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巡回展「誕生65周年記念 ミッフィー展」が、新たな企画展示を追加し、東京で再び開幕!
こんにちは、haconiwa編集部の森です。
2020年夏に東京・松屋銀座で開幕し、その後全国を巡回していた「誕生65周年記念 ミッフィー展」が、1年ぶりに東京に戻ってきました。
7月10日(土)より東京・立川にあるPLAY! MUSEUMで開幕となった「ミッフィー展」では、巡回展に新たな企画展示を追加。昨年見逃した方はもちろん、昨年鑑賞した方も楽しめる「ミッフィー展」となっています。本日はこちらの様子をレポートします。
初公開の原画や絵本不採用のカットを含む約250点の展示
「誕生65周年記念 ミッフィー展」は、オランダの絵本作家ディック・ブルーナ氏の手によって生まれたミッフィー(うさこちゃん)が、2020年に誕生から65年を迎えたことを記念した巡回展です。“with”をテーマに、ミッフィーや家族、友だちの物語を、貴重な直筆原画やスケッチ、創作メモなど約250点で紹介されます。
展示は入り口から年代順に展開されます。こちらはミッフィーの初期代表作『ゆきのひの うさこちゃん』(1963年)。これまで1枚しか来日したことがない原画が、この巡回展で初めて展示されました。
初期4部作の絵本の展示も。とんがり耳のミッフィーですね。
『うさこちゃん おばけになる』(2001年)の原画も、この巡回展が日本初の公開です。
このほか、『うさこちゃんは じょおうさま』(2007年)、『うさこちゃんと ふがこちゃん』(2011年)の原画も、日本の公開はこの巡回展が初と、初づくし!貴重な原画がたくさん見られる展覧会になっています。
『うさこちゃんは じょおうさま』は、絵本に採用となったカットに加え、絵本に採用されなかったアナザーストーリーも展示されています。ぜひ実際に足を運んで、どのようにストーリーが変わったのか見てくださいね。
スケッチも多数展示されていて、ディック・ブルーナ氏の創作の過程を垣間見ることができます。
PLAY! MUSEUM ならではの5つのトピックを新たに構成
これだけでも十分見どころが満載ですが、PLAY! MUSEUMで開催する展覧会は、「ちいさなぬくもり・66のおはなし」と副題をつけ、ディック・ブルーナ氏と親交があった元新聞記者の森本俊司氏、コスチュームクリエイターのイナドメハルヨ氏、写真家の川島小鳥氏、クリエイティブ・ユニットのSPREAD、アートディレクターの祖父江慎氏といった5組の方々に協力を得て、巡回展に新たな楽しみが加えられました。
本展の企画プロデューサー 草刈大介氏は「これはなんだろう?っていう、新しい発見や手がかり、きっかけを断続的に作りたいと考え、展示の端々にミッフィーやディック・ブルーナに関連する要素を盛り込んでいます。」と話します。
まず、展示に新たに添えられたのが、森本俊司氏による66の解説です。
展示に関連するエピソードやミッフィーのこと、ブルーナ氏の人柄や作品について、丁寧に解説されています。
それらの解説は展示横に紙で貼られていたり、独立したコーナーで楽しめたり。
絵本では知ることができなかった裏話のようなサイドストーリーで、ミッフィーのことをもっと知ることができ、ミッフィーをさらに身近に感じることができます。
この66の解説は、ポケットサイズの書籍『ちいさなぬくもり・66のおはなし』としても刊行されているので、おうちでゆっくりと読むことも。
題材の通り、読んでいるとあたたかな気持ちになれる書籍です。
編集・装丁はcozfishの祖父江慎氏と脇田あすか氏。サイズ感や装丁からもぬくもりを感じます。展示とはテキスト量など少し異なるようなので、こちらも要チェックです。
ミッフィーの原画と一緒に展示されているうさぎの写真は、写真家の川島小鳥氏によるもの。
今回の写真は、うさぎと同じ高さの目線で撮影されたそうです。ミッフィーがそのまま実写化されたみたいな、うさぎの世界に誘ってくれます。
本展アートディレクターの祖父江慎氏が手がけたのは、ふとんをかけてあげるとにっこりほほえむミッフィー。
わかりますか?!バッテン印のおくちが、ふとんをかけるとにっこりおくちに。
ふとんをかけたこちらまで、思わずにっこり笑顔になる作品です。
いろいろな素材や形のうさぎ耳帽子でミッフィーになれる!
