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現代アート作品が街中に出現!クリエイター9名が生み出す「パビリオン・トウキョウ 2021」を巡ってきました

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こんにちは、haconiwa編集部です。
オリンピック・パラリンピックが開催される東京を盛り上げるため、多彩な文化プログラムで東京の魅力を伝える取り組み「Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13」。そのひとつとして7月1日からイベント「パビリオン・トウキョウ」がスタートしました。

「パビリオン・トウキョウ2021」は、新国立競技場を中心とする複数の場所に建物やオブジェを設置し、自由で新しい都市のランドスケープを提案する世界初の試み。
建築家・隈研吾氏を名誉実行委員長として迎え、藤森照信、妹島和世、藤本壮介、平田晃久、石上純也、藤原徹平、会田誠、草間彌生、真鍋大度+Rhizomatiksの9名のクリエイターが参加してパビリオンを制作しています。

開催期間の67日間、都内の街中で巨大な現代アートを間近で楽しむことができるんです。全9カ所のパビリオンを巡ってきましたので、さっそくご紹介していきます!

藤森照信 茶室「五庵」 ビクタースタジオ前

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自然と一体となった建築を作り続けている建築家・藤森照信氏が生み出したパビリオンは、基壇を芝が覆った茶室「五庵」。新国立競技場のすぐ近くであるビクタースタジオ前に設置されており、都会の街中に突如現れる不思議な建築に驚かされます。

上部の外壁に用いられている焼杉は、杉材の表面を焼いて炭化させたもので、表面の炭化層が板の劣化を防ぎ耐火性の高い素材。藤森氏の歴史家としての膨大な知識に裏付けされた“どこにもない”建築が藤森作品の魅力です。

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裏側に設置された円形の入口から1階の待合に入り、梯子で2階の茶室に上がることができます。待合室では、茶室建設までのプロセスやインタビュー映像が流れていました。
2階に上がる梯子は傾斜が高いので、不安な方はスカートではなくズボンを履いていくのがおすすめです!

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梯子で暗くて狭い場所を通り抜けると、茶室の明るく開放的な空間が現れます。窓の向こうに新国立競技場を一望できる、今ならではの景色も見どころです。

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小さな茶室の中には、木炭が埋め込まれた天井や、卓上の植物、小道具などじっくり楽しみたいポイントが盛り沢山。都会の賑やかな雰囲気から一歩離れた、ゆったりとした時間に癒されます。
茶室内部への入場は事前予約制です。こちらを確認の上、足を運んでみてください〜。

鑑賞時間・アクセス
会場:ビクタースタジオ前
東京都渋谷区神宮前2-21-1
鑑賞時間:11:00〜19:00(土曜日12:00〜19:00)
※しばらくの間、平日・日曜・祝日の内部入場は18:00までとなります。(土曜日は19:00まで)
※内部入場には事前予約が必要です。詳細はこちら
URL:https://paviliontokyo.jp/pavilion-fujimori

妹島和世「水明」 浜離宮恩賜庭園

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東京・中央区の浜離宮恩賜庭園に設置されたのは、建築家 妹島和世氏のパビリオン「水明(すいめい)」。
汐留の高層ビル群を背に広がる江戸時代の代表的な庭園を、東京の歴史と現代にふれる場所として、曲水(平安時代の庭園にあった水路)をイメージし、設計されました。

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曲水は、遠くから見ると留まっているように見えますが、実はとても静かに流れています。このゆっくりとした水は、過去、現在、未来のつながりを表しているそうです。

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水路は鏡面になっており、所々設置された草花や空、周囲の風景を映し出します。風が吹くと、水面が少し波打ち、それがまた綺麗なんです。
タイトルの「水明」は、澄んだ水が日や月の光で美しく輝く様子を示す言葉。
とても静かに、だけどゆっくりと確実に変わっていく時の流れを感じることができる作品です。

