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家具でも雑貨でも!
欲しい、つくりたい、叶えたい暮らしを実現してくれるものづくり工房でDIY。

こんにちは、デザイナーの戸田江美です。

最近、椅子とテーブルを探していたのですが、欲しいデザインのものがなかなか無く悩んでいました。
そんなところに「DIYを相談から完成までサポートしてくれる工房がある」との情報が!
DIY超初心者の不器用な私でも好きな姿カタチの家具が作れちゃう、と聞いて早速行くことを決めました。
その工房の名前は『中原工房』さん。武蔵中原駅から徒歩8分ほどのところにあります。

「DIYって何から始めたらいいのかわからない」をゼロからサポート

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中原工房はDIYのワークショップ、サービス、工房レンタルなどをおこなっています。「部屋を模様替えしたいけど何から手をつければ…」「工具を持っていないし使い方も知らない…」「でもものづくりしてみたい!」このような、よくあるお悩みを解決すべく様々なDIY体験を提供してくれる場所です。

例えば工房内にある様々な電動工具の使い方をレクチャーしてくれたり、購入した組み立て式家具を持ち込めば組み立てをサポートしてくれたり、時には自宅に出張をしてDIYのお手伝いをしてくれたりも。作りたいもの、チャレンジしたいことがあれば、中原工房の優しいスタッフさんが親身になってサポートしてくれるのです。
予約が必要なメニューもあるので、興味のある方は中原工房のサイトをチェックしてみてくださいね。

とは言っても、木や鉄を使った家具を作るなんてハードルが高そう…ドがつくほど不器用な私は若干の不安とワクワクを胸に、工房にうかがいました。
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受付のあるスタジオに入ると、かわいいショールームたちが。DIYワークショップで作れる家具やインテリア素材が展示されています。
私が今回作ることにした木製のローテーブルは6,000円、鉄と木で作るローチェアは9,000円。スタッフさんのレクチャー代、場所代、機材レンタル代、材料費込みのこのお値段。お手頃さにびっくりです。これは自分で制作するワークショップだからこその価格。材料などによっては費用が前後することもあります。
※ワークショップは事前予約が必要です。

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今回お世話になったスタッフさんたち。左から、DIYの指導とサポートをしてくださった佐藤さん、工房長の小水内さん、スタッフの鈴木さん、小林さんです。
みなさん明るくて優しく、DIY初心者にもわかりやすい説明と親身なサポートをしてくださいました。

男前インテリアを短時間でDIY!杉材でつくるローテーブル

さて、さっそくDIYスタートです。スタジオから、機材や資材があるファクトリーへ移動。
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完成図のスケッチが必要なのかな…と思ったのですが、口頭で完成予想図を説明すると、スタッフの佐藤さんがその場で必要な材料と手順を計算してくれました。(もちろん、念入りに完成図を準備していくのも歓迎です)使わない資材にサラサラっと書いていく様子も見ていて面白い!
サンプルに触ったりして、寸法や材料を決めます。経験豊富なスタッフさんに相談しながら完成図を決められるって、DIY初心者にとってはとっても嬉しいサービスです。

1.好きな木を選ぶ

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資材置き場にたくさんある木の中から好きなものを選びます。「この木目を見せたい!」などの要望も相談できます。今回は杉の木をセレクト。香りと色味が気に入りました。

2.木をカットしてビスで繋ぎあわせる


サイズを決めてボタンを押すだけで木材をカットできる機械。必要なパーツにカットしていきます。
終わったら、パーツをひたすらビスでつなぎ止めていきます。佐藤さんに手伝ってもらいながら、電動ドリルでビス打ち。ビスをあえて見せたい部分、そうでない部分も相談しながら決められます。

3.オイルを塗る

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最後にオイルを塗ります。男前インテリア風に、濃い色味にしたかったので焦げ茶色のオイルを選びました。
ここまで約1.5時間。佐藤さんの手際の良い指導のおかげであっという間にできあがりました。
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実際に自宅に配置してみました。まさに欲しかった家具が自分の手で作れた!この満足感と達成感、とっても気持ち良い。DIYの魅力に触れることができました。

DIYデビューにうってつけ!ローチェアの制作スタート

さて、お次は椅子の制作。本格的な機器を使いながらも初心者でも作りやすい内容で、ワークショップでも人気の一品です。

1.鉄をカット

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椅子の骨格に使う鉄を使用するサイズに切っていきます。
こんな機器を使うのも初めてで緊張していたのですが、佐藤さんは優しく指導してくださる上に褒め上手。なので、より楽しく作業ができました。

2.ビスを止めるための穴あけ

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次はビスを止めるための穴あけ。ビスが平らに入るように皿切りという工程もはさみます。これをおこなうと、よりプロっぽい仕上がりに。
ちなみに、ファクトリー内には他のDIYをしている方もいて、お互いの制作物を見ながらお喋りしたり刺激を受けたり。和やかな空気です。

3.いよいよ溶接!

