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小説の世界観を肌で感じられる!全371点の挿絵原画が集結した「横尾忠則 幻花幻想幻画譚 1974-1975」展レポート
こんにちは、箱庭編集部 moです。
だんだん涼しくなりお出かけしやすい気候になってきた今日この頃。芸術の秋の今、おすすめのイベント・展示がたくさんありますよ〜!
そんな中、わたしが今回足を運んだのは2018年9月5日(水)からギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で開催中の「横尾忠則 幻花幻想幻画譚 1974-1975」展です。
横尾イラストレーション・ドローイングの真骨頂が凝縮された小さな宇宙
横尾忠則氏といえばポップな色彩や独創的なコラージュ作品を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。今回の展示では、そういった印象とは全く別の横尾氏の世界観を楽しむことができます。
1974~75年にかけて、東京新聞に連載された瀬戸内晴美(現・瀬戸内寂聴)による時代小説『幻花』の挿絵を担当していた横尾氏。その原画は2015年に兵庫の横尾忠則現代美術館で一般公開されました。本展は横尾忠則現代美術館の協力のもと、横尾氏自ら「幻花幻想幻画譚」と名付けた原画全371点を展示する作品展となっています。
自由奔放な発想をもって、実験的手法を繰り出しながら生み出された超絶技巧の挿絵は、まさに横尾イラストレーション・ドローイングの真骨頂であり、横尾グラフィック・ワークの最高傑作が凝縮された小さな宇宙です。じっくりゆっくり見ていただきたい展示の内容を今日はすこしだけご紹介します。
まるで小説の世界に入り込んだかのような展示空間
まず普段とは違った、おばけやしきにでも来たかのような入り口にワクワク。早速瀬戸内寂聴氏の小説『幻花』の世界に入り込みます。
1階では薄暗い空間の中、小説の物語とともに横尾氏の挿絵原画が展示されています。小説の各場面と照らし合わせながら挿絵を楽しむことができる内容となっています。
約8cm×14cmの小さな画面から発せられるエネルギー
約8cm×14cmの小さな原画には、般若心経を書き込んだり、映画のアニメーションのように同じ場面を少しずつ変化させ連続性を持たせたり、
一方、唐突に物語に関係のないモチーフや、作家瀬戸内氏自身の肖像を登場させたりと、様々な作品が並びます。ひとつひとつ、じーっと目を凝らして見入ってしまうほど繊細で緻密なイラストの数々に驚かされます。
当時の新聞や書籍も展示
地下1階の展示室でも1階の展示と同様、物語と挿絵を一緒に楽しむことができます。
挿絵の1コマが壁一面に大きく描かれていたり、小説の時代の建物を思わせる格子戸が使われていたりと、1階とはちがった空間演出で、小説の世界観に引き込まれます。
挿絵原画の他にも、1976年に発刊された『幻花』の装丁や、
連載当時の新聞なども見ることができます。原画とともに実際の新聞や書籍を見ることで、より一層当時の時代や空気を感じることができました。
また、2階の展示室では横尾氏と瀬戸内氏のトーク映像を見ることができます。デザイナーやクリエーターのみなさんにとって興味深いお話なのでぜひ見てみてください。
今回ご紹介したのは、作品のほんの一部。実際には371点もの原画が展示されています。ひとつひとつがどれもエネルギーに溢れ、改めて表現力の豊かさと横尾イラストレーション・ドローイングのかっこよさを感じる内容でした!
こちらの展示は2018年10月20日(土)までの開催です。気になった方はぜひ足を運んでみてくださいね〜!
横尾忠則 幻花幻想幻画譚 1974-1975
期間:2018年9月5日(水)~10月20日(土)
場所:〒104-0061東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F/B1F
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
TEL:03-3571-5206
FAX:03-3289-1389
時間:11:00〜19:00
休館日:日曜・祝日
入場無料
WEBサイト:http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/