鑑賞時間・アクセス
会場:浜離宮恩賜庭園 延遼館跡
東京都中央区浜離宮庭園 浜離宮恩賜庭園 〈大手門口〉より
鑑賞時間: 9:00〜17:00 (入園は16:30まで)
*見学には、浜離宮恩賜庭園への入園料が必要です。
入園方法の詳細・注意事項は、浜離宮恩賜庭園公式サイトをご覧ください。(当面の間入園するためには事前予約が必要となります。)
https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index028.html
URL:https://paviliontokyo.jp/pavilion-sejima

水明 設計:妹島和世
撮影 : 妹島和世建築設計事務所

藤本壮介「Cloud pavilion(雲のパビリオン)」 代々木公園・高輪ゲートウェイ駅

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代々木公園には、建築家 藤本壮介氏の「Cloud pavilion(雲のパビリオン)」が出現。
撮影日は、ちょうど空一面に雲が広がっていた日で、雲の一部が空から降りてきたような写真になりました。

藤本氏にとって雲は「建築では絶対に実現できない、しかし建築的な何かがあるように感じさせる存在」と語ります。世界中の様々な国や地域や状況の上に浮かぶ「世界の大屋根」のような存在である雲にインスピレーションを受けて、「全ての人のための場所」というコンセプトのもと、多様性と寛容性を象徴する場所として考案されました。

実はこのパビリオンは、代々木公園の他に、高輪ゲートウェイ駅にも同じものが設置されています。自然の中と最新の駅舎という全く異なる場所に、同じものが設置されることで、様々な場所を包む雲というコンセプトを伝えるとともに、それぞれの場所の違いが見えてくることを狙ってつくられています。ぜひ両方の場所に足を運んで、それぞれの場を体感してみてください。

鑑賞時間・アクセス
第一会場: 代々木公園 パノラマ広場付近
東京都渋谷区代々木神園町、神南二丁目 代々木公園 〈原宿門〉より
鑑賞時間: 10:00〜18:00

第二会場: 高輪ゲートウェイ駅 改札内
東京都港区港南2-1-220
鑑賞時間: 初電から終電まで
URL: https://paviliontokyo.jp/pavilion-fujimoto

平田晃久「Global Bowl」 国際連合大学前

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建築家・平田晃久氏が設計したパビリオンは、お椀のような形の「Global Bowl」。国際連合大学前に現れたボウルのような巨大立体物は、突如この場所だけが異空間に飛ばされてしまったような不思議な魅力を放っています。

このパビリオンは、ボウルの隙間を通り抜けたり座ったりすることが可能。孔だらけの建築は、内外の境界をほどきつつ結ぶような、反転する幾何学でできています。
また木材を三次元カットして組み合わせる、日本の最新技術を生かした構造。絡まるように組み合わさった木材の繊細さと大きくどっしりとした佇まいは、巨大な工芸品のような美しさも感じます。

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会場から少し離れた場所から見ると、より異次元のようなギャップを楽しむことができますよ。朝から夕方までの光によって見えてくる表情も異なりますので、様々な時間帯で見に行ってみてください。

鑑賞時間・アクセス
会場:国際連合大学前
東京都渋谷区神宮前5-53-70
鑑賞時間:10:00〜18:00
URL:https://paviliontokyo.jp/pavilion-hirata

石上純也「木陰雲」 kudan house 庭園

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「アート・ビオトープ那須」の〈水庭〉で有名な建築家・石上純也氏のパビリオンは、九段下にある昭和2年竣工の古い邸宅「kudan house」の庭園が舞台。美しく古い庭に2021の夏期限定で、日差しを柔らかく遮る日除けがつくられました。

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邸宅の奥に進むと、庭というよりも、古くからここに存在していた森の中のような、そんな世界が広がっていました。
パビリオンのタイトルは、「木陰雲」。庭全体を木造の屋根で覆い、屋根に無数につくられた大小の穴からは、光が差し込みます。

