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草間彌生デザインの「祝幕」が歌舞伎座の舞台を彩る!松本幸四郎さんがお披露目。

高麗屋三代襲名を祝って贈られた「祝幕」が二月大歌舞伎で登場!
こんにちは、シオリです。
日本の伝統芸能のひとつ、歌舞伎。最近ではアニメとコラボした演目が登場したり、東京オリンピックに向けて日本の文化に注目が集まっていたりすることで、気になっているという方も多いのではないでしょうか。今日は、そんな歌舞伎に関するニュースをお届けしたいと思います。
年明けから歌舞伎界で話題となっていることと言えば、二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎、八代目市川染五郎の高麗屋三代襲名です。歌舞伎座では、高麗屋三代襲名披露興行として、1月2日から「壽初春大歌舞伎」がスタート。そして2月には「二月大歌舞伎」が開幕します。
その「二月大歌舞伎」の公演初日にお目見えする「祝幕(いわいまく)」は、襲名披露興行を彩る特別な引幕だということで、1月23日(火)に祝幕デザイン発表会が行われました。
高麗屋三代襲名を祝うのは、草間彌生デザインの巨大「祝幕」。
歌舞伎座の舞台にかかる引幕は、黒・柿・萌葱の三色の布を縦に縫い合わせて作られたものが使われています。それを「定式幕(じょうしきまく)」と言いますが、今回のような襲名披露興行の際、後援会や御贔屓の方より俳優に提供される特別な引幕が「祝幕」です。『口上』をはじめ襲名演目上演の際に、「定式幕」の替わりに使用されることが多いのだとか。
これまでも様々な祝幕があり、観客を楽しませてきましたが、今回のデザインはこちら。
祝幕のデザイン発表ということで、会場にいらしたのは市川染五郎改め十代目松本幸四郎さん。お披露目された祝幕は、高麗屋三代の御贔屓である中野道代さんご提供、そしてデザインは、なんと前衛芸術家の草間彌生さん!草間さんの作品が歌舞伎座の舞台を彩るって、素敵だと思いませんか?!

松本幸四郎さんは、以前から草間さんのファンで、親交もあるのだとか。草間さんの作品から感じる洗練された美しさは、歌舞伎と共通するものがあるのではないかと思い、そして草間さんのデザインの祝幕をかけることで自分たちの節目となる襲名披露興行のエネルギーにしたい、そんな想いから今回お願いすることになったのだそう。
草間彌生「わが永遠の魂」から3点の作品が並ぶ

デザインは、草間さんが2009年から精力的に取り組んでいる大型の絵画シリーズ「わが永遠の魂」から、2017年に制作された3点を並べてつくられています。作品のテーマは、「愛を持って人生を語ろう」。高さ7.1m×幅30.3mの巨大な作品となる祝幕ですが、草間さんの絵画のみでこれだけ大きなものになるのは、世界でも初めてのことだそう。
幸四郎さんは今回草間さんとお話した際に、「一緒に新しいことをやりましょう」という言葉にエネルギーを感じたんだとか。祝幕に使われている3つの作品は、たくさんある作品の中から幸四郎さんが選んだもの。常に新しい作品を生み出し進化を続ける草間彌生さんだからこそ、そのパワーを感じるものが良いという想いもあって、2017年に作られたばかりの新しい作品を選んだそうです。
このデザインを見たとき、「これ以上はない」と思ったという幸四郎さん。地色に、祝幕にはこれまで使われたことはないであろう黒を使っているということも、新しいデザインだと感じたそうです。高麗屋の節目にみなさんをお迎えする作品として、素晴らしいものになったとおっしゃっていました。
祝幕からパワーを貰って挑む「二月大歌舞伎」
今回お披露目された祝幕がお目見えするのは、2月1日から開幕する「二月大歌舞伎」。松本幸四郎さんは、昼の部『一條大蔵譚』で一條大蔵長成を、夜の部『熊谷陣屋』で熊谷次郎直実をつとめます。

祝幕だけでなく、衣裳や内容など注目すべきところはたくさん!歌舞伎を観に行ったことがある方も、そうでない方も、ぜひ歌舞伎座に足を運んでみてくださいね!