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言葉を“体感する”インスタレーションは必見!横浜美術館で開催中の最果タヒ個展「詩の展示」レポート。
こんにちは、シオリです。
今回レポートするのは、言葉を用いて多種多様な表現活動をおこなう作家、最果タヒさんの個展「氷になる直前の、氷点下の水は、 蝶になる直前の、さなぎの中は、 詩になる直前の、横浜美術館は。 ―― 最果タヒ 詩の展示」です。
最果タヒさんは、中学生の頃からウェブ上で言葉を発表し始め、その後 2007 年に第一詩集を刊行。詩壇から高い評価を得る一方、インターネットや SNS を通した活動により、それまで詩に親しむことのなかった層をもファンに取り込み、大きな注目を集めています。また、近年では美術展への参加や空間を使った言葉の発表を積極的に試みており、その活動はひとつの表現形態に留まらない多彩な展開を見せています。
そんな最果さんが、今回、横浜美術館の有望な若手アーティストを紹介する「New Artist Picks(NAP)」シリーズで取り上げられ、2月23日(土)〜3月24日(日)まで個展を開催。横浜美術館としても初となる、詩人による展覧会。いったいどのようになっているのでしょうか?早速レポートしたいと思います。
言葉を“体感する”世界に引き込まれる!佐々木俊氏がデザインを担った新作インスタレーション
今回の展示は、横浜美術館内の3箇所(アートギャラリー1、Café 小倉山、美術情報センター)にわかれており、それぞれの空間を活かした作品が楽しめるのも魅力です。
最初に訪れたのは、アートギャラリー1。
『氷になる直前の、氷点下の水は、
蝶になる直前の、さなぎの中は、
詩になる直前の、横浜美術館は。』
と題された作品は、佐々木俊氏がデザインを担い、生まれた新作インスタレーションです。詩のインスタレーションとは、どんな作品になっているのか、ちょっとドキドキしながら扉の中へ入ります…!
展示室に入ると、このようにたくさんの言葉が散りばめられていました!いろいろな言葉、フレーズが閉じ込められたモビールが、ゆらゆらと動く様子はとても不思議な感覚です。
まるで言葉が降ってくるような空間を、目の前に飛び込んできた言葉をひとつひとつ読みながら、進んでいきます。
本当にたくさんの言葉があるので、お気に入りの言葉を見つけてみてくださいね。
光の使われ方もとても素敵で、その美しさに吸い込まれていきます。遠くから映し出す形を眺めてみたり、近づいて詩をじっくり読んでみたりと、距離感によって異なる楽しみ方ができるのも魅力です。
最果さんが紡ぎ出す言葉の魅力にも、改めて気づかされます。本やSNSで読むのとはまた違った形で、体験として言葉を感じることができる展示は、ここでしか得ることのできない刺激をもらえます。ぜひ、みなさんにもその感覚を味わっていただきたいです!
カフェや図書室など、日常に溶け込むような展示も。
美術館の中にあるカフェ「Café 小倉山」にも展示がされていますので、お見逃しなく。『喫茶詩つ』と題された作品は、店内のテーブルの上のかわいいモビール。壁にも作品『いまなん詩゛?』の言葉が映し出されています。
『喫茶詩つ』それぞれのモビールの形がユニークで、独特の世界観を醸し出しています。くつろぎながら読む言葉は、また違った発見がありました。
その他、美術の専門図書・資料が閲覧できる「美術情報センター」にも展示があり、その場所だからこその作品に目を奪われました!
ぜひ、3箇所それぞれの作品をじっくりと堪能してくださいね。
グッズや書店との合同フェアも見逃せない!
さきほどの展示があったカフェの隣にあるミュージアムショップでは、最果タヒさんのこれまでの書籍がたくさん並んでいる他、展覧会を機に制作されたという、最果さんのサインとシリアルナンバー入りの「デスクトップモビール」が販売中。
●モビール工房mother toolによるプロダクト「looping」〈最果タヒ×横浜美術館〉別注バージョン
「最果タヒ詩の展示」グッズはデスクトップモビールlooping。詩のしおりと最果さんのサイン、シリアルナンバー入り。#最果タヒ #最果タヒ詩の展示 #佐々木俊 #tempo #mothertool #横浜美術館 pic.twitter.com/59o0uOQ8Wg
— mothertool (@mother_tool) 2019年2月25日
最果タヒさんのグッズもいくつかあり、私はハンカチをGETしました!このデザインもさすがですよね。見ているだけでうっとり。
また、今回の展覧会に合わせて、美術館近隣のみなとみらいにある書店3店舗との合同フェアも開催中!最果タヒさんが書きおろした詩が載ったフリーペーパーが無料配布されているんです。
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開催書店:
・紀伊國屋書店 横浜みなとみらい店
・くまざわ書店 ランドマーク店
・丸善 横浜みなとみらい店
3店舗それぞれ異なるものが置かれているそうなので、スタンプラリー感覚で全部チェックしてみても楽しそう!
本展は、3月24日(日)まで。ちょうど、先日箱庭でレポートした「イサム・ノグチと長谷川三郎―変わるものと変わらざるもの」と会期終了日が同じなので、ゆっくりと時間をとって二つの展覧会を一緒に楽しむのがおすすめです!ぜひ足を運んでみてくださいね。
最果タヒ 詩の展示
会期 2019年2月23日(土)~3月24日(日)
休館日:木曜日(ただし 2019年3月21日[木・祝]は開館)、3月22日(金)
開場時間:11:00~18:00 ※Café 小倉山は10:45~
場所:横浜美術館 アートギャラリー1、Café 小倉山、美術情報センター
住所:〒220-0012 横浜市西区みなとみらい 3-4-1
TEL: 045-221-0300
観覧料 無料
https://yokohama.art.museum
最果タヒ
WEB:http://tahi.jp/