a チェア

椅子ってこんなに美しい…!

こんにちは、実家が材木屋をしていたおはなです!新木場方面に行くと懐かしい気持ちになるのは言わずもがな。材木の香りって、人を癒やしてくれる効果があると思いませんか?

実は最近、箱庭編集部が所属しているRIDE MEDIA & DESIGN株式会社が引っ越しをしたのですが、そこに新設されたMTGルームにひときわ素敵な椅子がありまして… カタチにも座り心地にも、一同うっとり。

MTGルーム

見てください、この佇まい!
美しいですよね。
そうなってくると気になるのが、どこがつくっている椅子なんだろう?ということ。
北欧生まれなのかと思いきや、なんとMade in 福島。

自分がつくっているわけでもないのに、日本生まれと聞いて、誇り高い気持ちになります。
しかもこの椅子、国産の厳選素材を使用し、職人さんが1つ1つ手作業で仕上げているので、大切にメンテナンスをしていけば100年経っても余裕で使えるんだとか。
100年!?
やっぱり日本のものづくりって、すごいです。
この椅子を使っている中で芽生えた「日本の家具の良さをもっとみなさんに伝えたい」という気持ち。
今回は、この椅子をつくっている福島県まで足を運び、100年使える家具づくりの秘密を聞いてきました。

100年使える椅子のルーツを探りに福島へ!

やってきたのは、福島県 郡山市にある“木で暮らしを彩る「La Vida(ラ ビーダ)」”さんです。

La Vida

ラ ビーダは、3代にわたり、福島の郡山で90年も続くお店。
「良質な素材を使った良質な住まいづくり」に、情熱を燃やしています。

La Vida

入った瞬間から、爽やかでぬくもりある木の香りがしました。
店内は、2階建てで色々な家具が展示販売されています。

編み物用机

こちらは、ヴィンテージの編み物用机。机の下に毛糸を入れる籠がついているんです。かわいい!

仏壇

この写真中央の家具は何だか分かりますか?
開けてビックリ、仏壇でした。オシャレ~。

そして、お店の一番目立つ場所に、いました!
我らのMTGルームの椅子。「a チェア」です。じゃーん。

a チェア
(左から順に、クリ、ナラ、サクラの木を使用。)

私たちの会社のMTGルームで使っている椅子は、クリの木でできていますが、他にもナラとサクラの木バージョンがありました。どの木でつくられた椅子も100年使えるそうです。
ラ ビーダの渡部社長と広報の長谷川さんに、100年使える椅子の秘密を伺いました。

「フォルムが美しいことで世界的に有名なハンス・J・ウェグナーの椅子「ザ・チェア」に対し、ラ ビーダの『a チェア』は『日常で使える、普通の椅子がいいよね』という肩肘張らないコンセプトをもとにつくりました。ラ ビーダでは主に東北地方の木を使用しています。南の木は暖かい気候ゆえ成長が早く柔らかいけど、北で採れる木はゆっくり、身が引き締まって育つんです。つまり削ったりメンテナンスをしても、東北の木は痩せにくい。これが“100年使える椅子”となるゆえんの一つです(渡部社長)」。

「マツやスギは通常60〜80年で伐採し家具にしますが、広葉樹は樹齢200年以上のものを使うことが多いんです(長谷川さん)」。

おみやげにいただいたナラ材のカッティングボードは、推定樹齢300年でした。
すっごいスパン…。
人間が管理できる期間ではないので、キコリの方が山で探してきて、いい木を見つけたときに教えてくださるんですって。
ロマンを感じます。

木材だけではなく、椅子の構造にも100年使える椅子の秘密が!

a チェア 背もたれのジョイント

背もたれのジョイント部分は、「朝日相扶製作所」の職人さんの手仕事によって作られています。このジョイント、釘やネジを使わずに接続されているんです。
木は伸び縮みしサイズが変動するのに、1mmの狂いもなくはめられるように仕上げてくださるなんて、まさに神業!

その技術はこちらの動画を。

ちなみに朝日相扶製作所は、世界一の木工技術を誇るといわれるデンマーク家具の有名メーカーから製作依頼がくるほど、世界でも稀なライセンス工場です。
日本を代表する世界的な家具工場の技術により、「aチェア」は作られていると思うと、オフィスでの打ち合せにも力が入ります!

a チェア

簡単にメンテナンスできるよう、座面もドライバー1本で外せる構造です。
長く使うためにはとっても重要なことですよね。

「シンプルでいいものは、年月が経つと味が出てきてヴィンテージになる。使い捨てされるものが多い現代だからこそ、気に入ったものを長く使うのは幸せだと思います(渡部社長)」。

そんな風な想いを持ってものづくりされているからこそ、100年使える椅子がつくれたのだと思いました。技術もさることながら、その心がいいものづくりに繋がるんですね。

座面の張地

ちなみに、座面の張地もたくさん!どれにしようか目移りしちゃううえ、持ち込みもOK。
大好きな布地を使った、自分だけのオリジナルチェアも作れちゃいます。

「aチェア」のあるMTGスペースがこちら

場所を東京に戻し、素敵な物語が詰まった「aチェア」を使った、箱庭を運営するRIDE MEDIA & DESIGN(株)のMTGルームもご紹介しましょう。

MTGルーム

MTGルーム

無垢材をふんだんに使用したシンプルな空間に、「a チェア」が自然と溶け込み、心地の良い空間を作り出しています。自然素材をたくさん使っているので、会社の会議室だけど、空気がきれいな気がするんです(笑)。

そして「a チェア」の他にもこだわりが!

白いランプ

照明の白いランプは奈良県を拠点にしているNEW LIGHT POTTERYさんのプロダクト。
割れたり欠けたりした陶磁器を漆で接着し、接着部分を金で装飾する「金継ぎ」という伝統的な修復技術を使った照明です。

市松模様

床は古来より日本で織模様として愛され続けてきた市松模様。

机は、内装を手掛けたデザイナーの鈴木一史さんオリジナル設計の、組み立て式のものを使っています。

箱庭メンバーは、日本の伝統やものづくりが好きですが、会社としてもこういったモノ・コトを大切にしていきたいという想いがあるのが、働いている自分たちも誇りです。

せっかくなので、オフィス紹介も少々…

オフィス

居心地のいいコミュニティスペース。お昼を食べたり、スタッフ同士の打合せに使ったり。エスプレッソマシーンがあるので挽きたてコーヒーを片手に休憩もできます。

オフィス

オフィス

ワーキングスペース。
白と木の温もりが基調で、我ながらスタイリッシュ!作業効率も、引越し当日からぐ〜んとアップした(気がします)。

さて、ラ ビーダさんの「a チェア」の奥深き物語、そのチェアを使った空間やオフィス紹介はいかがだったでしょうか。
どんなプロダクトにも作り手さんの想いやこだわりが詰まっていて、そのストーリーを知ることで、より愛着が湧きますし、もっともっと大切に、丁寧に使っていこうという気持ちになりますよね。そんな風に思ってくれる人が増えるといいなぁ~。
箱庭は、これからもものづくりの現場に足を運び、作り手さんの想いを発信することで、微力ながらその手助けが出来たら嬉しいです!

あっ、ラ ビーダさんの「a チェア」やMTGスペースを見てみたいという方は、箱庭のガッコウスチーヴのイベントなどでも使用しておりますので、ぜひ遊びにいらしてくださいね!