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日本のホテルの基礎を築いたクラシックホテルの変遷をたどる「クラシックホテル展」

こんにちは、シオリです。
本年迎えるオリンピック・パラリンピック開催に向け、近年、ホテルの建設ラッシュが続いてきた日本。そんな日本のホテルの基礎を築いてきたのが、明治期の近代産業発展とともに黎明期を迎え、100年の時を越えた今なお現役の「クラシックホテル」です。
東京・天王洲にある建築倉庫ミュージアムでは、2020年2月8日(土)〜5月31日(日)まで「クラシックホテル展―開かれ進化する伝統とその先―」が開催中。今日は、長い年月をかけて紡がれ、そして今後も継承されるべきクラシックホテルの魅力が詰まった展示の様子をお届けしたいと思います。
日本を代表する12のクラシックホテルを、最新の撮り下ろし写真などと共に紹介。
本展は、開国期である1870年代〜現在にいたるまで、今もなお進化し続けている12のクラシックホテルを中心に、クラシックホテルの変遷とこれからを、各ホテルに残る建築図面や写真など貴重な資料の数々から問いかける展示です。
入ってすぐのところには、日本のホテルと観光の歴史が壁一面に広がっていました。今や数えきれないほどたくさんあるホテルですが、開国したばかりの日本では、一つ一つのホテルが外交の場としても重宝され、その時代のニーズに応じて文化的な役割を果たしてきたことが分かります。
メインの展示室に入ると、クラシックホテルにある絨毯の色を思わせる絶妙な赤を基調に、各ホテルの展示が並んでいました。
クラシックホテルには、建築、室内装飾など随所に、創業者の込めた想いが色濃く反映されています。本展では創業者の想いを建築家がいかに建築空間に落とし込んだか、音声・映像・写真・家具の展示からその関連性に迫っているんです。
長い年月を越え空間を演出する家具の数々も、今回特別に展示会場に持ち込まれています。バーナード・リーチ着想のリーガロイヤルホテル(大阪)のリーチ・バーに設置される椅子など、長年愛されてきた家具の実物を一堂に見られるのは貴重な機会ではないでしょうか。
この他、建築家・各ホテルの総支配人へのインタビュー映像や、ホテル竣工当時の資料など、大変貴重なものもたくさん並ぶ本展。これまでの歴史を振り返るだけでなく、未来への視点も感じられる、充実した内容となっていました。
展示を見ているうちに、すべてのホテルに旅してみたくなること間違いなし。ぜひみなさんも本展に足を運んで、歴史と旅、そして建築の魅力を感じてみてはいかがでしょうか?
同時開催中の「模型都市東京」展も見逃せない!
「クラシックホテル展」と同時開催中なのが、高山明/Port Bによる企画展「模型都市東京」展。こちらも同じチケットで入場可能なので、2つの展示をたっぷりと楽しむのがオススメです!
建築模型に特化した保管・展示施設として、これまで様々な展覧会を開催してきた建築倉庫ミュージアムですが、本展は演出家・アーティストである高山氏の企画によって、どこでも再現可能な形態でつくられた都市のインフラ/構成要素を「模型」として捉え、現在の東京のリアルな姿を浮かび上がらせる試みとなっています。
展示会場には、ずらっと同じサイズのトランクルームが並んでいて、なんだか不思議な光景。この一つ一つにはトランクルームの利用者がいて、それぞれの荷物が収納されています。
まさにスニーカーのための倉庫として使われているところがあったり、
小さな家が置かれたような空間があったり、
はたまた、この周辺を起点にUber Eatsの配達の仕事をしている方が、自転車を収納する場所として使っているところがあったり。
また、それぞれの扉の前にはヘッドホンが掛けられており、各トランクルーム利用者のインタビュー音声が流れています。投げかけられる質問は全て同じだけど、答えは様々。
そして、もう一つ仕掛けが。展示会場の入り口にある大きなQRコードを読み込むと、特設サイトに飛ぶことができるんです。そこには、展示されているトランクルーム利用者のプロフィール紹介と共に、彼らのSNSへとつながり、そこで展開されている都市へと広がる「Travelogue=紀行文」を見ることができます。
高山明の演劇的手法によって、展示空間は日々生成変化する場となり、東京という都市に接続されていく展示となっている本展。現在の東京のリアルな姿を浮かび上がらせる内容に、これまでにない新しい感覚になること間違いなしです。
ちなみに、こちらの「模型都市東京」展のみ、会期中は何度も再入場可能なのもポイント!展示が期間中に変化していくという面白いものになっているので、ぜひ複数回遊びにいってみてください。
模型保管庫を見学できるツアーも開催中!
せっかく建築倉庫ミュージアムに来たのだから、もっと建築模型を見たい!という方、ご安心ください。今回の2つの展覧会に訪れた方限定で、模型保管庫の倉庫見学も開催中なんですよ!普段は見ることのできない、建築模型が保管されている現場は必見です。気になる方は、当日現地でお申し込みくださいね。
2つの企画展と、模型保管庫を楽しめる建築倉庫ミュージアム。期間中にぜひ足を運んでみてくださいね〜!
クラシックホテル展 -開かれ進化する伝統とその先-
会期:2020年2月8日(土)〜5月31日(日)
会場:建築倉庫ミュージアム 展示室A
住所:〒140-0002 東京都品川区東品川 2-6-10
開館時間:火〜日 11 時〜19 時(最終入館 18 時)、月曜休館(祝日の場合、翌火曜休館)
入場料:一般 3,100 円、大学生/専門学校生 2,000 円、高校生以下 1,000 円
※展示室B(高山明/Port B「模型都市東京」展)の観覧料含む。
https://archi-depot.com/exhibition/classic-hotel
高山明/Port B「模型都市東京」展
会期:2020年2月8日(土)~5月31日(日)
会場:建築倉庫ミュージアム 展示室B
住所:〒140-0002 東京都品川区東品川 2-6-10
開館時間:火〜日 11 時〜19 時(最終入館 18 時)、月曜休館(祝日の場合、翌火曜休館)
入場料:一般 3,100 円、大学生/専門学校生 2,000 円、高校生以下 1,000 円
※展示室A(クラシックホテル展 -開かれ進化する伝統とその先-)の観覧料含む。
※展示室B 「模型都市東京」に限り、会期中何度でも再入場可能。(初回入場時にお渡しするフリーパスと身分証をご提示ください。)
https://archi-depot.com/exhibition/akira-takayama_portb
倉庫見学
建築倉庫では、ミュージアムに隣接する模型保管庫にて模型を保管しています。当日ミュージアムにご入館されたお客様には、時間限定で普段は見ることのできない模型保管の現場をご覧いただけます。
・当日予約制(先着順)
・タイムスケジュールについては、WEBサイトをご覧ください。
URL:https://archi-depot.com/exhibition/backroom-visiting
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