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「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力−世界の女性アーティスト16人」 が森美術館で開催中!彼女たちを突き動かす“原動力”とは?

アナザーエナジー展
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こんにちは。haconiwa編集部 さんどです。
本日は森美術館で開催されている「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力−世界の女性アーティスト16人」をご紹介します。今年4月にリニューアルオープンした森美術館。そのオープニングを飾る、総勢16名の女性アーティストによるエネルギーに満ち溢れた展覧会の様子をお届けしていきます!

(アイキャッチ画像:三島喜美代 展示風景)

絵画から映像、インスタレーションまで。71歳から106歳までの世界の女性アーティスト16人の力強い作品が集結

現在も現役で活躍している71歳から106歳までの女性アーティスト16名にスポットを当てた「アナザーエナジー展」。50年以上のキャリアを誇り、時代や環境が変化しようとそれぞれの信念を貫き独自の創作活動を続けてきた彼女たちを突き動かすもの=「アナザーエナジー」とはなにかを考える展示になっています。

会場には、総勢16名が生み出す力強い作品が数多く展示されていました。今回は、その中で私が特に気になった作品を順にご紹介していきます!

アナザーエナジー展
フィリダ・バーロウ「アンダーカバー 2」2020年 Courtesy: Hauser & Wirth

最初に迎えてくれたのはフィリダ・バーロウの彫刻作品「アンダーカバー 2」。高さが異なる木製の28本の脚と鋼鉄の骨組みが全体を支えています。鮮やかな色づかいや、むきだしになっている構造から力強さが感じられる作品です。裏側から見ると骨組みや脚の部分がさらに見えやすくなっていて、受ける印象がガラリと変わるので会場でチェックしてみてくださいね。

アナザーエナジー展
ロビン・ホワイト&ルハ・フィフィタ「大通り沿いで目にしたもの」(「コ・エ・ハラ・ハンガトゥヌ:
まっすぐな道」シリーズより)2015-2016 年 Courtesy: McLeavy Gallery, Wellington

続いて気になったのは、ロビン・ホワイトの「大通り沿いで目にしたもの」。1982年に太平洋に浮かぶキリバス共和国の首都タラワに移住したホワイトは、タラワの日用品や装飾品といった伝統工芸の要素を作品に取り入れるようになりました。ホワイトは、これまでにフィジー共和国やトンガ王国の女性たちともコラボレーションをしています。

この作品では、「ンガトュ」というトンガの伝統的なタパ(樹皮布)が用いられています。タパは現地の女性たちが共同作業で作っているので、この作品にもその手法が取り入れられ、現地の女性たちとの共同作業によって制作されました。使う素材だけでなく制作プロセスにも地域の伝統を取り入れているというのが面白い!

アナザーエナジー展
ロビン・ホワイト&ルハ・フィフィタ「大通り沿いで目にしたもの」(「コ・エ・ハラ・ハンガトゥヌ:
まっすぐな道」シリーズより)(部分)2015-2016 年 Courtesy: McLeavy Gallery, Wellington

タパは木の樹皮を叩いて広げたもので、遠目からだと絨毯のように見えますが実際は和紙のような質感。近くで見ると木の繊維がしっかり見えました。

アナザーエナジー展
スザンヌ・レイシー(リンダ・プロイスとの共作)「インターナショナル・ディナー・パーティー」1979年
アナザーエナジー展
スザンヌ・レイシー「玄関と通りのあいだ」2013/2021年
本作はクリエイティブ・タイム( ニューヨーク)、ブルックリン美術館エリザベス・A・サックラー・センター・フォー・フェミニスト・ アートの協賛によって2013 年に制作されました。

スザンヌ・レイシーの「玄関と通りのあいだ」はブルックリンの住宅街の一角に集まった365人の活動家が、人種や階級、フェミニズムといった社会問題について話し合い、およそ2400人の聴衆が通りを歩きながら彼女たちの会話を聞くというパフォーマンスです。その様子を記録した映像の中で、参加者たちは「なぜ女性の方が年収が少ない?」「人種と階級は関係しているの?」と、互いに抱えるさまざまな問題意識をぶつけ合っています。人々が投げかける疑問は他人事じゃないからこそ考えさせられる内容でした。

レイシーはこのプロジェクトの中で、ブルックリン美術館の大階段を利用してフェミニズムに関する質問を投げかけるインスタレーションも行いました。今回の展示では質問が書かれた黄色いブロックを並べてブルックリンでのインスタレーションを再現しています。

アナザーエナジー展
リリ・デュジュリー「無題(均衡)」1967年

金属の板と棒による作品を数多く制作してきたリリ・デュジュリー。「無題(均衡)」は接着剤などは使わず、2本の鉄の棒と鋼板が支え合いバランスを保っています。崩れてしまいそうで崩れない絶妙な均衡が、時間が止まったかのような静かで緊張感のある空間を作り上げていました。

大きな窓から見える、森タワー53階からの景色も見所です!

