瀬戸内国際芸術祭

2016年は「瀬戸内国際芸術祭」開催年!10月8日から秋期がはじまるよ~

こんにちは、yumieです。
先日、念願の「瀬戸内国際芸術祭」に行ってきました!

「瀬戸内国際芸術祭」は瀬戸内海に浮かぶ12の島と2つの港を舞台に3年に1度開催される現代アートの祭典。2010年にスタートし、今年で3回目をむかえます。「瀬戸内国際芸術祭」は、「現代アート」と「島の景観・暮らし」が融合したインスタレーション作品が魅力!毎回新作が追加され、現在は200以上の作品が展開されています。

今回は、女子が1日でたくさん作品を楽しむのにお勧めの「女木島」「男木島」を2回にわけてご紹介します!
実行委員会の方からレクチャーいただいたオススメ鑑賞コース順に作品を紹介していきますので、実際に行かれる方はぜひ参考にしてみてくださいね!

高松港からフェリーで女木島へ!目指すは鬼ヶ島?

瀬戸内国際芸術祭 フェリー

高松港から女木島までの片道きっぷを買って乗船。「めおん2」号で女木島を目指します。
女木島は島の山頂に巨大な洞窟があることから「鬼ヶ島」と呼ばれていて、フェリーの側面にも鬼のイラストを発見!作品も鬼をモチーフにしたものが多く、作品のコンセプトが統一しているのも女木島の特徴です。

瀬戸内の海はとても穏やか。のんびり海をながめている間に到着です!
(乗船時間:20分)

まずは島の案内所「鬼ヶ島おにの館」で情報収集

瀬戸内国際芸術祭 鬼ヶ島おにの館

まずは、島の案内所「鬼ヶ島おにの館」で、情報収集を行います。
島の中はトイレの数も限られている(ほとんどない)ので、案内所で済ませておくと安心です。
もちろんコンビニはないので、ここでドリンクなども調達しておきましょう!

瀬戸内国際芸術祭 鬼ヶ島おにの館

案内所の左奥の映像コーナーも忘れずにチェック!
こちらは後でご紹介する「OKタワー」のプロモーションビデオで、「OKタワー」を制作した「ナウィン・ラワンチャイクン」が歌いながらお芝居する喜劇仕立てでハッピーなストーリーになっていました。
ビデオでは、島民の方々がたくさん登場しますが、顔を覚えておくと「OKタワー」をもっともっと楽しめると思います!

木村崇人「カモメの駐車場」

瀬戸内国際芸術祭 カモメの駐車場

案内所を出て、まず最初に出迎えてくれるのが、たくさんのカモメのオブジェ。
港周辺の防波堤になんとおよそ300羽(!)のカモメがいるそうです!!
風の流れによってカモメは向きを変えるので、オブジェのランダムな動きを楽しみながら、視覚的に風の流れを感じることができます。
瀬戸内海特有の季節風を利用した、この土地ならではの作品です。

瀬戸内国際芸術祭 カモメの駐車場

いよいよ島の中へ。
女木島のシンボルでもある石垣「オオテ」が見えます。石垣と石垣の間の路地に入り、アート巡りスタートです!!

カオス*ラウンジ「鬼の家」

瀬戸内国際芸術祭 鬼の家

石垣「オオテ」の上に、一艘の舟!これが「鬼の家」の目印です。
ワクワクしながら中に入ります!

瀬戸内国際芸術祭 鬼の家

作品を施す舞台となった家に元々あったモノを使い「鬼の家」が表現されています。以前は漁師さんの家だったのか、鋭いモリが鬼の凶器のようにもみえてリアル!コップなど使い古された生活雑貨は少し切ない感じも…。空き家やその中で捨てられていたものがアートとして再生するのも「瀬戸内国際芸術祭」の見どころです。

行武治美「均衡」

瀬戸内国際芸術祭 均衡

一見普通の古屋にみえる家の戸をあけると、部屋一面を埋めつくす光と鏡のオブジェが現れます。
外から風が入る窓があり、風が吹くたびにミラーガラスが揺れ、独特な世界の中に引き込まれていきます。
朝・昼・夕と時間の移り変わりによる作品の違いも楽しめそう!

