BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン
こんにちは、シオリです。
とっても暑い毎日ですが、夏はなぜかお出かけしたい気分が高まってしまいます。今日は、夏のお出かけにもぴったりな注目の展覧会をご紹介したいと思います。

BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン
今回訪れたのは、上野にある東京都美術館。以前箱庭では、ミュージアムショップをご紹介しましたね。こちらのギャラリーA・B・Cにて、7月21日(土)~10月8日(月・祝)まで開催されているのが、「BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン」です。

お弁当がテーマになっている展覧会なんて、今まで見たことない!タイトルを聞いただけでも楽しそう!ということで、先日行われたプレス内覧会に参加してきました。今日は、その時の様子をお届けしたいと思います。

お弁当をコミュニケーション・デザインの視点で切り取る

日本古来より現代まで、私たちの生活に深く根付いてきたお弁当。遠足や行楽などに持って行くようなみんなで食べるお弁当は、共同体を維持・成長させるソーシャル・ツールとなり、誰かが誰かのためにつくる一人用のお弁当は、作る人と食べる人を繋ぐ物語を生み出してきました。

本展は、そんな日本独自の食文化であり、人と人をつなぐ「おべんとう」をコミュニケーション・デザインの視点から捉えた展覧会になっています。会場は、現代の作家たちのインスタレーションや参加型の作品などが並び、会場内を探検するように楽しめるんです!

とっても盛りだくさんな内容なのですが、今日は見どころをピックアップしてお伝えします。

歌って踊れる「おべんとう」!?

会場に入ってすぐ、最初に登場するのが、発酵デザイナー・小倉ヒラクさんの新作アニメーション。日頃からお弁当に親しんでいる方も、最近お弁当食べてないなぁという方も、このアニメーションを見ればすぐにお弁当の世界に引き込まれていきますよ!

歌っているのは、GOING UNDER GROUNDの松本素生さん。もともとヒラクさんがファンだったこともあり、今回オファーをしたそうです。

小倉ヒラク
会場を進んでいくとヒラクさんが今回のために描いたというイラスト作品も展示されているので、お見逃しなく。内覧会当日にいらっしゃっていたご本人のピースもいただきました(笑)!

さぁ、アニメーションで心がほぐれたら、更なるお弁当の世界へ進んでいきましょう!

「おべんとう」を再発見できる参加体験型の作品を楽しもう!

本展の特徴のひとつは、参加体験型の展示が用意されているということ!鑑賞するだけでなく、ゲームのように楽しみながらお弁当を感じることができます。
マライエ・フォーゲルサングの作品《intangible bento》
上から見るとハチの巣のようになっているこちらは、食べることをデザインするイーティング・デザイナーである、マライエ・フォーゲルサングの作品《intangible bento》です。

マライエ・フォーゲルサングの作品《intangible bento》
入口で「精霊フォン」なる音声ガイドをゲットして、展示ブースを進みます。“お弁当の精霊”の声を聞きながら楽しむ展示になっているんです。

マライエ・フォーゲルサングの作品《intangible bento》
短冊が重なったようなリボンのなかへ進んでいくと現れるのは、お弁当の“触ることや見ることのできない側面”を表現したという展示物。お弁当にまつわる食材や環境などの様々な知識を、体験として学ぶことが出来る内容でした。

短冊をかき分けながら進むので、まるで迷路の中にいるみたい。自分が小さくなってお弁当の中に入り込んでいるかのような感覚で楽しめました!

お弁当の「おすそわけ」マインドを考える参加型展示

また違った形で体験をさせてくれるのが、こちらの展示です。
北澤潤《FRAGMENTS PASSAGE-おすそわけ横丁》
お弁当を「箱」と「布」によって自由にコミュニケーション空間を創出するツールとして捉え、北澤潤さんが美術館の中に作り上げたのは、お弁当の「おすそわけ」マインドを考える《FRAGMENTS PASSAGE-おすそわけ横丁》。

確かにお弁当を忘れた友人にみんなが少しずつ分け合う文化が、お弁当にはありますよね。でも、それをどうやって表現しているのでしょうか?

北澤潤《FRAGMENTS PASSAGE-おすそわけ横丁》
横丁に一歩足を踏み入れると、カラフルな雑貨や日用品などが所せましと並び、アジアのマーケットのような空間になっています。

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ふと見上げると、カラフルな紐を発見!

北澤潤《FRAGMENTS PASSAGE-おすそわけ横丁》
こちらには、個性的な置物が。

このように、本当にたくさんのいろんなものが置かれているのですが、実は、これらはすべて誰かからお裾分けされたものなんです!