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さてここから本格的な作業に。鉄を溶かしてくっつける「溶接」をします。専用のヘルメットをして、まずは練習から。佐藤さんに教わりながら、端材を使って溶接をしていきます。強い光を放って大きな音がする割には、とても繊細な作業でびっくりしました。ゆっくり、丁寧に作業をしていきます。慣れてきたら本番。椅子の骨格をつなぎ合わせていきます。
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器具の先からは3000〜5000度の火花が出ます。これは太陽の温度と一緒。紫外線が強すぎてすぐに日焼けしてしまうので、長袖の上着が必要です。
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棒状だった鉄同士がくっつきました。多少凹凸ができたりもするのですが、それもDIYならでは。個性ある家具ができて、愛おしく思えてきます。

4.好きな木を選んでカット

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次は座面と背もたれに使う木をカットします。
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機材にも慣れてきました。終わったら、木材と鉄をビスで止めていきます。
ここまでの工程を見ても分かる通り、機械を使った作業が多いんです。DIYといえば金づちで釘を打ち続けたり、のこぎりで木を切ったりってイメージが強かったのですが、そんなことはありませんでした。体力に自信のない人でもチャレンジしやすい環境が整っています。
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最後にニスを塗って、鉄についた油を拭き取れば完成!ニスの色味も選べます。3〜4時間程度でシンプルでかっこいい形状のローチェアができました。

ニスが乾いてくると落ち着いた色味に。足にはクッションシールを貼っているので、おうちの床を傷つける心配なく使えます。

「つくりたい」と「つくれるよ」をマッチングさせた場所

中原工房を運営しているジェクト株式会社は、東京オリンピックが開催される2020年に100周年を迎える歴史深い企業。建築、リフォームから不動産管理なども手掛ける総合建築会社です。
お客さんから、雑貨や家具を作るDIYをしたい、といった要望を多く聞くようになったこと。そのための敷地、機器、資材が揃っていたこと。その2つがちょうどマッチングして、ものづくりの工房である『中原工房』は誕生しました。
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現在ファクトリーになっている場所は数年前までは工場で、職人さんたちがいたのだとか。そのためカンナなどの大工道具、天然木材などの資材が残っています。中原工房の敷地内を注意深く観察してみると、まるで博物館のようにものづくりの先人たちの名残が垣間見えます。そのような場でDIYをするなんて、ちょっと特別な気持ちになりました。

お客さんの7割は女性というのも納得。おしゃれできれいな内装とワークショップメニュー

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中原工房を訪ねてくる人の7割は女性。きれいで広々とした敷地、水周りもリノベーションされていておしゃれ。お子さんには危ない機材類は、受付があるスタジオとは別の建物にあるので安全です。駐車場もあるので遠方からのお客さんも来やすいです。
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中原工房がある川崎に住んでいるプロダクトデザイナー、佐野正さんとコラボレーションしたワークショップもあります。デザイナーが考案したからこそのかわいくて洗練されたデザイン。自分なりのアイディアを加えていくことももちろん可能です。

定期的にユーモアあふれるワークショップ形式のイベントをおこなっているので、まずは工房の様子を見たい、という方にはおすすめです。

ものづくりが好きな人が、自分らしいものづくりをできる場所

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人が楽しく暮らすための手助けをしたい。ものづくりを好きな人が自由にそれを実現できる場を提供したい。
そうおっしゃる工房長・小水内さんのポリシーが充満したかのような中原工房は、訪れる人に寄り添ったサービスをしてくれます。スタッフさんが隣に立って談笑しながら何かを一緒に作る、つくり手のペースを優先してくれる、そんな光景が広がる工房内は、ものづくり好きにとって居心地の良い空間でした。
ここに来ればできることがひとつ増えるような、充実した気持ちになります。まるで自分の可能性を広げてくれる場のように感じました。
DIY初心者から上級者まで利用できる中原工房で、ぜひ自分だけのものづくりをしてみてください。あたたかいスタッフさんが迎え入れてくれます。

(photo by eiko owashi)

    中原工房

    〒211-0042 川崎市中原区下新城2-1-8 1階
    044-755-4105
    営業時間:9:00~ 月曜~金曜および第1・3・5土曜
    定休日:日曜、祝日他
    Website:http://nakahara-koubou.com/