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このパビリオンは、歴史ある風景に溶け込むように、新築であるにも関わらず、はじめから古さを含み持つように考えてつくられました。
庭に生い茂る老木を避けて木の構造体をつくるため、既存の庭の木々の位置を一つ一つ測量するところからはじまったそうです。その構造体は焼き杉の技術を用いて焼くことで、炭化した真っ黒な構造体をつくっており、焼かれることでつくられた構造体や屋根からは、木々が自然と朽ちたかのような年月を感じます。

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屋根の穴から見えるのは既存の庭にあった木々と空。そして、無数の穴から差し込む光は、樹木の木漏れ日と混ざり合い、和らいだ光が庭を照らします。やさしいスポットライトを当てたかのような草木や石がとても美しく、時間によって移りゆく光が、ゆっくりと流れる時間を感じさせてくれます。

鑑賞時間・アクセス
会場: kudan house 庭園
東京都千代田区九段北1-15-9
鑑賞時間:10:00〜18:00
休館日: 7/22〜27、8/2、8/10、8/16、8/23、8/30
*入場制限を行う場合があり、ご入場をお待ちいただく可能性がございます。 事前予約が必要となる場合もあります。
URL:https://paviliontokyo.jp/pavilion-ishigami

藤原徹平「ストリート ガーデン シアター」 旧こどもの城前

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青山通りに設置された岡本太郎氏のパブリック・アート「こどもの樹」を取り巻くかたちで作られた藤原徹平氏の「ストリート ガーデンシアター」。江戸から脈々と受け継がれてきた園芸文化を東京のレガシーとして提示する「植物と人のための劇場」をテーマとしています。
木組みと植物が複雑に絡み合った建築は、構造体であり、植物の居場所をつくる小さな建築であり、人が都市で腰を休めるファニチャーにもなります。

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内部には、野菜や雑草や花やハーブなど様々な植物が植えられており見た目にも鮮やか。木材で組まれた階段を登りながら、植物や「こどもの樹」を渋谷の景色と共に楽しむことができます。一息つきたい時、自然の緑に癒されたい時に訪れてみてはいかがでしょうか。

鑑賞時間・アクセス
会場:旧こどもの城前
東京都渋谷区神宮前5-53-1
鑑賞時間:10:00〜18:00
URL:https://paviliontokyo.jp/pavilion-fujiwara

会田誠「東京城」 明治神宮外外苑いちょう並木入口

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奇想天外な対比や痛烈な批評性を提示する作風で知られる、アーティスト・会田誠氏が手掛けたパビリオンは、段ボールとブルーシートを素材とした2つの城。ダンボールとブルーシートは非常に廉価であるにもかかわらず堅牢性の高い丈夫な素材で、使い捨てながら利用するという点で共通した素材です。

身近な素材ながら、非常にしっかりとした作りで建てられており、梅雨明け前のゲリラ豪雨にも耐えた力強い佇まいが印象的です。

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オリンピック開催を背景に、震災や貧困を連想させる材料を用いた作品は、社会への痛切な眼差しを感じます。また重くて硬くて高額で恒久的な素材のみを使う現代彫刻などに対する批評性をはらんだ側面もあるんだとか。
お城という一見華やかなモチーフに込められたメッセージを、一度立ち止まってじっくりと考えながら鑑賞したい作品です。

鑑賞時間・アクセス
会場:明治神宮外外苑いちょう並木入口
東京都港区北青山2丁目1番地先
鑑賞時間:10:00〜18:00
URL:https://paviliontokyo.jp/pavilion-aida

草間彌生「オブリタレーションルーム」 渋谷区役所 第二美竹分庁舎

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©YAYOI KUSAMA Yayoi Kusama / The obliteration room 2002–present
Collaboration between Yayoi Kusama and Queensland Art Gallery.
Commissioned Queensland Art Gallery. Gift of the artist through the Queensland Art Gallery Foundation 2012
Collection: Queensland Art Gallery, Australia
協力:オオタファインアーツ

日本を代表するアーティスト・草間彌生氏によるインスタレーション作品「オブリタレーションルーム」。床、壁、家具、すべてが真っ白に塗られた部屋に、鑑賞者が色とりどりの丸いシールを貼っていく参加型のパビリオンです。

