EXHIBITION いまオススメの展示・イベント
各都道府県の活動家から、未来の暮らしのスタンダードを探る展覧会「NIPPONの47人 2017 これからの暮らしかた – Off-Grid Life -」
多種多様な暮らしかたを実践する活動家を、各都道府県から1人ずつ紹介。
こんにちは、箱庭編集部moです。
今回ご紹介するのは8月3日(木)からd47 MUSEUMで開催されている「NIPPONの47人 2017 これからの暮らしかた – Off-Grid Life –」です。d47 MUSEUMは、箱庭の記事「d design travel SHIZUOKA EXHIBITION」でもご紹介しましたが、“日本のものづくりの今”を知る、デザインミュージアムです。47の展示台が常設され、47の日本の伝統工芸、若い世代によるクリエイション、観光や地元のデザイントラベルを展示しています。
第19回目の企画展となる今回は、住まい、食べもの、エネルギー、働き方、流通、まちづくりなど多種多様な暮らし方をしている人を各都道府県から1名ずつ紹介した展覧会となっています。
3人の共同キュレーションのもと実現した展示
本展は、「暮らしかた冒険家」の伊藤菜衣子さん、「ASIAN KUNG-FU GENERATION・THE FUTURE TIMES編集長」の後藤正文さん、「建築家・東北芸術工科大学」の竹内昌義さんの3人が共同キュレーション、全国から47人の活動家を集めた展示となっています。
東日本大震災以降、暮らしかたや豊かさの価値観が見直されるなか、“その土地にあるものを活用している”、“しなやか、柔軟、イノベーティブである”、“活動が広まるほど地域経済が循環し、豊かになる”、“楽しそうに、ご機嫌にやっている”と4つの視点に重点を起き、全国から気になっている人々を選出したそう。それぞれ集められた47人の「暮らしかた」のビジョンを見ることで、未来はどんなカタチになるのか、どっちに向かうのか、想像して楽しんでほしい、との願いが込められています。
実際見て、全国にこんな活動があるんだ!と初めて知ることも多かった本展。いくつかピックアップしてご紹介したいと思います。
新しい時代を考える新聞『THE FUTURE TIMES』(東京)
東京都の展示では、キュレーターでもあるASIAN KUNG-FU GENERATION / THE FUTURE TIMES編集長の後藤正文さんの活動が紹介されています。これまで発刊した新聞「THE FUTURE TIMES」や、自身の著書を展示していました。東日本大震災を機に、新しい時代やこれからの社会・未来を考えることをテーマに活動をしていますが、取材や編集等はすべて休日を利用して行っているそう。
ミュージシャンでもある後藤さんが発信することにより、今までこういったテーマに関心を持ちにくかった人たちも興味を持つきっかけになっていると感じました。
見捨てられたものに価値を見出す『ReBuilding Center JAPAN』(長野県)
箱庭5周年イベントでもご協力いただいた長野県の「ReBuilding Center JAPAN」。家が解体される際、まだ使える部材を“レスキュー”し、メンテナンスや使い方を提案し販売する活動をしています。普段なかなか見ることのできない、実物のリサイクル品が展示されています。
店主にとって居心地のいい場所『ツバメコーヒー』(新潟県)
新潟県燕市にお店をかまえる「ツバメコーヒー」。お客さんにとってのいい店を目指すのではなく、店主にとっていい場所を作った結果、わざわざ全国から訪れる価値のあるお店になったそう。ツバメコーヒーのオリジナルグッズがたくさん展示されていて魅力的でした。
風土に根付いた本物の野菜を次世代につなぐ『野口種苗研究所』(埼玉県)
現在流通している、合理性を追い求めた野菜市場に疑問を感じ、地域性や環境に適した自家採種できる固定種のみを販売する「野口種苗研究所」。暮らしの中でも重要な“食”のあり方に一石を投じている興味深い展示でした。
この他にも、様々なジャンル・方向性で活動されている各都道府県の活動家の展示がずらりと並んでいます。ひとつひとつじっくり目を通して感じていただきたい展示です。
各展示上部には、それぞれの活動やその思いが記されています。47点のさまざまな取り組みを見ることで「自分なりの豊かな暮らし」を見つめ、探るきっかけになるのではないでしょうか。
NIPPONの47人 2017 これからの暮らしかた – Off-Grid Life –
会期:2017年8月3日(木) – 2017年10月9日(月) 9/11、12は休館
時間:11:00〜20:00(最終入館19:30)
場所:d47 MUSEUM
住所:〒150-8510 東京都渋谷区 渋谷2丁目21-1 渋谷ヒカリエ8F
料金:入場無料
事前申込:不要
URL:http://www.hikarie8.com/d47museum/2017/07/nippon47-2017-off-grid-life.shtml