北澤潤《FRAGMENTS PASSAGE-おすそわけ横丁》
お裾分けした方による説明もシートにまとめられており、読むことができます。お裾分けされることになった理由は様々。これを読むだけでも、モノには物語があるんだなぁと感じることができて楽しいです。

そして、こちらの企画の面白いところは、これらの展示されたモノをお裾分けしてもらうことができ、自分がお裾分けしたいと思ったら、後日持ってくることが出来るということ!お裾分けがお裾分けを呼び、モノが巡っていくんですね。

北澤潤《FRAGMENTS PASSAGE-おすそわけ横丁》
私は、Nikon FM2のお裾分けをいただいてきました。壊れている部分があるのですぐには使えませんが、修理して使ってみようかな?とワクワクした気持ちを抱くことが出来ましたよ。このカメラの替わりに何をお裾分けしようかな?という別のワクワクもあり、お裾分けの楽しさ、嬉しさを身を持って体験しました。

「おべんとう」が生み出すコミュニケーションに注目した展示も

写真家・阿部了「おべんとうの部屋」
体験型以外にも、写真や文章をじっくりと楽しめる展示もたくさんあります!こちらは、NHKのテレビ番組「サラメシ」で有名な“お弁当ハンター”の写真家・阿部了さんによる「おべんとうの部屋」です。今回のために、今まで撮り貯めてきた写真を改めて編集した《ひるけ》は、様々な人がお弁当を食べているそれぞれの「昼」を捉えた写真作品。食べる場所やシチュエーション、お弁当の中身も様々だけど、誰かが誰かのためにつくるということが手に取る様に伝わってきます。

《あゆみ食堂のお弁当》
朝日新聞デジタル&Wで2年間連載された《あゆみ食堂のお弁当》の展示も。読者からの「誰々にこんなお弁当を作ってあげたい」というお便りに応えて、大塩あゆ美さんがお弁当を作り、平野太呂さんが撮影し、読者にレシピとお弁当箱を届けるというプロジェクトだったそう。お弁当が作られる際には、毎回丁寧に取材をして、それぞれの方に想いを廻らせながら創作したのだとか。お弁当という一つの箱に詰まった、心のあたたかさを感じました。

美術家・小山田徹による《お父ちゃん弁当》
こちらは、美術家・小山田徹による《お父ちゃん弁当》という展示。お父ちゃん弁当は、その名の通り幼稚園に通う息子さんのためにお父ちゃんである小山田さんが作るお弁当なのですが、小学生の娘さんが指示書をつくり、それをもとに作られるんだとか。お弁当が、家族のコミュニケーションを生み出しているんですね。

森内康博氏による《Making of BENTO》
森内康博氏による《Making of BENTO》では、わっぱのお弁当の蓋を開けると、映像が流れていました!本展では、細かいところにもお弁当の要素が組み込まれていて楽しいですよ。進路の方向を示す看板などもお見逃しなく!

遊び心のあるユニークなお弁当箱が並ぶ!

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その他、お弁当と言ったらお弁当箱!ということで、時代や国境を越えた様々なお弁当箱が集められた展示もありました。

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こちらは世界各国のお弁当箱が展示されているエリア。お弁当とは思えない形のものあり、その土地の食文化も表していて面白いです。お弁当箱を見るだけで、中身のおかずや食べている風景はどんなところだろう?と想像してしまうから不思議ですね。

以上、おべんとう展のレポートでした!お弁当を五感で味わっているような、刺激を受ける展覧会でした。私は内覧会でもじっくり楽しんでしまったのですが、お裾分けをしにまた訪れる予定です。一度だけではなく、二度目も楽しみな展覧会ってなかなか無いですよね!みなさんも、夏のお出かけに是非遊びに行ってみてはいかがでしょうか?

そして最後に、みなさんに嬉しいお知らせです!

箱庭読者5組10名様に、「BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン」ご招待券をプレゼントします!

ぜひこの機会にご応募下さいね。お近くの方はもちろん、遠くの方でもこれをきっかけに旅を計画しては?ご応募は、最後にあるプレゼントページリンクからどうぞ。

    BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン

    会期:2018年7月21日(土)~10月8日(月・祝)
    開室時間:9:30から17:30まで(入室は閉室の30分前まで)
    夜間開室:金曜日は20:00まで
    ※ただし7月27日(金)、8月3日(金)、10日(金)、17日(金)、24日(金)、31日(金)はサマーナイトミュージアムにより21:00まで
    休室日:月曜日、9月18日(火)、25日(火)
    ※ただし、8月13日(月)、9月17日(月・祝)、24日(月・休)、10月1日(月)、8日(月・祝)は開室
    会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C
    住所:東京都台東区上野公園8-36
    観覧料:
    一般 800円 / 大学生・専門学校生 400円 / 65歳以上 500円
    団体(20名以上) 600円 / 高校生以下は無料
    ※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料
    ※いずれも証明できるものをご持参ください
    ※10月1日(月)は「都民の日」により、どなたでも無料
    TEL:03-3823-6921 (東京都美術館 BENTO おべんとう展担当)
    http://bento.tobikan.jp/

    ご招待券 読者プレゼント

    「BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン」ご招待券を5組10名さまにプレゼント!
    こちらのプレゼント応募ページより、必要事項をご記入の上ご応募下さい。
    応募は終了いたしました。沢山のご応募ありがとうございました。
    ※当選は、チケットの発送をもってかえさせていただきます。