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文庫サイズだけじゃない!
いろんなサイズのブックカバーで日々の読書がもっと楽しくなるお店。

こんにちは、箱庭キュレーターmariです。

本が好きで、日々色々な本を読んでいるのですが、古本屋さんでハードカバーや児童書サイズの本を手にした時に思うことが、手頃なブックカバーがないなぁということ。
ずっと探していたブックカバー。
ついにすてきなブックカバー屋さんを見つけたので、今日はそのお店をご紹介します。

かわいらしいミシンが置いてある軒先に注目

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そもそもの出会いは谷中のお散歩。
目的は箱庭で紹介されていた谷中のhagi cafe、隣町の上野桜木あたりだったのですが、道中のこの店構えに惹かれてお邪魔したのが始まり。
谷中でのお散歩は本当に新しい出会いにあふれています。

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このアンティークなミシン台がお店の目印。

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ミシン台の上にはゆる〜い手書きのイラストと、ブックカバーのお店です。とメッセージ。
デジタルの時代のこのアナログ感がなんとも興味をそそります。

ちなみにこのイラストのくまとねこは、「こねことくまぼう/The kitten “Koneko” and the bear “Kumabo”」といって、旅するミシン店サイトのMangaコーナーにて二匹の関係性を垣間見ることができます。可愛い顔して冷静沈着な“こねこ”に私は注目しております(笑)。

それでは、早速お店の中に入ってみます!

色とりどりの裏地を使った様々なサイズのブックカバー

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表はシンプルなイラストの入ったブックカバーなのですが、中がとっても可愛いんです!

北欧風デザインの裏地や、日本の伝統的な反物を使った裏地など、色々なテイストの裏地のブックカバーがあります。この時は館林木綿、会津木綿のブックカバーが置いてあり、旅先で裏地の生地を探すのも楽しみの一つなんです。と店主の植木ななせさん。

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私もシックな裏地に惹かれて館林木綿のブックカバーをお持ち帰りしました。

店主の“植木ななせ”さんにお話伺ってみました

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箱庭(以下、箱):ブックカバーを作り始めた、きっかけを教えてください。

植木ななせさん(以下、植):父親もミシンのお店を自営でやっていて、母親も手づくりをよくしてくれていて手づくりは小さな頃から身近な存在でした。

社会人になってから、リバージブルで使えるようなバックが欲しく裏地が刺繍の手づくりのバックを作っていて、それを何気なく手づくり市に出したのが始まりです。

何か刺繍の本を見ていた時に、たまたまブックカバーが載っていて刺繍をして当時は売っていました。
ブックカバーは結構売れて人気だったため、嬉しくてもっと作るようになったんです。

箱:なるほど、ブックカバーは偶然生まれた商品だったのですね!
当時は手づくり市などで週末に販売をされていたということですが、自分のお店を持とうと思ったきっかけは何だったのでしょう?

植:自分で作ってお店をしていると、自由にできるというのがわかるんです。
そうすると、自分でもっとやりたいという気持ちが湧いてきて、お金には変えられない充実感を感じました。

あとは、直接買ってくれる人と話ができるのは楽しいし、喜びも大きいです。
もともとは、会社員として働いていたんですが、ありがたいことに「こういうのがあるといいな」とか「こういうのが欲しい!」という要望をたくさんいただき、お客様の要望に応えきれなくなった時に、欲しいと思ってくれている人に応えたいという思いが強くなり、退社して自分の仕事を一本化することにしました。

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こちらの児童文庫サイズとコミックサイズ兼用のブックカバーはお客様の要望を実現して制作した人気商品。
このサイズのブックカバーはなかなか見つからないので嬉しいですね~。

箱:なるほど、自分のお店を持って気づきや変化したことがたくさんあったようですが、一番大きな気づきを教えてください。
植:人との交流や繋がりを強く感じるようになりましたね。
自営業は世間が狭くなるかと思っていましたが、実はすごく広がった。
作って売って話をすることで自分の世界がぐんと広がっているのを強く感じていて、また世界が広がるのがわかると自分でもっと色々な世界を見なければ!という気持ちも強まり、デスクワークの時よりももっと積極的に世間を広めていくように意識もするようになりました。

箱:店の名前「旅するミシン店」がとっても可愛いと思うのですがどのように付けられたのですか?

植:実は、結構アウトドア派で旅行や観光が大好きなんです。
お店の名前は手づくり市の時から使っているもので、3つの思いを込めて名付けました。

1つが、「旅行が好きなのでもっと行きたいという気持ち」
2つめに、「旅のお供に本を持って行って欲しいという気持ち」
3つめに、「お店に遊びに来てもらうお散歩も、小さな旅だと思ってたくさんの人に遊びに来て欲しいという気持ち」
それに、父親のミシン店をくっつけて。

旅のお供という気持ちを込めて旅先からお手紙を出して欲しいと思っていて、そう言った商品もあるんですよ。

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こちらは旅先から手紙を出して欲しい、という思いを込めて便箋なども販売中。

箱:最後に今後チャレンジしてみたいことを教えてください!

植:店内にカラスのグッズが多いのにお気づきでしょうか(笑)?

前職では本のデザインをしていたのですが、たまたまカラスの研究をしている、松原始さんというカラスの研究者と知り合って当時勤めていた会社で「カラスの教科書」という本を出版したことがあるんです。

その時がとっても楽しくて、今後も自然科学と四六判のソフトカバーというこだわりで、ブックカバーに合う本の出版を今後はしていきたいと思っています。

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こちらが店内に設置してある「カラスの教科書」の本です。
販売はしていませんが、閲覧することができます。

なかなかニッチな需要をつきそうな本ですが、予想以上の反響で何回も増刷しているそう。

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店内にはカラスグッズも多数あります。
店頭で、物欲しげにポテトを見つめるカラスのブックカバーも見つけたのですが、カラスは効率よくカロリーを摂取できる油物が大好物でポテトやマヨネーズに目がないそう!植木さんのお話を聞いていると、だんだんカラスが好きになってきました(笑)。

いかがでしたでしょうか?

読書の秋。はまだ少し先になりそうですが、普段の読書もこだわりのブックカバーを持つことでグッと楽しみが増します。
ぜひお店に遊びに行ってみてくださいね!