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約150組が出展!一ヶ月にわたるアートブックフェア「TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Edition」をレポート
こんにちは、箱庭の森です。
今回レポートするのは、3月8日(金)から4月14日(日)までGinza Sony Parkにて開催中の「TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Edition」です。
TOKYO ART BOOK FAIRは、ご存知の方も多いかと思いますが、アジアで最大規模のアート出版に特化したブックフェア。印刷物を通した独自の表現を続ける出版社、ギャラリー、アーティストたちが世界中から集まり、数日間にわたる会期を通じてのべ2万人超の来場者が訪れ賑わいをみせる、まさにアートブックの「祭典」ともいえるイベントです。2009年にスタートし、これまで年に一度のペースで開催していましたが、2018年は準備期間として開催されませんでした。寂しかったですよね…。準備期間を終えた今年、パワーアップして戻ってきてくれましたよ!
節目となる10回目の本開催は東京都現代美術館にて7月12日(金)〜7月15日(月祝)に開催されます。
そして、本開催に先駆けて開催されているのが、今回ご紹介する「TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Edition」です。
TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Editionは、Ginza Sony Parkのコンセプトである「公園」をテーマに掲げ、Ginza Sony ParkのB2,B3フロアをメインに“一ヶ月にわたるアートブックフェア”という新たな試みで開催されるイベントです。普段のTOKYO ART BOOK FAIRが数日間に対して、TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Editionは一ヶ月間の開催。それにはこんな想いがあるそうです。
今回の試みは、これまで年に一回行ってきた打ち上げ花火のような「祭り」というより、会場になるGinza Sony Parkのコンセプトである「公園」をイメージしたものになります。「Ginza Edition」では、より日常的な場で、日々制作に励む作り手たち、そして彼らが作るアートブックと繋がる空間を創出します。
公園にリフレッシュやアイデアを求めて出かけるように、誰もがふらりと訪れた先でアートブックと出会い、そこから広がる新しい世界を楽しむ機会、Ginza Sony Parkでの「Ginza Edition」をどうぞお楽しみください。
充実の内容で一ヶ月に何度訪れても楽しめる仕組みもありながら、「公園」をイメージしたというように、買い物や仕事の途中にも気軽に立ち寄れるような雰囲気が心地の良いイベントになっています。
ブース出展は合計150組が参加!毎週末入れ替わるから毎週楽しめる
週末は、国内外の出版社、ギャラリー、書店、アーティストが、それぞれのテーブルで展示販売を行う「Exhibitor Booth」が並びます。週末毎に25~30組の出展者が入れ替わり、会期中の5週末で合計約150組の出展者が参加します。
このブースの良さは、なんといっても出版社やアーティストと直接コミュニケーションをとれるということ。出展者の方と対話することで、作品を見ただけでは気付くことのできなかった作品の魅力や制作秘話まで知ることができるかもしれません。
たとえば、私が行ったWEEK1(3/8〜10)で出会ったのはこんな印刷物です。
サッカー雑誌を刊行する「OFF THE BALL by LIKTEN.LLC」。ブースの両脇に飾られていたものは、イラストレーターさんのカレンダーかと思いきや、11人のアーティストをサッカーの1チームに見立てて、サッカーをテーマに制作した作品をポスターサイズで収録したという雑誌なんだそう。斬新!
もともともは、雑誌のようなスタイルで作っていたそうですが、色々あってこの形になったんだそうです。「前は作るのが大変だったけど、今は持ち運びが大変(笑)」とおっしゃってました。ついつい見た目でカレンダーかと思ってしまいましたが、あの形状はカレンダーじゃなくてもいいんだーと凝り固まった頭をほぐしてくれました。
神奈川県葉山町を拠点に活動しているインディペンデント出版社「Newfave」で出会ったのはこんな書籍『PUGMENT 1XXX-2018-2XXX』
ファッションレーベルPUGMENTの2018AWコレクション『1XXX-2018-2XXX』と連動しているとのことですが、これが凄かった!(写真中)
日本のファッション史に関する膨大なテキストが年別に記載されているのですが、触ってみると、全ページが袋とじみたいになっているんですよ。まさか…と思ったら全ページ袋とじでした。驚愕!
私が学生時代にアツかったアムラーページを開いて、中面を見せてくれました。
おお〜!袋とじの中面は、テキストに連動した画像が印刷されています。この仕様で全160ページで4000円(税別)でした。すっすごい…!
こんな風に、話してみると面白い出会いがたくさんあるので、ちょっとでも気になった作品は手にとって出展者の方とお話ししてみてくださいね。
平日のみ登場する、1000冊を超えるアートブック販売機
平日には「Exhibitor Booth」と入れ替わるかたちで「Art Book Vending Machine(アートブック販売機)」が登場します。出展者より「出展料」として10冊ずつ集めた約1000冊を超えるアートブックがストックされており、キーワードを選ぶことでそれに紐づく一冊が販売機から出てくるのだそうです。参加料は500円もしくは、持参したアートブック1冊。参加料として持参したアートブックは、販売機にストックされ、参加者に再提供する可能性もあるという面白い仕組みになっています。(内容や状態によっては参加料として受け付けられない本もあります。)
また、平日も週末も楽しめるのが「ZINE’S MATE SHOP」。公募からTOKYO ART BOOK FAIRがセレクトする、国内外の個性豊かなアートブックやZINEなど約500タイトルが展示販売されています。2009年から2015年まで開催していた人気コンテンツで、久しぶりの復活となるそうです!
一般書店には流通していないアートブックが数多く並ぶので、自分なりの一冊を見つけてみてください。
展覧会、ワークショップ、トークイベントも!先ずはスケジュールをチェックしよう。
出展者ブースのみならず、展覧会も毎週入れ替わり、デザイナーデュオOK-RM&写真家のダニエル・シェア、現代美術家の河井美咲、写真家のホンマタカシ、そして映画監督・アーティストのミランダ・ジュライが、印刷物にまつわる作品を展示します。
3/17(日)までは、イギリスを拠点とするデザインユニット「OK-RM」と、アメリカ人フォトグラファー、ダニエル・シェア(Daniel Shea)によるコラボレーションプロジェクト『Ex Nihilo』の展覧会が開催されています。
地下3階のスペースでは、展覧会の各アーティストに関連する展示も行われています。
こちらの展示スペース横には、「ART BOOK × Curry」をテーマにCURRY TRUCKもあり、会期中は10店舗以上のカレー屋さんが日替わりで出店されます。少し奥まった場所にあるので、見逃さないでくださいね。
そのほか、本作りのプロセスが体験できるワークショップ、トークショーやサイン会、など様々なイベントが開催されます。
週末だけではなく平日訪れても楽しめる、そして何度訪れても楽しめる「TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Edition」。アートブックと繋がるこの空間にふらりと遊びに出かけてみてください!
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TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Edition
主催:TOKYO ART BOOK FAIR、Ginza Sony Park
会期:2019年3月8日(金) ~ 4月7日(日) 10:00~20:00 ※1週間の延長が決定!4月14日(日)が最終日となります。(3/26追記)
入場無料・会期中無休
会場:Ginza Sony Park 東京都中央区銀座5-3-1
URL:https://tokyoartbookfair.com/ginzasonypark/