EXHIBITION いまオススメの展示・イベント
今から注目しておきたい、2020年夏開催のアート展「LOVE LOVE LOVE LOVE展」。プレイベントでシェアされた、今後の展開をご紹介!

こんにちは、haconiwa編集部です。
いよいよ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまであと1年。さまざまなイベントが動きはじめていますね!
その中で本日ご紹介するのは、2020年夏にお台場の船の科学館で約2ヶ月間にわたって開催予定のアート展「LOVE LOVE LOVE LOVE展」です。
本展は、誰もが参加できるインクルーシブな社会の実現を目指し、障害者に関わる取り組みを多角的に推進する日本財団が展開するプロジェクト、日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS (ニッポンザイダンダイバーシティ・イン・ジ・アーツ)として開催するアート展です。国内外からジャンルを超えたアーティストを迎え、さまざまな表現からなる作品を紹介する他、幅広いプログラムを展開予定です。
開催まで約1年となる先月。2019年7月14日(日)〜16日(火)の3日間にかけて、東京ミッドタウン・ホールAにてプレイベントが開催されました。
haconiwaでは、プレイベントでシェアされた来年の展覧会の構想、日本財団の溝垣春奈さんに聞いた本展への想いをお届けします。今から要チェックのアート展ですよー。
テーマは「愛」。壮大だけど、もう一度みんなで考えたいテーマ。
2020年、東京オリンピック・パラリンピック期間をカバーする日程で開催が予定されている「LOVE LOVE LOVE LOVE 展」は、「愛することは、つくること」というテーマで、いろんな愛についてみなさんが思考を巡らせ、考えたり感じたりできる展覧会を目指しています。
実は、展覧会のメインビジュアルも、人の手で作ったハートの形からデザインされているんですよ。
溝垣さん: 「愛」という壮大なテーマですが、あえて伝える力のある言葉を選んでいます。キュレーターの小澤慶介さんが「この時代には愛が足りない」と感じておられることから、このテーマにたどり着きました。
東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年は、この先に振り返ると歴史に残る通過点となりますが、現在、社会全体が来夏のために大きく勢いをもって動いています。この集中していくエネルギーの中でどうしてもこぼれがちになる何かがあり、それはきっと未来にも大切になるものなのではという投げかけでもあります。アートを通して「愛とは何か」に触れて考え、いろんな人に優しく接していける社会になればと願っています。
2020年は40組以上のアーティスト、約1500点の作品を展示予定。
2020年の展覧会では、国内外から40組以上のジャンルを超えたアーティストを迎え、さまざまな表現からなる約1500点の作品が紹介される予定です。プレイベントでは2020年に出展予定の作家のうち、16組の作品が展示され、来年の展示の様子をほんの少し垣間見ることができました。

(下段)左から、《上西さん》《まつり》
Courtesy of the artist and ATELIER YAMANAMI

Courtesy of the artist and ATELIER YAMANAMI
こちらは、やまなみ工房に通いながら創作活動を行っている清水千秋さんの作品です。鮮やかな糸を用い、気に入った人物の絵柄を縫いこんだ刺繍作品の数々が魅力的です。《まつり》や《山下さん》など清水さんが目にした光景や身近な題材のチョイスもおもしろく、色とりどりでユニークに表現された作品は、見ているだけでワクワクします。

こちらは伏木庸平さんの布と糸を使った作品《言葉はわからなくても、この歌は私の胸を膨らませる》と《一に鶏肋、二に馬骨》です。伏木さんの生活と制作には隔たりがなく、朝起きがけに、電車での移動中に、また手が空いた時に、少しずつ使い古した布に針で糸を刺して制作しているのだとか。よく見ると布だけではなくビニール素材なども一緒に縫われており、素材感や作品の起伏、色の変化に目を奪われます。
さらにこの作品のおもしろいところは、まだ完成形ではないというところ!今後もどんどんと刺し、日々新しい形に変化していくそうです。
出展作家は障害や国籍などに関わらずさまざまなジャンルの方を、「愛」というテーマに基づいてキュレーターが選出しています。
「日本財団 DIVERSITY IN THE ARTSの目指すところは、障害のある方の存在を身近にしたいということ。それぞれ違うことが同じだよね、とか、今まで知らなかったけど似ているね、と。そういう形でお客さんがこの展覧会を通して障害のあるスタッフや作家さんと出会ったり、いろんな側面に気付いたり、そういった部分も大切にしたいです」と溝垣さん。

Courtesy of the artist and ATELIER YAMANAMI
実際に、プレイベントでそれぞれの作品を目にして感じたことは、アートを楽しむことに垣根はないということ。障害のあるアーティストも現代アーティストも、作品から感じられる熱量・それぞれの愛は比べようがなく、どれも素晴らしいものだと改めて感じます。
創作に触れて、体感するプログラムやコーナーも。
プレイベントでは作品の展示だけでなく、作家たちの制作の様子を見られる公開制作や、作家やクリエイターなど幅広い分野からゲストを迎えたトークイベント、誰でも参加可能なワークショップも開催され、多くの親子連れが参加しました。
こちらは、工房集の納田裕加さんによる公開制作の様子。作家が普段アトリエで取り組んでいるように作品を制作する公開制作は、間近で制作に触れられる貴重な機会であり、どんどんと目の前で作品が出来上がっていく様子はとてもワクワクしました!
こちらは、好きな素材を使ってトートバッグをデコレーションできるワークショップ。子どもから大人まで、誰でも参加できるワークショップを通して、気軽につくる体験ができるというのはとても魅力的ではないでしょうか?
もっと気軽に!初めて展覧会に行く人も、行ってみたいと思える展覧会づくり。
この展覧会をアートファンだけではなく、さまざまな方が足を運び一緒に参加できる場にしていきたいと溝垣さんは話します。
「日本財団としてこの展覧会を未来に向けて作っていきたいという想いがあり、未来を担う若者や初めて展覧会に行くという人が行ってみたいと思ってもらえる展覧会にできればと考えています。」
アート展を気軽に楽しんでもらうために、今回のプレイベントでも入ってすぐのところで、「LOVE LOVE LOVE LOVE 展」のメインビジュアルと同様のオリジナルハートづくりを体験できる構成となっていました。
いかがですか?人それぞれのオリジナルハートが並ぶとおもしろく、個性的でどれもアートの一部のように感じました。
2020年の展覧会は、開催までの1年間、これから出会う多くの方々とともに、よりワクワクする誰にでも楽しめる愛に溢れるイベントを計画中とのこと!2020年の「LOVE LOVE LOVE LOVE展」がどのような展覧会になるのか今からとても楽しみです。
一緒に展覧会を作りあげる、ボランティアも募集中です。
「LOVE LOVE LOVE LOVE展」では、ボランティアスタッフが関係者とともに展覧会の楽しみ方や来場者のニーズにあわせた鑑賞サポートを考え、計画していく仕組みを作っていくそうです。先日、こちらのボランティアスタッフも募集開始となりました!多くの人がアートを通じて学び、交流する機会を支えるボランティアスタッフ。自身が学ぶ機会として、研修や専門家によるレクチャーなども予定しているそうですよ。気になった方はぜひこちらのページから活動内容をチェックしてみてください。
LOVE LOVE LOVE LOVE 展
主催:日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS
期間: 2020年7月上旬〜2020年9月中旬(予定)
時間: 11:00〜18:00(予定)
入場料: 無料
会場: お台場 船の科学館
東京都品川区東八潮3丁目1
WEB:https://lovelovelovelove.jp/
NEWS 最新記事
PICK UP
注目記事
EXHIBITION
いまオススメの展示・イベント