この作品のために造られたように感じるぐらい、マッチしていた古屋。島では多くの作品が空き家を利用して展示されていますが、アーティストは「家選び」から関わっていると聞き納得!

カオス*ラウンジ「鬼の記念館」

瀬戸内国際芸術祭 鬼の記念館

「カオス*ラウンジ」は島の中心部に2箇所、洞窟内に1箇所作品があり、複数のアーティストがコラボする形で「鬼ヶ島伝説」を表現していて、こちらは2箇所目。古民家の1階・2階に様々なアーティストが作品を展開しています。

まず中に入ると目に飛び込んでくるのは可愛い鳥居。「女木島」に実在する神社をモチーフにしているそうです。

瀬戸内国際芸術祭 鬼の記念館

こちらは石碑にみせかけた紙の束。紙にはメッセージがかかれていて、実際に持ち帰ることができます。
他にも漫画など、鬼をテーマにディープな作品がたくさん展開されていました!

瀬戸内国際芸術祭 鬼の記念館

次の作品へ向かっていると目の前に現れたのは試練の上り坂!「女木島」は道も細く傾斜がきついところも多いので、徒歩で回っていたのですが、「女木島」の中でも、この坂は一番きつい坂!!頑張って上ります!!

杉浦康益「段々の風」

瀬戸内国際芸術祭 段々の風

坂を上りきると、そこに広がるのは「女木島」から高松まで一望できる美しいロケーション!!この絶景は、頑張って坂を上がったご褒美でしょうか!
作品名の通り、ここは元は段々畑だったそうです。日々畑仕事をしていた頃の暮らしの息吹も感じつつ、作品と景観のコラボを楽しみます。

瀬戸内国際芸術祭 段々の風

砦のようなオブジェ。約400個のパーツからできているそうです。パーツは、ねじねじだったり、ストレートだったり、ひとつひとつデザインが異なっていました。オブジェ越しにみる景色も素敵!

瀬戸内国際芸術祭 段々の風

作品はすべて陶器で作られているそうです。石のようにみえるこのオブジェも焼き物と聞いてびっくり!
瀬戸内の風と光で、日焼けしたり、亀裂が入ったり…オブジェに新しい風合いが出ているのも素敵です。

依田洋一朗「ISLAND THEATRE MEGI 「女木島名画座」」

瀬戸内国際芸術祭 女木島名画座

段々畑の坂を下ると「名画座」があります。こちらの作品は2016年制作の新作で、島で使われていなかった空倉庫を、ニューヨーク在住(香川県出身)のアーティスト依田洋一朗さんが映画館として蘇らせました。おしゃれな壁画にワクワクしながら中に入ります。
(写真に写ってる自転車はレンタサイクルです。案内所で電動自転車をレンタルすることができます。)

瀬戸内国際芸術祭 女木島名画座

内装はPOPで可愛いカラーリング!!テンションあがります!ポップコーン販売のオブジェまでキュート!
壁面のフォントやカラーはデザインの参考にもなりそうです。

瀬戸内国際芸術祭 女木島名画座

壁面には、名優たちのポートレイトがずらっと並びます。これもすべて依田さんの作品。ニューヨークで書き溜めていた作品もあるそう。ポートレイトの中に混じって「ヨーダ」の作品があるんですが、実はこれは依田さんの自画像?!。依田さんは作品にサインをしないので、かわりに「ヨダ」ならぬ「ヨーダ」の絵が飾られているとか。「ヨーダ」は1階にドーンといるので、ぜひ見つけてみてくださいね。

ではチャップリンのピンクのドアをあけて、2階の劇場へ進みます!