リビング、ダイニング、和室の3フロアが全て白く塗られており、参加者の手が加わることでカラフルな水玉で埋め尽くされた空間が現れます。

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気になる場所へ思い思いにシールを貼るのはもちろん、他の参加者が残したシールからユニークな視点を観察するのも楽しいです。会期中、日増しに増えていく水玉によってどのような表情が生まれるのか、変化していく経過にも注目です!なお、会場は事前予約制のためご注意ください。

鑑賞時間・アクセス
会場:渋谷区役所 第二美竹分庁舎
東京都渋谷区渋谷1-18-21
鑑賞時間:10:00〜18:00 ※1枠20分毎の入れ替え制となります。
※入場には事前予約が必要です。詳細はこちら。毎週日曜日12:00に翌日月曜から1週間分の予約を開始いたします。
URL:https://paviliontokyo.jp/pavilion-kusama

〈特別参加〉真鍋大度 + Rhizomatiks「2020-2021」 ワタリウム美術館前

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「パビリオン・トウキョウ」の運営を行うワタリウム美術館前に特別参加として設置されたのは、メディアアーティスト・真鍋大度氏とライゾマティクスによるパビリオン。

2020年春の最初の緊急事態宣言から現在までに収集した様々なデータを使用して、AIが生成した文章が細長いディスプレイに流れます。しかし、ディスプレイに重なったアクリル板によって文章は遮られ、読むことができない文字の幻影として現れます。

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作品の隙間から、「東京」や「感染者数」、「オリンピック」など、ニュースやSNSで今最も見聞きするワードを覗くことができました。
空き地でひっそりと光を放ちながら佇む姿は、通りかかる人へ静かに何かを訴えかけているようにも見えます。

鑑賞時間・アクセス
会場: ワタリウム美術館 向かい側の空地
東京都渋谷区神宮前3-41-5
鑑賞時間:11:00〜19:00
URL:https://paviliontokyo.jp/pavilion-manabe-rhizomatiks

〈関連イベント〉「パビリオン・トウキョウ2021展 at ワタリウム美術館」

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今回のイベントに際して、パビリオン・トウキョウを運営するワタリウム美術館では、クリエイター7名によるパビリオン制作時のプロセス、スケッチや図面、模型、実際に使用された素材などを展示しています。

パビリオンのコンセプトについて自身が語る映像のほか、7名のクリエイターのこれまでの活動や作品を伝える年表やドキュメントや映像もあり、制作背景や作品をより理解できる内容。他の会場からアクセスも良いので、パビリオン巡りのひとつに組み込んでみるのがおすすめです。

開催概要
会期:2021年6月19日(土)〜 9月5日(日)
休館日:月曜日(8/9は開館)
開館時間:11:00-19:00
入館料:1000円
URL:https://paviliontokyo.jp/exhibition
ワタリウム美術館HP:http://www.watarium.co.jp/

パビリオン・トウキョウの開催は9月5日まで。
ビクタースタジオ前〜ワタリウム美術館〜明治神宮外外苑いちょう並木など、歩いて巡ることのできるスポットもありますよ。一度きりのこの機会に、東京の街歩き楽しみながらぜひ様々なパビリオンを鑑賞してみてください!

パビリオン・トウキョウ 2021
開催期間: 2021年7月1日(木)〜9月5日(日)
鑑賞時間:各パビリオンごとに異なります。詳しくはHP内の作品ページをご覧ください。
※鑑賞時間は変更になる可能性があります。
※一部のパビリオンには休館日がございます。また、入場料や事前予約が必要な会場がありますのでご注意ください。
HP: https://paviliontokyo.jp/

会場:
新国立競技場周辺エリアを中心に東京都内各所
ビクタースタジオ前/明治神宮外苑 いちょう並木入口/国際連合大学前/旧こどもの城前/渋谷区役所 第二美竹分庁舎/代々木公園 パノラマ広場付近/kudan house庭園/
浜離宮恩賜庭園 延遼館跡/高輪ゲートウェイ駅 改札内

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