展覧会でみなさんに体験していただきたいのが、コスチュームクリエイターのイナドメハルヨ氏による、耳をつけてミッフィーになれる参加型展示です。
全部で12のうさぎ耳がありますが、とんがり耳や丸い耳、王冠をかぶった耳など、すべて形や素材が異なります。自由にかぶって写真を撮ることができるので、好きな帽子をかぶって撮影してくださいね。
ちなみにプレス内覧会では、登壇者のみなさんがこちらの耳をかぶって案内してくれました。

ほっこり!
ブルーナ・カラーのカラフルな空間インスタレーション
そしてPLAY! MUSEUMならではの空間インスタレーションにもご注目!
展覧会のエントランスでまず飛び込んでくるのが、ブルーナ・カラーを使った正方形の大きなアートワークと黒い線のロープのようなものです。カクカクのグラフィックが、なぜかひと目でミッフィーだと分かる不思議さ。
制作を手がけた、クリエイティブ・ユニットのSPREADはこう話します。
「ディック・ブルーナさんは、絵を描いているけどそこから広がる想像力を大事にしていると仰っていて、私たちはそこに共感しました。頭の中にあるうさこちゃんを解体して、さらに広がる仕掛けができないか?と考え、線と色を分解して広げてみました。脳みそを一度解いていただいて、中に入っていただく。新しいうさこちゃんの想像が広がるんじゃないかと思っています。」
このパネルの大きさもとてもこだわって制作されたそうです。
「子供は絵本のページをひらく度に、わ〜って喜ぶんですね。社会の色々なことを知らない子供にとっては、小さな絵本の色や構成の力ってすごく大きくて、からだ全体で受けとめているように見える。大人にとっては失ってしまったものですよね。子供が体験しているような感覚をここで大人の方にも感じてもらいたいと思い、大きなパネルで構成しました。」(SPREAD)
この正方形のアートワークは、ひとつひとつがうさこちゃんの絵本の中の1シーンになっているそうです。
展覧会内にもSPREADによる空間インスタレーションがあります。写真中央の絵本コーナーでは黒いロープのようなものが、ブランコにもなっていて、実際に楽しめますよ。
展覧会の隅々まで、見逃せない要素がたくさん!
盛りだくさんの内容ですが、展覧会の隅々まで見逃せない楽しい要素がたくさん詰まっています。
たとえば、足元を見ると何やらボックスが。
ふわふわの箱を開けてみると・・・
犬のくんくんがいました。
様々なところにボックスがあり、すべて異なる内容になっています。箱を見て、中の展開を予想しながら楽しんでくださいね。
ミッフィーになれる参加型展示コーナーのカーテンから注ぐ光は、壁にたくさんのミッフィーとなって現れていました。
影までかわいいとは、さすがミッフィーですね。
PLAY! MUSEUMオリジナルグッズや限定カフェメニュー
展覧会を楽しんだ後は、ミュージアムショップとカフェへの立ち寄りも忘れずに。
PLAY! MUSEUMでは、巡回展の限定グッズに加えて、「ちいさな ぬくもり」を感じるPLAY! MUSEUMならではのオリジナルグッズも展開しています。
こちらはAtelier Inadomeコラボレーショングッズのちびふわうさこちゃんのきんちゃくポシェットやハット、あなあきうさこちゃんのバッグなど。(店頭のみの完全受注販売)
京都の和菓子屋さん、UCHU wagashiとコラボしたミッフィーらくがんもかわいいです!ちょっとしたお土産にも良さそうですね。
他にも、この展覧会でしか購入できないグッズがたくさんありますよ。
PLAY! CAFEではラテアートなどのドリンクやフードなどの限定メニューを提供中。ゆっくりとミッフィーの世界を堪能してください。
知ったつもりになっていたミッフィーの新たな一面を知ることができたり、ミッフィーの世界に飛び込んだような気分になれたり、ディック・ブルーナ氏の創造を感じることができる展覧会となっています。そして、あたたかくてやさしい気持ちになれる、そんな展覧会です。みなさんもちいさなぬくもりを感じに行ってみてください。
会期:2021年7月10日(土)〜 2021年9月12日(日)
休館日:会期中無休
開催時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
開催場所・会場:PLAY! MUSEUM
東京都立川市緑町3−1 GREEN SPRINGS W3
入場料:一般 1,500円 、大学生1,000円、高校生 800円、中・小学生 500円
URL:https://play2020.jp/article/miffy65/
※本展は、1時間ごとの日時指定制を導入しています。専用オンラインサイトからご購入ください。
※当日、各時間枠に空きがあった場合のみ、MUSEUM受付で当日券を販売します。
※最新情報は、美術館のウェブサイトをご確認ください。
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