1804repaircare
こんにちは、箱庭キュレーターのカナコです。
本日ご紹介するのは、渋谷ヒカリエにあるd47 MUSEUMで2018年4月5日(木)~6月11日(月)まで開催中の「47 REPAIR & CARE -47都道府県の修理と手入れ展-」です。早速展示に足を運んできましたので、その様子をお届けします。

修理をしたり、手入れをしたり。長く使うことを考える展覧会

1804repaircare
毎回、テーマに沿って47都道府県の「その土地らしい」デザインを展示しているd47 MUSEUM。今回は、長く使い続けるための「修理や手入れ」をしているメーカーや作家さんが全国から集まっています。
大量生産大量消費の時代は終わり、DIYやシェアサービスの普及にも見られるように、ものの消費は量より質へと変わってきています。修理や手入れをすることで得られる「長く使い続けられる安心感」がものを選ぶ基準として改めて重要視されるようになってきました。使い捨てるよりも、本当に好きなものを修理や手入れをして、長く使い続けたいという人が増えてきているんです 。
本展覧会は、地域の特性を感じながら、長く使い続けるためのこれからの「もの」の消費を考えるきっかけとなる企画。その土地で長く愛され、時が証明したデザインを「ロングライフデザイン」として、見た目の美しさだけではなく、つくられ方や修理、お手入れ方法など「もの」を取り巻く仕組みや環境がデザインされたものが揃っています。

全国各地から集まった選りすぐりの「修理や手入れ」のデザイン

会場には、各都道府県から1つずつ選ばれた「修理や手入れ」にまつわるアイテムがずらりと並んでいます。本当は全部ご紹介したいのですが、今日は気になったものをちょこっとだけご紹介しますね!

岩手県/漆継ぎ

1804repaircare

塗師(ぬし)「田代淳」による、壊れた陶磁器を漆を使って直す「漆継ぎ」。「ひび」や「欠け」に沿って漆が描き出す模様が、陶磁器の新たな表情を生み出しています。

福島県/漆器繕い

1804repaircare
漆器の繕いや塗り直しを行う「漆とロック」による漆器ブランド「めぐる」。イノチがめぐるように世代を越えて使い続けられる器です。使用していくと漆の色艶が変化していくんだとか。売上の一部は会津での漆の木の植栽活動資金となり、そこから採った漆で、器の塗り直しを行うというサイクルを提案しています。

群馬県/染め替え

1804repaircare
衣類の色あせや日焼けなどへの染め替え・染め直しをするサービス、土田産業の「Re:color」。素材の差異などで、染まり方に違いがあり、染めてみて初めてどんな仕上がりになるのか分かるそう。衣類の色が変わるだけで、大きく印象が変化。新たな着方を楽しめそうですね。

大阪府/シミ抜き

1804repaircare

洗浄液とブラシがセットになっていて、自宅でできるシミ取りキット、木村石鹸工業の「re:koro シミ抜きキット」。釜焚き法で石鹸成分を一から作っている、国内では数少ないメーカーです。スタイリッシュなデザインのボトルなので、置いておくだけで気分が上がりそうですね!

広島県/お直し

1804repaircare
シミや汚れのためにリユースできない思い出の詰まった衣類を違う形で仕立て直すサービス、リシュラの「LOOP CARE」。
自分の制服をアルバムにしたり、お母さんから譲り受けた服を名刺入れにしたりと、新しい思い出の残し方・お下がりのカタチが生まれています。

佐賀県/消臭

1804repaircare
植物由来の成分で作られたスーツ専用の消臭スプレー、フリーマムの「KIELT」。無香料で生地を傷めずに消臭できるのが特徴。シンプルなパッケージがかわいく、ギフトにもぴったりですよ!

1804repaircare
ほかにも、メガネの手直しや衣類のほつれをかわいくリメイクする「こぎん刺し」など気になるデザインが溢れていました。
続きは、ぜひ会場で見てみてくださいね〜!

ひとつのものを大切に使い続ける暮らし

1804repaircare
今は、何でも簡単に安く手に入れられる時代です。
だからこそ、普段は忘れてしまいがちなのですが、こちらの展覧会に足を運んでみて、1つのものを手直ししながら愛情込めて使い続ける暮らしって素敵だな〜と感じることができました。1つ1つのものに愛着が持てるからこそ、今まで以上に「もの」を大切にする、丁寧な暮らしが出来そうですね。

展覧会でご紹介しているアイテムや出展者さんの作品は併設ショップで購入できるほか、会期中には実際にお手入れや修理を体験できるワークショップも多数開催されるそう。
すぐに暮らしに取り入れられるようになっています!

会期は2018年6月11日(月)まで。お見逃しなく〜!