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デザインの楽しさを伝えてくれる、40の作品が大集合!

こんにちは!箱庭編集部みのりです。
7月19日からついにスタートした、企画展「デザインあ展 in TOKYO」。NHK Eテレの大人気番組「デザインあ」の世界観を体感できる企画展ということで、楽しみにしていた方も多いのでは?箱庭編集部ではオープン前の報道内覧会に参加してきたので、その様子をレポートしたいと思います!これから見に行く方も、展示をはじめて知ったという方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。

5年ぶりに帰ってきた「デザインあ展」

子どもたちのデザイン的思考を育てる、NHK Eテレの大人気番組「デザインあ」。私たちの身のまわりに存在するモノをデザインの視点から見つめ直し、斬新な映像手法と音楽で表現することで、デザインの面白さを大人の私たちにも伝えてくれます。そんな番組のコンセプトを体験できる企画展が、22万人を動員した2013年の前回展から作品を新たにし、5年ぶりに東京に帰ってきました!

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今回の東京会場は、お台場にある日本科学未来館。ガラス張りの全館吹抜けの建築が特徴的です。会場に近づくにつれて、ワクワクが大きくなります・・!

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内覧会では、総合ディレクターの佐藤卓さん、映像ディレクターの中村勇吾さん、音楽ディレクターの小山田圭吾さんが登壇されました。番組では総合指導を務める佐藤さんが、「デザインと関わりのないものは何一つない。この展覧会を通して、身近なところにデザインが潜んでいることに気づいてもらえれば」とお話しされていたのが印象的でした。
(佐藤さん、小山田さんの背後にあるパネルは、記念写真が撮れる『「あ」になろう!』という作品です!)

今回の展示では、身のまわりにあるモノ・コトに加え、概念までテーマを掘り下げ、会場を「観察のへや」「体感のへや」「概念のへや」の3つのパートで構成しています。それでは、順路に沿って3つのへやを回っていきたいと思います!

お弁当から名前までをデザインで表現した「観察のへや」

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(観察のへや 展示風景)
「観察のへや」では、身のまわりにあるモノ・コトから「お弁当」「容器」「マーク」「なまえ」「からだ」の5つのテーマを取り上げています。それぞれのテーマが、デザインによってどのように私たちとつながっているのかを「みる」「考える」「つくる」の3つのステップで展示しています。

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(手前:「つめられたもの」 パーフェクトロン)
「お弁当」のセクションでは、生活と実験のアートユニット「パーフェクトロン」による3作品が並んでいました。こちらの『つめられたもの』という作品では、4種類のお弁当を分解。それぞれのお弁当とその食材のつめられ方を観察します。毎日食べているお弁当の中にも、デザインが潜んでいることに気が付きます。

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(手前:「抽象度のオブジェ」 岡崎智弘+スタンド・ストーンズ)
こちらは、「マーク」のセクションの『抽象度のオブジェ』という作品。男女の像がトイレマークに変わっていくプロセスを観察することで、抽象化の度合いによる伝わり方について考えさせられます。どのあたりからトイレマークだと認識できるか、じっくり観察してみてくださいね。

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(手前:「かんばん「あ」」 のらもじ発見プロジェクト)
「なまえ」のセクションでは、以前箱庭でご紹介した「のらもじ発見プロジェクト」の展示を発見!街のあちこちで見つけた看板の文字(のらもじ)が、彼らの手によってさまざまな「あ」に変身!パネル裏では、ハンドドローイングの過程を動画で見ることができますよ。

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(「名は顔をあらわす」 大日本タイポ組合+奥田透也)
私が特に面白いと思ったのが、こちら!「なまえ」セクションにある『名は顔をあらわす』は、画面に自分の名前を入力すると、文字が顔のパーツになって動き出すんです。

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(「名は顔をあらわす」 大日本タイポ組合+奥田透也)
私の名前で作った顔が、こちら。画面に向かって目や口を動かすと、文字も連動して広がったり近づいたりと動くようになっているんです。ずっと眺めていると、本当に自分の顔のように見えてきて、愛着が沸きました・・!
ひとりひとりの顔が違うように、名前も自分だけの個性であり、自分を表現してくれる大切なものだということを実感しました。

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(「もんどころ」 TSDO+NHKエデュケーショナル/紋制作:波戸場承龍)
番組でおなじみの「もん」を描く場所、『もんどころ』のコーナーもありましたよ!瓢(ひさご)、梅、三つ巴(みつどもえ)、雁金(かりがね)の中から好きな「もん」を選び、コンパスと鉛筆を使って描きます。日本に古くから伝わる伝統的な描き方に挑戦してみてくださいね!

「観察のへや」では、参加アーティストによる全19作品が展示されていました。全ての作品を紹介したいくらい、一つ一つの作品に見応えがあり、このへやだけでも十分楽しむことができるのですが、展示はまだまだ続きます!後ろ髪を引かれながら、次の「体感のへや」へと移動したいと思います。

番組の世界観を全身で感じる「体感のへや」

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(「「あ」のテーマ」 中村勇吾/音楽:小山田圭吾)
展示室の四方が巨大スクリーンで囲われた「体感のへや」では、番組オリジナルソングとシンクロする映像が次々と映し出されます。なかでも、360°の大画面にさまざまな「あ」の文字が映し出される『「あ」のテーマ』は迫力があり、鳥肌が立つほど!普段番組を見ていないという方でも、すぐに番組の世界観に吸い込まれるはず。映像をお見せできないのが残念ですが、ぜひその場で体感していただきたい展示です!

