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イスタンブールはストリートグルメの宝庫

はじめまして!料理研究家・フォトエッセイストの口尾麻美です。
普段は書籍や雑誌、イベントやケータリングを通してジャンルにとらわれない世界の料理を発信しています。
私はいろいろな国を周りながら、世界各国の料理を巡っているのですが、今回はトルコで出会ったあれこれを4回に分けてお届けします。

モスクやグランドバサールなど観光のイメージが強いトルコのイスタンブールですが、実はおいしいものがたくさんある街でもあります。なので小腹がすいても困る事はありません。街で楽しめるグルメには大きくわけて屋台、ロカンタ(食堂)、メイハネ(居酒屋)があり、とにかく飲食店がたくさんあります。
日本にもたくさんのトルコ料理店はありますが、せっかくなので日本では食べられない、私の好きなトルコのおいしいものをご紹介したいと思います!

世界最小の水餃子 マントゥ

餃子といえば、中華を想像しますが、実は餃子は世界中にある料理。トルコのマントゥは驚くほど小さくてかわいい水餃子です。
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中国からシルクロードを渡ってたどり着いたマントゥ。指先ほどの大きさのマントゥにヨーグルトソースと仕上げに唐辛子やドライミントの香りのバターをまわしかけます。

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店先ではおばさんが器用にマントゥを作る様子をみることもできます。専門店などでどうぞ。

巻いて食べるピザ ラフマジュン

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ラフマジュンは、薄焼きのピザのようなもの。薄い生地に、唐辛子が効いたトマトベースのピリ辛の牛ひき肉が塗ってあります。もともとはトルコ南東部の遊牧民がルーツの料理。焼きたてにイタリアンパセリをのせ、レモンをぎゅっとしぼり、くるくるっと丸めてかぶりついていただきます。豪快な食べ方ですが、とても生地が薄いのでスマートに食べられ、女性にも人気です。具材のハーモニーと生地のおいしさが格別!ラフマンジュンの他にもトルコは粉物が豊富。そして、どれもお最高においしいのでおすすめです。

生肉のミートボール チー・キョフテ

キョフテとはトルコのミートボールのこと。地方によっていろいろな種類のものがあります。
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中でも変わり種がチー・キョフテ。チーとは生という意味で、生のミートボール。そう、生肉を使ったミートボールなんです!

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牛肉のミンチにスパイス、そして最近日本でも売られるようになった小麦を挽き割りにしたブルグルをひたすらこねて作った料理です。店のショーケースの山盛りになった物体が目印です。これを指の形に握って成型にし、ユフカという生地にレタスとチー・キョフテそしてレモンをしぼって丸めて食べます。生肉とは思えない食感ととてもいいお味でトルコにいったらチャレンジして欲しい!個人的には、トルコストリートグルメナンバー1です。

朝から食べるパイ料理 ボレッキ

日本ではあまり知られていませんが、トルコでは定番中の定番メニューであるボレッキ。ボレッキとはパイ料理のことなんですが、とにかくいろいろな種類があります。
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朝ごはんの定番で、ボレッキ屋さんは朝から行列。
また、小腹がすいた時にもぴったりな軽食です。具材は白チーズやひき肉など。薄い層を重ねたパイ生地はパリッとしたものやしっとりしたものなど種類があります。パイ生地ですが、軽くて新感覚の食感。専門店や屋台で食べたい分だけ買う事ができるので安心です。

トルコで楽しむベジタリアン料理!

ケバブなど肉料理のイメージが強いトルコですが、トルコ料理にはもともとメゼ(冷たい前菜)のような野菜のヘルシーなお惣菜がたくさん!
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最近はイスタンブールの新市街でそういった料理をメインにしたベジタリアン料理の店も増えてきており、日本ではなかなか食べられないトルコの野菜やオーガニックフードを楽しむ事ができます。

パンやピラウ(トルコの炊き込みごはん)が添えられているので、ベジタリアン料理でも食べごたえ十分。テイクアウトもできる店もありますよ。
食べるときっとトルコ料理の奥深さにおどろかされるはず!

いかがでしたか?イスタンブールは気軽なグルメが本当に豊富なので、これはほんの一部。まだまだグルメなものがたくさんあります。思い切っていろいろな味にトライしてみてください。新しい味覚の発見がたくさん待っていますよ!

    ◆イスタンブール新市街
    新市街は金角湾とボスポラス海峡を隔てた旧市街の対岸のエリアで、ベジタリアン料理がある界隈は「タクシムTaksim」「ガラタ塔界隈 テュネル地区 Galata  Tünel」です。

◆箱庭ゲストキュレーター 口尾 麻美(くちお あさみ)
料理研究家、フォトエッセイスト。アパレル会社勤務後、イタリア料理店を経て現在に至る。ジャンルにとらわれない料理は書籍や雑誌、イベントやケータリングを通して発信。