瀬戸内国際芸術祭 女木島名画座

ドアをあけると、赤の世界。ガラリと世界が変わります。

瀬戸内国際芸術祭 女木島名画座

2階の劇場の中。実際に映画が上映されていました。(上映されている映画も作品の一つ!)
椅子は実際にアメリカの古い映画館から持ってきたものらしく、ちょっとポップコーンの香りも…
70年代の映画にでてきそうな空間の中で、自分も作品の一部になりきり、どっぷりと世界観に浸ります。

大竹伸朗「女根 / めこん」

瀬戸内国際芸術祭 女根 / めこん

「名画座」のすぐ近くの小学校で展開されている「女根」。こちらは、2005年に休校となった女木小学校で、校舎の中に入るなり一気に大竹ワールド全開のエキセントリックな世界に引き込まれていきます。

瀬戸内国際芸術祭 女根 / めこん

蛍光色のアクリル板で作られたひさしに陽が差し、オブジェに色が移る様はノスタルジック。
昭和でおしゃれなタイルの1枚1枚も気になります!

瀬戸内国際芸術祭 女根 / めこん

中庭に入ると、大きなヤシの木にからむようにオブジェがそびえています。
このヤシの木をはじめ、この空間に存在する植物のほとんどが学校に自生していたもので、2013年に公開されてから、植物の成長にともなって空間の印象も少しづつ変わってきたそうです。

瀬戸内国際芸術祭 女根 / めこん

ここは基地?宇宙や未来と交信できそう!増殖し続ける熱帯植物が空間の演出をさらに盛り上げます。

瀬戸内国際芸術祭 女根 / めこん

エントランスすぐ脇のトイレ。こちらは普通に利用できます!
海外の現代美術館のようなかっこいい配色のトイレ!!

平尾成志×瀬ト内工芸ズ。/ 香川県盆栽生産振興協議会「feel feel BONSAI」

瀬戸内国際芸術祭 feel feel BONSAI

「女根」とガラリと雰囲気はかわって今度は静寂で繊細な「盆栽」へ。
実は香川県は日本一の松盆栽の産地。この家に元々自生していた松、120年ものの盆栽、地元のアーティスト合作の盆栽作品など伝統的なものから現代的なものまで幅広く鑑賞することができます。

こちらは、お月見台から眺める庭園風景。この眺めに魅了され、何時間も滞在する人もいるとか。

瀬戸内国際芸術祭 feel feel BONSAI

部屋の中ではミニ盆栽のオブジェがくるくると回っていました。リニアモーターカーの原理を利用しているそうです。

瀬戸内国際芸術祭 feel feel BONSAI

お風呂場で苔の作品を発見!「瀬戸内国際芸術祭」では使われなくなった家をフル活用して作品を展示しているので、お風呂場やトイレにも作品が隠れていることもあります。見逃さないように、見ていいお部屋はチェックしてみてくださいね。面白い発見があるかもしれません!

レアンドロ・エルリッヒ「不在の存在」

瀬戸内国際芸術祭 不在の存在

レアンドロ・エルリッヒといえば、「スイミング・プール」(金沢21世紀美術館)が有名ですが、こちらの作品も想像以上でした!
小さな茶室の中で視覚的なトリックが表現されているんですが、やはり圧巻です。
(作品は撮影不可。実際に体感してみてくださいね。)

「不在の家」に併設されている「レストラン イアラ 女木島」でランチ!

瀬戸内国際芸術祭 レストラン イアラ 女木島

2016年の「瀬戸内国際芸術祭」は瀬戸内の食文化にふれてもらう「食プロジェクト」にも力をいれていて、この「レストラン イアラ 女木島」もそのプロジェクトの一つ。出張料理人の「ソウダルア」さんが実際に厨房に立ち、その日採れた食材で作ります。食材は、お茶に至るまでオール香川産、その素材の一番美味しい食べ方でいただくことができます。
写真中央の「瀬戸前寿司」と呼ばれる押し寿司は郷土料理で、見た目より重量感もあり、味もさっぱりしていてとても美味しかったです。ボリュームは「食べた後、島巡りの途中でお腹がもたれない量」を配慮して提供されているそうで、温かい気遣いにも癒されます。

    レストラン イアラ 女木島
    ランチセット 1,500円(1人前)・2,000円(1.5人前)
    営業時間:11:00〜16:00(LO 15:30)
    定休日:無休(会期中)
    電話:087-840-9033
    住所:香川県高松市女木町185

