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草月流とのコラボにも注目!カミーユ・アンロの日本初の大規模個展「カミーユ・アンロ|蛇を踏む」展レポート

カミーユアンロ
草月流
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青い狐
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こんにちは。haconiwa編集部 moです。
本日ご紹介するのは、10月16日から東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「カミーユ・アンロ|蛇を踏む」展です。

カミーユアンロ
(展覧会場に訪れたカミーユ・アンロ氏。)

フランス生まれのカミーユ・アンロ氏は、映像、彫刻、ドローイング、インスタレーションなどさまざまなメディアを駆使して「知」と「創造」の新しい地平を探求する作家。作品は、旺盛な知的好奇心に突き動かされた膨大なリサーチにもとづき、その範囲は文学、哲学、人類学、デジタル化された現代の情報化社会など多岐に渡ります。

本展は、そんなアンロ氏のこれまでと現在を、日本で初めて総合的に紹介する最大規模の展覧会となっています。今日は、気になる展覧会の様子を少しだけみなさんにお届けしたいと思います!

日本ならではの、いけばなを使ったインスタレーション

草月流
〈革命家でありながら、花を愛することは可能か〉2011-

本展の見どころの1つは、アンロ氏が日本のいけばなに触発され、2011年から継続的に制作されているシリーズ作品〈革命家でありながら、花を愛することは可能か〉です。このシリーズはそれぞれ一冊の本に由来していて、題名や著者、花材名、本の一節が作品とともに展示されます。

そんな作品がこの展覧会では特別に、「いけばな草月流」の全面的な協力のもと制作されたとのことで、新たに日本の書籍も加えられ、日本ならではの試みとなっています。

草月流
〈革命家でありながら、花を愛することは可能か〉より『蛇を踏む 川上弘美』2019

こちらは、川上弘美氏の著書『蛇を踏む』を題材にした作品。本展のタイトルにもなっています。“「踏まれたらおしまいですね」と、そのうちに蛇が言い、それからどろりと溶けて形を失った”という本の一節と共に作品が展示されており、鑑賞者それぞれの想像力が刺激される内容となっています。

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〈革命家でありながら、花を愛することは可能か〉より『舟を編む 三浦しをん』2019
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〈革命家でありながら、花を愛することは可能か〉より『源氏物語 紫式部』2014

このシリーズ作品は世界中の様々な本を題材にしていますが、中には『舟を編む』や『源氏物語』といった日本人に馴染み深い書籍を題材にした作品も多数あり、私たちでもイメージが湧きやすく親しみやすさを感じました。ひとつひとつの作品の、本と花の取り合わせが興味深いので、ぜひ実際に作品を見て想像を膨らませてみてくださいね。

青色の空間に包まれる!圧巻の大型インスタレーション

青い狐
《青い狐》2014

こちらも本展の見どころの1つとなっている作品《青い狐》です。足を踏み入れた瞬間に広がる一面青色の空間は圧巻です!
一見すると無秩序な作品に見えますが、この作品はアフリカ・ドゴン族の創世神話を端緒に、ドイツの哲学者ライプニッツの原理を重ね、世界の秩序と多義性を空間全体を使って分析・構成した重層的なインスタレーション作品なんです。

青い狐
《青い狐》2014

四面の壁にはライプニッツの四つの原理がそれぞれ割り当てられ、宇宙の生成や人間の成長のステージ、人類の文明の段階、四元素といった項目も加わって考察されているそう。

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《青い狐》2014

「理性的で知識の深さに圧倒されるが、それと同時に言語化できないこと、白黒つかないことの美しさや尊さも感じさせてくれる」と本展の担当キュレーターが述べていましたが、理論ばかりではない、感覚で楽しめる空間でもあります。

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《青い狐》2014
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《青い狐》2014

「蛇を踏む」というタイトルにもつながる、踏んでしまいそうな蛇や、蛇を連想させるドローイング、ロープや曲線を使った表現も多数見受けられ、ユーモアを感じられるインスタレーション作品でした。

ドローイングや映像作品も

このほか、作家活動の初期から描き続けているドローイングの最新作や映像作品も見逃せません。

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〈アイデンティティ・クライシス〉2018-2019

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〈アイデンティティ・クライシス〉2018-2019

ドローイングのシリーズ〈アイデンティティ・クライシス〉では、人間の感情、空想といった内的な世界の関係性を観察するアンロ氏のするどい視点が、のびやかな筆致のユーモアに溢れた画面に描き出されています。

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《偉大なる疲労》2013

《青い狐》の双子とも言える作品《偉大なる疲労》は、ヒップホップ調のリズムにのせたパフォーマンスアーティストの語りによって、各地の神話や宗教、生命の歴史への考察など、膨大な情報の並置と交錯による映像作品です。旺盛な知的好奇心に突き動かされた膨大なリサーチをこの作品でも感じる事ができます。

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日本初となる、カミーユ・アンロ氏の最大規模個展。この記事でご紹介した作品以外にも、1つ1つに知識と好奇心が詰まった想像と感情を刺激する作品ばかりでした。

「カミーユ・アンロ|蛇を踏む」展は東京オペラシティアートギャラリーで12月15日(日)まで開催中です。ぜひこの機会に、カミーユ・アンロ氏の探究心溢れる作品に触れてみてくださいね。

カミーユ・アンロ「蛇を踏む」

会期:2019年10月16日(月)~12月15日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
TEL:03-5777-8600
開館時間:11:00~19:00(金土〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌平日)
料金:一般 1200円 / 大学・高校生 800円 / 中学生以下無料
WEBサイト:https://www.operacity.jp/ag/exh226/

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