古民家1棟まるまる貸し切れます!

こんにちは。新潟在住キュレーターの渡辺真理子です。
みなさんは旅の宿を決めるとき、どんなポイントで選びますか?
部屋が広い、景色がよい、料理が美味しいなど、人によって色々な考え方があることかと思います。

今回ご紹介する「Craftsmen’s Inn KAJI」(以下KAJI)はその名の通り、鍛冶のまちを体感できる宿泊施設。
「地元の暮らしを感じながら旅をしたい」
こんなふうに思う方へ、ぜひオススメしたい宿なのです。

築80年の古民家を改修した、一日一組限定の宿。

KAJIがあるのは、職人のまちである新潟県三条市。
この宿はAirbnbに登録されているので、外国人旅行客の宿泊も多いようです。
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築80年の文房具屋さんを改修した建物は、古い味わいがそのまま残されています。

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玄関から入ると、土間のアトリエスペースが!

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壁一面には、かんな、のみ、彫刻刀などの道具が並んでいます。
これらの道具は実際に使うことができて、購入もOK。
アトリエスペースでじっくりと、ものづくりの時間に浸ることができます。

実際、アーティストや写真家などクリエイティブな仕事をする方の宿泊は多いようです。
この空間にいることで集中でき、新たなインスピレーションが生まれやすいそう。

会議やワークショップにも使える和室

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館内はWi-Fi完備なので、お仕事をするにも快適な環境です。
左側の壁一面がホワイトボード仕様になっていて、会議の場としても使えます。
天井は吹き抜けで広々。解放感があります。

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和室とアトリエスペースを抜けると、通り庭(土間の廊下)が続きます。
「うなぎの寝床」と呼ばれる、間口は狭く奥行きが広い造りが町屋ならではの特徴です。

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時代を感じる、味のある看板。いい雰囲気です。

台所に調理道具を完備。自炊もOK!

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調理道具や食器も使うことができます。
近所には八百屋さんや肉屋さん、スーパーもありますし、2と7の付く日であれば露天の定期市がオススメ。
いずれにしても食材調達には困りません。

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地元の野菜は安くて新鮮、何よりおいしい。
ぜひ、自炊をオススメします!
宿にいながら、まるでこのまちに住んでいるような感覚になれるはず。

町屋ならではの造り

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さて、2階へ行きましょう。
階段の幅が狭い…そして急勾配…!これも町屋ならではの特徴ですね。

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渡り廊下からは、下のお部屋が見下ろせます。

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2階には、広々とした畳部屋が2つあります。
漆喰壁に手仕事ならではの歪みガラス、障子窓のデザインもレトロ感満載でステキ。

町屋の宿というと、どこか古臭さいイメージを持ってしまいがちですが、
KAJIは古さを残しながらも、現代に合うセンスを取り入れています。
そして、モノは必要最低限。(テレビがない。旅館によくある掛軸や壷もない。)
とても清潔。(ここ、宿を選ぶときに重要なポイントだと個人的には思います。)
今の時代にはない日本の伝統的な暮らしは、KAJIに泊まることで感じられるはずです。

まちに溶けこむように泊まる

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三条市にはこれといった観光地があるわけではありません。
ではKAJIに泊まるお客さんは一体何をして過ごしているのだろう?と疑問に思いオーナーさんに尋ねてみると
「このまちを感じながら過ごしているのです」という返答でした。

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職人のまち、ものづくりのまちということで、この辺はオープンファクトリー(工場見学)をしている会社が
たくさんあります。(なかにはアポなしで行けるところも!)
また、三条鍛冶道場という鍛冶を体験できる施設もあります。
産業文化を身近に感じられるという土地は、めずらしいのかもしれません。

また、KAJIのような町屋がまだ多く残っていたり、細い小路が至るところにあったりと
まち歩きをすることで小さな発見をするのを楽しむ人も多いそう。
商店街のお店は昔からのあたたかな雰囲気のお店が多いので、会話も盛り上がるそうです。
(周辺地のまち歩き情報はKajitoというサイトが便利です。)

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マンホールも、職人のまち仕様。

実際KAJIに泊まってから、このまちにハマってしまい、リピーターとなるお客さんも多いとのこと。
ここには特別なものは何もないけれど、ないからこそ、まちにどっぷりと浸ることができるのかもしれません。

「ものづくりのまちで、暮らすように泊まる」
みなさん、ぜひKAJIでこんな旅をしてみてはいかがでしょうか?