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フランス・パリのルーヴル美術館ピラミッド内での展示をはじめ、国内外で活躍中の名和晃平さんの新作展「Biomatrix」に行ってきました!
こんにちは、箱庭キュレーターのKIMIです。
今日は、銭湯を改修して作られたギャラリー「SCAI THE BATHHOUSE」で開催中の彫刻家・名和晃平さんの3年ぶりの新作展『Biomatrix』をご紹介したいと思います。
(真ん中の男性が、名和晃平さんご本人)
「Pixel(画素)」と「Cell(細胞)」を掛け合わせた独自の制作概念「PixCell(ピクセル)」を軸に、さまざまな素材と最先端の技術を掛け合わせ、鑑賞者の視触覚を刺激し続けている名和晃平さん。
現在、パリのルーブル美術館のピラミッド内に作品が特別展示されていることでも有名ですよね。
(ルーブル美術館の展示は、2019年1月14日まで)
今回の展示『Biomatrix』は、シリコーンオイル、金属粉、顔料などを組み合わせた液状素材を使用し、液面に気泡(セル)を発生させた作品シリーズ「LIQUID」(2003年〜)を中心に展示されていました。
会場に入ってすぐには、マグマが噴火した後のようにも見える作品「Velvet」が飾られていました。
「Velvet#1」
「Velvet#2」
続いて、何人もの人が折り重なって見える人型の彫刻「Particle」。
(「Particle-AJMMNN#1」ダミアン・ジャレ氏とのコラボレーション作品)
どちらも素材感が不思議でじっと近づいて見たくなる作品です。
まるで生きているかのような不思議な作品!
奥に進むと、今回の展示の名前にもなっている「Biomatrix」があります。
「Biomatrix」
こちらの作品、写真で見ると、絵のようにも見えるのですが、実物は、シリコーンオイルで出来ている液体なんです。下から、ランダムに空気が出てくることによって、気泡がプクっと膨れ上がり、弾けるを繰り返します。不思議と自分の意思で動き続けているようにも見えました。
全て同時に空気が出てくると、こんな風に綺麗な均一にもなるんですよ。
弾ける音と、天井にも注目です!
顕微鏡で細胞を覗いているようにも見えるこの集合体、全部で9列×37列、合計333個の気泡が浮かび上がる瞬間、「グワッ」と弾ける音がして、とても印象的でした。まるでマグマが、ブクブクと弾ける瞬間のよう。
そして、天井に映る影にも是非注目して見てください。
ねっ!天井に光が反射していて、本当に顕微鏡で覗いた映像に見えませんか?
もはや中毒のように永遠と見続けていられる作品。私は、ずっと見続けていると自分の体の細胞とも共鳴しているような不思議な感覚を味わい、この中にスッと吸い込まれそうな気分になりました。本当に吸い込まれたら危険なので、皆さんも気をつけて鑑賞してくださいね。
名和晃平『Biomatrix』
会期:2018年10月10日(水)〜2018年12月8日(土)
会場:SCAI THE BATHHOUSE
(東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡)
時間:12:00〜18:00
休廊日:日、月曜、祝日
入場無料
URL: https://www.scaithebathhouse.com/ja/exhibitions/2018/09/biomatrix/