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村の住人のほとんどが羊毛タペテを織って暮らす村へ

こんにちは!世界の布と雑貨のお店「&JOURNEY」店主の未希です。
急展開でお店をはじめることになり、
運命の波に流されるがままに旅立った、メキシコとグアテマラ。
数回に分けて、買いつけ旅の様子をお届けします。

まずはメキシコ!
メキシコの中でも民芸品の宝庫であるオアハカ州にやってきました。
オアハカ周辺の村々が1村1民芸、それぞれの伝統を受け継いで、
日々アルテサニアと呼ばれる民芸品作りをしています。

オアハカ市内には、それらの村でつくられた民芸品を取り扱うお店がたくさんありますが、
職人さんから直接購入したり、工房をのぞいてみたい!という想いから、
少し足を伸ばして近隣の村を巡ることにしました。

今回わたしがお届けするのはそんな村の一つ、
羊毛タペテ(ラグ)の村、Teotitlan Del Valle(テオティトラン・デル・バジェ)。
この村のほとんどの家庭が羊毛タペテを織っています。

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村までの行き方を調べてみたところ、
オアハカ市内の乗り場から、相乗りタクシーかバスで30分程とのこと。

まずは乗り場へ向かいました。
ところがいくら待ってもテオティトラン・デル・バジェ行きのバスは来ないので、
乗り合いタクシーに乗ることにしました。

運転手のおじさんに値段を聞いて、いざ乗り込むものの、なんと助手席に2人乗り……
わたしは運転手のおじさんと一緒に乗った相方に挟まれ、
30分ほどひた走り、「着いたよ」と降ろされた場所は幹線道路…
村らしきもの、何もない……!!

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どこまでも続く一本道と、両脇は中米らしい荒野…。
“Teotitlan Del Valle 4km”という看板を見つけ、
仕方なし、てくてく歩くことに…。

たまに車は通り過ぎるものの、歩く人はおらず、不安になりつつ進むこと20分程…
やっと工房の看板らしきものを発見!!

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早速、工房の中に、おじゃましました。
そこは家族経営の小さな工房ながら、外に大きなはた織り機が3台!!!
うち1台の小さなはた織り機で織り方見せてくれ、
「ちょっとやってみる?」と、つくり方を教えてくれます。

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しかし、足踏み式のはた織り機は、単純な作業のようだけど、よく分からずたじたじ…。

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大きなはた織り機には製作中の大作が。
もう1台のさら大きなはた織り機は、とても力がいるのでお父さんしか扱えないそう。

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こちらの糸巻きで毛糸を紡ぎます。

ひととおり、はた織りしているところを見学したあとは、
建物内のギャラリーを見せてもらいました。

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素晴らしい作品の数々!
どれにしようか、かなり悩みました…

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こちらの自然素材で染めています。
わたしが購入したグレーのタペテの染料はウイサーチェと呼ばれる写真左手のアカシアの木の実。

黒はウイサーチェ、黄色は岩につく苔や、花。
赤はコチニージャというサボテンにつく虫、青はインディゴが原料。
この4色を基本に、たくさんの色が作れるそうです。

自然染料で染めた100%ウールのタペテは、
洗えて色落ちもしにくく耐久性に優れ、100年は持つよ!とのこと。

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こちら100年程前のタペテ。触ると柔らかくなっていますが見た目もきれい。
ちなみにこの渦巻き柄はミトラ遺跡に見られるサポテコ族の伝統的な柄だそう。

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伝統はそのままに、新しいデザインをつくる試みもおこなわれています。
こちらは縦糸をそのまま持ち手にするというアイデアが素敵なバッグ。

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村の中心部まで歩くとタペテを中心とした民芸品市場があり、
そこへ辿り着くまでにも何軒もの工房が立ち並んでいました。
一軒一軒巡ると、工房ごとにそれぞれの個性も見えてきて楽しい!

村全体が、はた織りの村というだけあって、あちこちからはた織りの音が聞こえていました。
気軽に見学させてもらえるのもありがたいですね!

さて、どんなタペテを持ち帰って来たかは…お店でのお楽しみに!!

つづく