アナザーエナジー展
リリ・デュジュリー「海辺の日曜」2009年

こちらは、毎日同じ海辺の様子を映した24時間の映像が1週間分並べられている「海辺の日曜」。当日の曜日の映像のみが動いていて、水曜日だったこの日は、左から3番目の映像が見られました。日によって見られるものが変わるので、何度も足を運びたくなりますね。

アナザーエナジー展

アナザーエナジー展
アンナ・ボギギアン「シルクロード」2021年

エジプトのカイロに生まれたアンナ・ボギギアンの作品「シルクロード」。世界各地を訪れてその土地の文化や歴史を題材として扱ってきた彼女は、今回日本で展示があるということで、かつて故郷のエジプトと日本をつないでいた “シルクロード”をテーマに日本の絹産業の歴史を紐解く作品を制作しました。

製糸工場で少女たちが強いられた過酷な労働環境や、日本初の動力織機を作った豊田佐吉の精神や技術が長男の豊田喜一郎に受け継がれ、それが世界的な自動車メーカー・トヨタ自動車になったという物語が、無数の絹糸とともに天井から吊るされた12点の絵画上で紙芝居のように展開されています。場面が変わっていく絵を見ながらぐるりと一周すると、まるでお芝居を見ているみたい。床面は鏡になっていて、絹糸や絵が映り込んでいるのが綺麗です!

アナザーエナジー展
アンナ・ボギギアン「シルクロード」(部分)2021年

壁面の24枚のドローイングからは、ボギギアンが日本の絹産業の歴史を詳細に調査していたことがわかります。

アナザーエナジー展
ヌヌンWS 展示風景

立体作品だけでなく、平面を軸に活動を続けている作家も。
インドネシアの敬虔なイスラム教徒の家庭に生まれたヌヌンWSは、限られた色彩と矩形を用いた抽象画を描いています。彼女の作品は感情表現を省略する欧米のミニマリズムとは異なり、ジャワ島の風景や寺院にインスピレーションを受け、色彩表現を通して豊かな情感や精神世界を描こうとしているのが特徴です。

アナザーエナジー展
カルメン・ヘレラ 展示風景

ヌヌンWSの反対側の壁には、キューバで生まれ、ニューヨークで絵画を学んだカルメン・ヘレラの作品が並びます。ヘレラは現在106歳で今回の参加アーティストの中では最高齢。1950年代初頭から、限られた色彩で幾何学図形を描く抽象画を制作しています。

アナザーエナジー展
ヌヌンWS、カルメン・ヘレラ 展示風景

この部屋全体を見てみると、ヌヌンとヘレラの作品が同時に見られるように配置されています。欧米のミニマリズムとは異なり色彩を通して深い精神世界を描こうとしたヌヌンと、西洋近代美術の流れを汲む抽象絵画を制作してきたヘレラ。二人が描く抽象画はその背景、文脈が全く異なっていますが、このように並べて見ると似ているようにも見えるのが不思議です!

アナザーエナジー展
三島喜美代 展示風景

展覧会を締め括るアーティストは、シルクスクリーン印刷や陶を使った作品を制作する三島喜美代。この大きな立体作品は、左側のドラム缶の入れ物を除きすべて陶(焼き物)でできているんです!「どんな情報も読み終わった途端に全部ゴミになる」と考える三島は、膨大な情報で溢れることへの不安や恐怖を、いつか割れてしまう危険性をはらんだ陶を用いて表現しています。

アナザーエナジー展
三島喜美代「作品 92-N」(部分)1990-1992年

アナザーエナジー展
三島喜美代「作品21-G」2021年

近くで見てもそれが陶だとは信じられないほど細かく、質感までリアルに再現されていることに驚きます。みなさんもぜひ自分の目で確かめてみてください。

アナザーエナジー展

絵画、映像、彫刻、インスタレーションなど約130点の作品を通して、16名のアーティストの原動力を探る「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力−世界の女性アーティスト16人」。50年以上のキャリアを積み重ねてもなお、好奇心・探究心をもって創作活動を続ける彼女たちの強いパワーを感じる展示でした。

どの作品もキャプションなどをじっくり読むことで、彼女たちの制作背景や社会への問題提起、自身が考える哲学を読み取ることができます。16名それぞれを突き動かすアナザーエナジーは何なのか?会場で考えながら巡ってみるのもおすすめです。
今回ご紹介できなかった作品がたくさんあるので、ぜひ会場に足を運んでみてください!

※写真は全て、森美術館「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」2021年 展示風景

アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人
会期延長決定。※2021年9月14日情報更新
新会期:2021年4月22日(木)~2022年1月16日(日)
旧会期:2021年4月22日(木)~2021年9月26日(日)
*一部作品は、9月28日(火)をもちまして展示が終了となります。
休館日:会期中無休
開催時間:10:00~20:00(最終入館19:30)※火曜日のみ17:00まで(最終入館16:30) ※当面、上記の通り時間を短縮して営業しています。
開催場所・会場:森美術館
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階

入場料:
専用オンラインサイトでチケットを購入すると()の料金が適用されます。
【平日】一般2000円(1800円)、学生(高校・大学生)1300円(1200円)、子供(4歳〜中学生)700円(600円)、シニア(65歳以上)1700円(1500円)
【土日祝】一般2200円(2000円)、学生1400円(1300円)、子供800円(700円)、シニア(65歳以上)1900円(1700円)

※本展は、事前予約制(日時指定券)を導入しています。専用オンラインサイトから「日時指定券」をご購入ください。
※当日、日時指定枠に空きがある場合は、事前予約なしでご入館いただけます。
※最新情報は、美術館のウェブサイトをご確認ください。
URL:www.mori.art.museum

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