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心もお腹も満たされる!この秋一番のおいしい映画『アスファルト』
食欲の秋必見の映画『アスファルト』
こんにちは。あいぽんです。
映画を見て、「うわ〜このごはん食べたい!」ってなることありますよね。
今回紹介するのは、まさに「うわ〜このごはん食べたい!」となること必至!の食欲くすぐり系映画『アスファルト』です。
フランスの団地を舞台にした3つの人間模様
まずは『アスファルト』について簡単にご紹介したいと思います。
© 2015 La Camera Deluxe – Maje Productions – Single Man Productions – Jack Stern Productions – Emotions Films UK – Movie Pictures – Film Factory
いろいろな人がそれぞれの生活を送っているフランスの古びた団地が舞台。
鍵っ子の高校生の男の子と落ちぶれた女優、車いすの自称カメラマンと夜勤の看護師、英語が通じない移民女性とNASAの宇宙飛行士がふとしたことから出会い、交流するというストーリー。
© 2015 La Camera Deluxe – Maje Productions – Single Man Productions – Jack Stern Productions – Emotions Films UK – Movie Pictures – Film Factory
灰色の団地を舞台に淡々と少しシュールで、ウィットに富んだ会話が繰り広げられます。思わず笑いが溢れ、劇場内にはくすくすと笑い声も。
© 2015 La Camera Deluxe – Maje Productions – Single Man Productions – Jack Stern Productions – Emotions Films UK – Movie Pictures – Film Factory
どことなくくすぶっている人たちが、知らない誰かとの交流を通して、少しずつ一歩を踏み出していくという展開なのですが、誰かを助けようとか頑張って一歩踏み出そう!とかそんな強制的な感じではなく、ジワジワと変わっていくそれぞれの心の変化が描かれています。
なので、観終わったあとは、なんだか心にほっこり暖かい火は点ったような気分に。
言葉の通じない2人をつなぐクスクス料理
© 2015 La Camera Deluxe – Maje Productions – Single Man Productions – Jack Stern Productions – Emotions Films UK – Movie Pictures – Film Factory
で!その中で、私が特に好きなのが移民女性とNASAの宇宙飛行士の交流のエピソード。
不時着したNASAの宇宙飛行士がわけあって、団地に住む移民女性のマダム・ハミダと交流するのだけれど、宇宙飛行士はフランス語が話せないし、マダム・ハミダは英語が話せず、会話ができない…。しどろもどろでなんとか意思疎通を図ろうとする2人。そのときにマダム・ハミダの方が何度も口にする言葉が「今晩はクスクスよ」というフレーズ(もちろん宇宙飛行士には伝わりません)。
やがて登場するクスクスを前に2人は、言葉は通じなくても一緒においしいクスクスを食べて、「おいしい」という共通の感情が芽生え、分かり合えたような雰囲気に。
「おいしい?」と何度も聞くマダム・ハミダとおいしさやうれしさが表情から伝わってくる宇宙飛行士。この2人の交流を見てしまうと、きっと絶対クスクスが食べたくなるはず!そう、まさに食欲くすぐり系映画なのです!
クスクス欲がおさえられずクスクスを食べるイベントへ
ここからは半分余談にはなるのですが…。
そんなわけですっかりクスクスが食べたくなってしまった私は、クスクスが食べたくてしょうがなくなり、「クスクススマイルプロジェクト」のイベントに行ってきちゃいました。
以前も参加させてもらったのですが、今回はマダム・ハミダの料理をイメージしたメニューも。
クスクスがよく食べられるモロッコやアルジェリアなどの北アフリカでは、クスクスはおもてなし料理なのだそうです。アルジェリアからの移民であるマダム・ハミダが迷い込んできた宇宙飛行士にクスクスを作ったのには、そんなおもてなしの意味があったのだな〜と納得。ますます映画に込められた温かい気持ちにほっこりしてしまいました。
今回のイベントでは定番の小麦のクスクス以外にもさまざまなものがありました。
モロコシのクスクスや、フォニオと呼ばれるイネ科の植物のクスクス、ミレットという雑穀のクスクスなど。どれも少しずつ味や食感が違って楽しい!
でもそうなると…「クスクスってなんだ?」とふと疑問に。そうしたら、
「転がされて作られた、小さな粒の珠のすべて」(にうらじゅんこ著「クスクスの謎」)
これをクスクスと思うといいですよと教えてくれました。
アフリカ大陸にはさまざまな材料から作られるクスクス。それぞれの地域で採れる食材で作られるつぶつぶのもの総称してクスクスと呼ぶのだそう。
うん、なんだかその大雑把な感じもいい!
なんだか、その感じもピースフルですよね。
さてさて、なんの話だかわからなくなってしまいましたが…。
映画「アスファルト」を見て無性に食べたくなったクスクス。なんでこんなに暖かい気持ちになるのだろう?と思ったあのシーンに登場したクスクスには、想像以上の物語がありました。そしてその物語を知ると、映画のワンシーンの向こうには奥深い世界が広がっていたんだな〜と。
食欲の秋におすすめの映画『アスファルト』。映画を観るとクスクスが食べたくなり、クスクスを食べると『アスファルト』の世界観がもっと好きになる。なんとも、おいしくて幸せな相乗効果たるや!心もお腹も幸せな気持ちで満たされる映画です。
© 2015 La Camera Deluxe – Maje Productions – Single Man Productions – Jack Stern Productions – Emotions Films UK – Movie Pictures – Film Factory
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映画『アスファルト』
- 監督・脚本:サミュエル・ベンシェトリ
- 出演:イザベル・ユペール/ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ/マイケル・ピット/
- ジュール・ベンシェトリ/ギュスタヴ・ケルヴァン/タサディット・マンディ
- 2016年9月3日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ(モーニングショー)、シネ・リーブル池袋ほか全国順次ロードショー