禿鷹墳上「20世紀の回想」

瀬戸内国際芸術祭 20世紀の回想

腹ごしらえもすませて、女木島も折り返し!海岸へ向かって歩いていると防波堤近くに、ピアノを発見しました!!
通常は帆が広がっているそうなんですが、この日はあいにく強風のため、帆は閉じられていました。

瀬戸内国際芸術祭 20世紀の回想

近づいてみると、ゆったりとした曲が流れています。波の音も混じって、すごく穏やかな気分に。
グランドピアノの鍵盤にそっと指をのせて、静かに作品を感じます。

愛知県立芸術大学瀬戸内アートプロジェクトチーム「MEGI HOUSE」

瀬戸内国際芸術祭 MEGI HOUSE

愛知県立芸術大学の学生さんやOB・教授などが、日々研究を行う拠点として制作を進めているプロジェクトハウス。
実際にコンサートなども行われ、秋にはピアノコンサートやバンドパフォーマンスなどが予定されています。

ナウィン・ラワンチャイクン + ナウィン・プロダクション「西浦の塔(OKタワー)」

瀬戸内国際芸術祭 西浦の塔

遂に「OKタワー」に到着です!!こちらも今回新しく制作された作品で、他の作品と少し離れた西浦地区に設置されています。
タワーの頂上には「OK」のフラッグがたなびく、巨大なアート作品。作品の中には階段が螺旋状に設置されていて旗のところまで登ることができます。タワーには、(始めにご紹介した)PVに登場した西浦地区の住民の方々が「自分のたいせつなもの」と一緒に描かれていてソックリ!!

瀬戸内国際芸術祭 OKタワー

見上げるとお洒落なおじさまの帽子に顔抜きパネルが!!!所々顔抜きパネルになっているので、お気に入りのところで撮影するのも楽しそう!
そしてこのおじさまは元々仕立屋さんだったそうで、かなりファッショナブル。

瀬戸内国際芸術祭 OKタワー

階段の壁面には「あなたにとってのOKって何ですか?」という質問にたいする答えが書かれた白いカードが貼られていました。
ふと見つけた「今日は一番のしあわせです。」というカード。この作品がこの島で生きる人の心を大きく動かしたことがわかります。
改めてアートの力の大きさを感じました。

瀬戸内国際芸術祭 OKタワー

OKタワー頂上からの眺め。鬼ヶ島征服したぞー!と言わんばかりの絶景です。
西浦で暮らす方は日々自分の顔が描かれたこのタワーを眺め、またタワーからも自分たちの暮らしを眺望できる。
アートと島の暮らしが共存していることを感じる作品でした。

瀬戸内国際芸術祭

ちなみに西浦には、バスで行くのがオススメ!こちらのレトロバスも実は「OKタワー」の作品の一つで、島の案内所「鬼ヶ島おにの館」から乗車できます。
今回紹介できなかった洞窟内など他にもまだ作品や観光スポットはあるので、1日ゆっくりとのんびり女木島で過ごしすのも良さそうです!
男木島への片道きっぷを買い、再び船へ。まだまだ島アート巡りは続きます!!

    瀬戸内国際芸術祭2016

    URL:http://setouchi-artfest.jp
    Facebook:https://www.facebook.com/ArtSetouchi
    Twitter:https://twitter.com/setouchi_art_jp
    Instagram:https://www.instagram.com/artsetouchi
    会期:(春)3/20〜4/17・(夏)7/18〜9/4・(秋)10/8〜11/6
    個別鑑賞券:300円〜2,060円(作品によって異なります)
    作品鑑賞パスポート:一般5,000円、高校生3,500円(中学生以下は無料)
    女木島作品鑑賞可能時間:9:00〜16:30

    <総合インフォメーションセンター>
    総合インフォメーション:087-813-2244 7:00〜20:00(会期外は9:00〜17:00)
    住所:760-0019 香川県高松市サンポート1番1号 高松港旅客ターミナルビル1F