アドミュージアム東京

楽しみながら知れる、日本の広告の歴史。

こんにちは、シオリです。
通勤の電車で見る中吊りや、お家で見るテレビCMや雑誌など、私たちは日常で様々な“広告”に触れ、生活しています。私は、そんな広告のデザインが好きです。誰かに届けたい!と願って作られているからこそ、いろんな想いや工夫が込められていて、何かを宣伝するという役割を超えて楽しませてくれるものだな、と思うのです。

12/1リニューアルオープン!日本唯一の広告のミュージアム「アドミュージアム東京」

アドミュージアム東京
今日は、そんな“広告”にどっぷり浸れる場所をご紹介したいと思います。2017年12月1日(金)にリニューアルオープンした日本唯一の広告のミュージアム「アドミュージアム東京」です。

アドミュージアム東京は、広告を通して新しい発見に出合える場所として、2002年カレッタ汐留にオープンしました。そして開館15年を迎える今年、より魅力的な展示に生まれ変わるためにリニューアル!早速足を運んできました。今日は新しくなった館内や、今開催中の企画展も併せてレポートしていきます!

広告にまつわる歴史やさまざまな情報を学ぶ「ニッポン広告史」

アドミュージアム東京
私たちがいつも何気なく触れている広告ですが、いつから始まったの?ということを意識している方は少ないかもしれません。アドミュージアム東京では、30万点を超える資料のなかから、江戸時代にさかのぼって日本の広告の発展がわかる資料をわかりやすい解説とともに紹介しています。

マネジメント研究の第一人者、ピーター・ドラッカーも「マーケティングの原点は日本の江戸にあり」という言葉を残しているとか。そんなと江戸時代の広告は、現代のタレント広告やSNSの原点でもあり、見れば見るほど新しい発見があるんです!

アドミュージアム東京
ここにずらっと並んでいるのは、江戸時代の看板!商売がそのまま形になったシンプルなモチーフの看板は、今見てもとても素敵です。これまで大事に保管しておいたものだそうですが、今回のリニューアルに合わせて展示されることになった、貴重な資料のひとつです。

アドミュージアム東京
こちらは、昭和に入ってからのデザインが並ぶエリア。だんだんと、今の私たちの暮らしと繋がっているなぁ、と思うアイテムも登場してきます。

アドミュージアム東京
より、シンプルに“伝えたい”という想いが形になった昔のデザイン。たくさんの数があるので、じっくり見ているとあっという間に時が経ってしまいます…!

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そして私が一番ぐっときたのは、「社会の矛盾と向き合う新しい広告」と題された90年代の広告を展示したコーナー。自分が実際に触れてきた広告ばかりで懐かしく思うのと同時に、この時代の雰囲気を思い出せるような気がしました。広告は、その時代を表しているものでもあるんですね。

このように、広告活動の原点といえる江戸時代から現代まで、時代と広告、人と広告の関わりの歴史を感じることが出来る展示でした。映像やデジタル展示も交えてわかりやすく展示されているので、豊富な展示数ですが、楽しみながら足を進めていくことが出来ますよ。

広告に触れ・体験する 視聴ブース「4つのきもち」「デジタルコレクションテーブル」

アドミュージアム東京
時代に沿った展示のほかにも注目したいのが、触れて、体験しながら広告を知ることが出来るこちらのコーナーです。

まず、雲のような白く天井からぶら下がっているものは、「きもち」ごとに広告をキュレーションした視聴ブース「4つのきもち」です。圧倒的な共感を生む広告、深く考えさせられる広告など、気持ちを強く揺さぶる作品を楽しむことができます。

下に置かれた白いテーブルは、「デジタルコレクションテーブル」。タッチ式のデジタルテーブルになっていて、1950年代から現在までのテレビCM、ポスターなど約2000点の広告資料が画面上に流れているので、その中から自分が興味を惹くものをタッチ!思う存分広告作品を堪能出来るんです。

アドミュージアム東京
また、「アナログテーブル」もあり、引き札、絵びら、錦絵、テレビCMの絵コンテなど、古今を問わず、一般にはなじみのない資料をわかりやすい解説とともに見ることが可能。これは昔のキャラメルのパッケージですが、なかなか見られる機会はないので、ワクワクしました!

アドミュージアム東京
会場内の壁には、様々な広告のキャッチコピーが順番に映し出されていました。CMの中で見聞きした言葉も、こうして見ると、より印象的になるような気がします。

こうして広告のいろいろと向き合ってみると、これから日々の視点が広がって、さらに広告を楽しめそうだなぁと思いました。

リニューアル後、最初の企画展「思いつく」を考える展が開催中!

アドミュージアム東京
ここまで紹介してきた充実の常設展に加え、企画展も実施しています。リニューアル後、第一弾は「思いつく」を考える展です。

話題のヒット作、便利な日用品など、優れたアイデアだなぁと感じるアイテムは多々ありますが、その裏側には何があるのか?ということに迫った本展。アイデアを「思いつく」というのは、才能や感性の産物ではなく、「思いつく方法を見つける」ための地道な努力の成果でもあると考え、「思いつく」の過程と考えることの面白さを伝える展示になっているんです。

アドミュージアム東京
例えば、「ばらしてみた」という視点で挙げられていたのは、岡崎体育「MUSIC VIDEO」。これは話題になった当時、私もアイデアの新しさに感動した作品です。ぜひその魅力の秘密に、展示で触れてみてください。

「アイデアを考えるって、こういうことか」「これなら自分にもできるかも」と、明日からの仕事や生活をちょっとだけ変えるヒントになればという想いが詰まったこちらの企画展。普段デザインや企画に携わっている方も、そうでない方も、いろんな方が楽しめるのではないでしょうか。

広告やマーケティングに纏わる書籍が集まるライブラリーも見逃せない!

アドミュージアム東京
展示スペースから階段で上にあがったスペースには、広告・マーケティングに関する28,000点の図書資料を収蔵する専門ライブラリーが。リニューアルを機に、一般の方でも思わず手に取りたくなるような工夫を加え、より開かれた空間になりました。専門的な本から、一般の方が手に取りやすい本も並んでいるので、気軽に利用してみてくださいね。

アドミュージアム東京
館内に、こんな言葉が書かれていました。

「広告を、広告で終わらせてはもったいない。」

展示を見ていると、この言葉がじんわり心に響きます。みなさんも、今まで以上に広告が楽しくなるアドミュージアム東京に、ぜひ訪れて見てくださいね。

    アドミュージアム東京

    住所:東京都港区東新橋1-8-2 カレッタ汐留
    アクセス:JR新橋駅から徒歩5分(カレッタ汐留内)
    開館時間:火~土 11:00~18:00
    休館日:日曜、月曜
    入場料:無料
    TEL:03-6218-2500
    http://www.admt.jp/

    「思いつく」を考える展

    開催期間:2017年12月1日 (金) ~2018年2月24日 (土)