巡って会場で私がGETしたのは、左から台湾のHAUSINC CAFÉ、有明心 Coffee Roasters、そして一番右は京都のコーヒー坊やと只本屋のコラボ商品。海外では言葉が通じないことも多いので、デザインを見てインスピレーションで買い物することが多い私ですが、今回もグッときたデザインでチョイスしてみたので、この後じっくり味わうのが楽しみです!
そうこうしているうちに、入場してから約4時間。あっという間にイベント終了の時間に…。
すごい熱気の中でしたが、いろんなコーヒー、地域、デザイン、モノ、そして人に出会えた濃厚な時間でした。
『Culture & Coffee Festival in Taipei』の様子をお届けしましたが、台湾のコーヒーカルチャーの盛り上がりは伝わりましたでしょうか?台湾で活躍する日本人の方がいたり、日本と台湾がコラボしたお店があったり。これからどんどん日本と台湾が近づいていくような気がしました。そんな様子を肌で感じられたのも、大きな収穫です!
台湾は、リピートしていきたくなる方が多いと聞きます。それは、台湾の伝統的な文化を感じる旅も楽しいけれど、今の台湾のデザインやカルチャーも面白いからなんじゃないかな?と思います。小籠包やマンゴーかき氷も楽しめれば、今時のおしゃれなコーヒーショップも楽しめる。みなさんも、いろんな台湾を楽しんでみてはいかがでしょうか?