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猫が多い街の、地域に愛される焼き菓子屋さん「nécoya BAKESTAND」
まるで新世代型の駄菓子屋さん。顔を合わせて会話して、手渡しで届けるハンドメイドスイーツ。
だんだんと春めいてきましたね。こんにちは!戸田江美です。
ブルーの外観、かわいい猫のロゴ。ウッド調のスタンドから焼き菓子のいい香りがふわりと流れてきて、思わず足を止めてしまう人が続出しているこのお店。2015年11月に荒川区にオープンした「nécoya BAKESTAND」です。
古き良き空気を残す商店街に突如現れたおしゃれなお店。前々から気になっていたので、わくわくしながらお話をうかがってきました。
地元の人の身近な存在に。老若男女に愛されるnécoyaさんの想い。
「nécoya BAKESTAND」は、長年飲食業に携わりながら「いつか自分のお店を持ちたい」と思っていたオーナー・古澤さんの夢が叶ったお店です。
11時のオープンと同時に、絶え間なくお客さんがやってきます。昨年末にオープンしたとは思えないほど常連さんが多く、取材にうかがった日もたくさんのお客さんたちと会話が弾んでいました。
子連れのお母さん、犬のおさんぽ中のおばあさん、地元でお店をやっているおじさん。土曜日になるとお仕事がお休みなのか男性も多くやってくるそうです。
皆さんいくつも大量に買っていく様子。それほどまでに魅力的だし、何と言っても笑顔あふれる古澤さんの丁寧な説明を聞くとどれも欲しくなっちゃう!それはまるでタバコ屋さんのように、顔と顔を合わせてコミュニケーションできるスタンド形式だからこそでもあります。地元の人の日常に溶け込む、身近な存在でいられるようにと願う古澤さんのモットーが見える一面です。
一度食べたらリピート決定!イチオシのスコーンなど多彩な品揃え
慌ただしい生活の中でホッと、笑顔になれるお茶の時間。そこで気軽にぱくっと食べられる、コーヒーや紅茶に合うおいしいスイーツを、という想いで焼き菓子を作っているそうです。
なので、気張らずに片手で持ってガブリとかぶりつけるようなものが多いみたい。公園で食べても良いし、手みやげにもちょうど良い。そんな生活に寄り添うようなお菓子が揃っています。
古澤さんもおすすめする売れ筋のスコーンは、日替わりの味も用意。この日は「いちぢく」でした。甘さ控えめでザクザクした食感。そのままでもジャムを付けても◎。
今日も明日も食べたくなる、優しい食感のマフィン
ブルーベリーマフィン(左)とドライクランベリー入りショートブレッド(右)
人気のマフィンは毎日2、3種類置いています。うかがった日はブルーベリー、さつまいも&メープルシロップの味がありました。表面はサクサク香ばしく、中はもちもち、ほんわかした食感。そして優しく広がる甘み。朝食にもおやつにもピッタリの食べ応えです。
小さい子も「猫ちゃん買いに」来る、ショートブレッド
nécoのショートブレッド(左)、オートミールとココナッツのクッキー(右)。
猫の形をしたショートブレッドはお子様に大人気。毎週、小銭を握りしめて「猫ちゃん買いに来た」とやって来るお子さんがいるそう。か、かわいい…まるで新世代型の駄菓子屋さんみたいです。
絶品ケーキとファン続出の手づくりジャム
ケーキやクッキーも揃っています。レモンケーキは国産レモンを使用して風味を出しています。
お持ち帰りしたキャロットケーキ(写真左)。スパイスを効かせた生地の部分はひまわりオイルを使用し、ふわっとした食感に。所々にコリッとくるみが入っていて食感も楽しめます。上部はこってり甘いクリームチーズ。上と下、片方ずつ食べても一緒にかじりついても美味しい!
季節のジャムも人気です(写真右)。購入したのは果肉感を味わえるイチゴ味。ごろごろとイチゴが入っているのが見えます。他にほろ苦いキャラメルチャイ、プチプチした食感と甘酸っぱさが楽しめるラズベリー+イチゴがありました。
冬は金柑のジャムも作っていたみたい。旬のものを味わえるのって素敵!
おさんぽして気がついた、この街の魅力
さて、こんなおいしい焼き菓子が揃っているnécoyaさん。何故この場所を選んだのか聞いてみました。
オープン前、お店を出すにあたって色々な物件を見て回っていたところ、この場所にたどり着いたとか。おさんぽが趣味の古澤さん。実際にこの付近をおさんぽしてみて直感で「ここがいい!」と思ったそうです。
都内唯一残った路面電車が走り、商店街の近く。ちょっと太った野良猫がたくさんいるのは、きっと地元の人にかわいがられているから。そんな街の雰囲気が気に入って決めたという古澤さん。その選択は偶然にも、故郷への凱旋となりました。幼い頃に引っ越したので育ちは別の場所であるにも関わらずこの場所を選んだというのは、何か運命を感じます。おさんぽ中に見かけた野良猫の姿に、地域で愛される未来のお店の姿を重ねて、店名を決めたそうです。
自分が「行きたいな」と思えるお店を作った
古澤さんが今まで飲食店で勤めてきた経験から、実際に良いと思った素材を使用してお菓子づくりをしているそうです。お菓子によって違う砂糖を使うなどこだわりが。
そしてカンタンにそろえられる素材を使っていることもポイントだそうです。高価なものを使わなくても作り方次第でおいしさを引き出せる、それを実感できるようにしているのだとか。いずれこのお店でお菓子教室を開いた時に、生徒さんがおうちでも作りやすくなる。そんなことも視野に入れているそうです。
店内にはいくつもの猫グッズが。地元のお花屋さんの花が飾ってあり、地域の交流も垣間見えます。時々お店同士でコラボ商品も出しているそう。
古澤さんいわく「自分が行きたいなと思えるお店を作った」そうです。「nécoya BAKESTAND」は、床を剥がすところからご自身でリノベーションしたお店。空色の天井、安心するウッド調の家具、いつかお店を出したら使いたいとコツコツと買い溜めてきた雑貨、シンプルな外観。ここに来ると古澤さんのこだわりと情熱が伝わって来ます。
熱い想いを持ったオーナーさんから生み出される、優しい手づくりのスイーツたち。お年寄りから子供までみんなに愛される、街に欠かせない焼き菓子屋さんです。
nécoya BAKESTAND
住所:東京都荒川区東尾久4−12−12
電話番号:03-6458-2537
営業日:木曜〜土曜
営業時間:11:00〜19:00
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