くうかん・じかん・しくみを可視化した「概念のへや」

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(概念のへや 展示風景)
3つめの展示「概念のへや」では、「くうかん」「じかん」「しくみ」の3つのテーマで14作品が展示されています。場・時のながれ・人のうごきという、デザイン化するのが難しそうな概念が見事に展示になっていました!

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(中央:「ト~~イレ」 plaplax+齋藤雄介)
「くうかん」セクションの『ト~~イレ』というユニークな題名の作品は、本当になが~~いトイレなんです!トイレットペーパーを取るために歩かないといけないとなると、困ってしまいますよね。いつもの場所をいつもと違う長さに変えることで、私たちをとりまく空間が、目的や動作にあわせてデザインされていることを教えてくれる展示です。
ちなみに写真左は、ある動物が長~いベッドで寝ているんですよ。かわいいけど不思議な感じがたまらないので、会場で是非見つけてくださいね。

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(中央:「じかんがくる」 細金卓矢/音楽:小山田圭吾)
「じかん」セクションの『じかんがくる』という作品では、さまざまな概念が時計になっていました。例えば、会社員の時計は月火水木金土日の7分割。月曜から金曜は会社で働き、土日は休日を満喫する様子が映像で流れていました。他にもどんな概念が時計に変身しているのか、気になりますよね?

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(「しくみ寿し」 パーフェクトロン+柴田大平)
思わず笑ってしまったのは、さまざまな“しくみ”をお寿司屋さんで表現した『しくみ寿し』。お客さんのテーブルまで回転してしまう歯車寿しでは、なかなか食べたいネタを手にすることができません!ある場面ではうまくいくしくみも、他の場面ではうまくいかないことをユーモアたっぷり表現していました。

実は、3つのへやの全ての作品には、最小限の説明しか書かれていないので、この作品は何を表現しているんだろう?と思うことも。これには、「作品を自由に見たり感じたりすることで“わたしだけの世界”を豊かにしてほしい」という想いがあると、中村勇吾さんがお話されていました。自分には作品がどのように見えるのか、確かめてみるのも本展ならではの楽しみ方です。

日本科学未来館ならではの展示にも注目!

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(「みらいの「あ」」投稿作品)
1Fコミュニケーションロビーには、未来のイメージを「あ」を使って描いた投稿作品が並ぶ『みらいの「あ」』の展示コーナーがありました。子どもたちが自由な発想で描いた作品は、驚かされるものばかり!

その隣にある、日本科学未来館とデザインあ展の特別企画『かがくの「あ」』では、科学をデザインの視点から説明しています。佐藤卓さんはここで、「当然科学もデザインと関わりがあり、日本科学未来館は科学と人々をつなぐデザインともいえる」とお話されていました。
どちらも東京会場オリジナルの展示なので、ぜひ覗いてみてくださいね。

かわいいオリジナルグッズも手に入れよう!

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(グッズ売場 風景)
展示同様、本展のオリジナルグッズも見ていて楽しいものばかりでした!「あ」をモチーフにした文具やTシャツから、曲げわっぱまで充実の品揃えで、思わずあれもこれも欲しくなってしまいます・・。

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(あビーサン(17~28cm) 価格:1,620~2,160円)
暑い今年の夏にぴったりなのが、こちらの『あビーサン』。底には「あ」の文字が型抜きされているので、砂浜を歩くとたくさんの「あ」を残せるんです!このビーサンで出掛けて、周りの人たちをびっくりさせちゃいましょう(笑)。

さまざまなデザインを見つけに出掛けよう!

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(展覧会入口)
まだまだご紹介したいところですが、レポートはここまで。続きは会場で実際に楽しんでもらえたらと思います!
デザインというと、専門的な職業の人たちによって描かれるものだというイメージがどうしてもありますが、私たちのとても身近な存在だということに気付かせてもらいました。帰り道ではさっそく、街中に隠れているデザインを探しちゃいました。
一人でじっくりと見て回るのも、数名で話しながら回るのもおすすめです。会期中にぜひ足を運んでもらえたら嬉しいです!

    企画展「デザインあ展 in TOKYO」

    会期:2018年7月19日(木)〜2018年10月18日(木)
    開館時間:10:00~17:00 
    ※ただし、土曜・祝前日(9/16、9/23、10/7)、8/10~18は20:00まで開館、常設展は17:00に終了 ※入場は閉館時間の30分前まで
    休館日:火曜日(ただし、7/24、7/31、8/7、8/14、8/21、8/28は開館)
    開催場所:日本科学未来館 1階 企画展示ゾーン(東京都江東区青海2-3-6)
    入場料:大人 1600円、小学生~18歳以下 1000円、3歳~小学生未満 500円、2歳以下は無料
    主催:日本科学未来館、NHK、NHKエデュケーショナル、NHKプロモーション
    WEBサイト:http://www.design-ah-exhibition.jp/