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金工作家・川地あや香さんが生み出す「カワチ製菓」のおやつと、道具。
毎日食べたくなるお菓子と道具が、ここにありました。
こんにちは。シオリです。
今日は、金属工芸作家としてスプーンやお皿等を作りながら、「カワチ製菓」として遊び心溢れるお菓子を作り出すおやつ作家でもある、川地あや香さんをご紹介したいと思います。
川地さんは大学で金工を学び、東京で会社員として働いていた時期を経て、現在は山形県で活動されている作家さんです。川地さんの作り出すおやつと道具は、一目見ただけで心惹かれる素敵なものばかり!
今回、ご本人に伺ったお話も交えながら、その素敵な作品とおやつをご紹介していきたいと思います。
独特のデザインとフォルムが魅力の、温かみのある金工作品。
金属というと、直線的でどちらかというと冷たいイメージが浮かびますが、川地さんの作品は丸みのあるフォルムで、遊び心のあるモチーフや伸びやかな模様がとっても魅力的。その作品からは、温かさが感じられます。
もともと手仕事が好きだった川地さんは、大学の工芸科に入学されました。そこで金属の素材を触っているうちに「意外と自分にあっているかも」と思われたことから、金工を専攻したんだそう。その頃からすでにお菓子づくりも趣味だったので、「スプーンも作れるし、お菓子の道具も作れそう。」という考えもあったそうですが、この時点では今のようにおやつ作家としても活動することになるとは思ってもみなかったんだとか。
自分の好きなものや、「こんなの欲しいな」と思うものを製作しているうちに、自然とカトラリーや食の道具がメインになってきたとおっしゃる川地さんの作品は、確かに暮らしの中であったら素敵だなと思うものばかりです。
こんなお皿におやつを乗せたら、お茶の時間が楽しくなりそうですよね。
このような金工作品に取り組む時には、作りながら発展させていって、完成させることが多いという川地さん。
金属は光を反射するので、置かれる場所によっても様々な表情を見せてくれる素材。紙にスケッチした段階ではいまいちだったけど、真鍮板で変形させてみたら素敵だった、ということもあるそうなんです。
「かわいいけどあまり食卓への出番がなさすぎる形は作らないようにしている」という言葉からは、川地さんが生活を大切にされているということが伺えます。
製作されるときには、必ず自分でおやつや料理を乗せて、実際に使ってみるんだとか。モチーフがそのまま形になった“くま”の形のお皿や、落花生型のスプーンなどは、コーヒータイムで結構活躍するアイテムなんだそうですよ。
こんな素敵な金工作品を作られる川地さんは、学生時代から見た目にも楽しんでもらえるお菓子を作ることが好きだったこともあり、5年前に山形へ移住をされたときにお菓子の製造部屋を設けます。そこから販売用のお菓子を作れるようになり、「カワチ製菓」としてのお菓子作りが始まったのです。
日常で大切に食べたくなる、「カワチ製菓」の心惹かれるおやつたち。
「カワチ製菓」のおやつは、ちょっとした遊び心がプラスされた、誰かと一緒に食べたくなるようなお菓子ばかり。人気の「おやつちけっと」は、“おやつ”という焼き印が目を惹きます。チケットのように切れ目となる線が入っているので、ちぎって食べてみたいなぁとわくわくさせてくれますよね。
ベーシックなグラノーラは、“あ”の焼き印がポイントになったクッキー入り。こんな朝食が食卓にあったら、朝から笑顔になれそうです。
このような、他にはない遊び心あるお菓子のアイデアはどうやって生まれるのだろう?と思った私。その理由を伺うと、「誰かへのプレゼントを考える時」という答えが返ってきました。
誰かに贈ることを想像する時、何かちょっとだけ「おっ!」と思わせられないかな、と考えるときに閃いて、そこから商品になっていくことが多いんだとか。もちろんすべてが商品にまではならずに、実験を重ねてボツになってしまうものもたくさんあるんだそうですよ。
実は私も、カワチ製菓のお菓子と初めて出会ったのは、友人からのプレゼントでした。
その成り立ちの通り、川地さんのおやつは自分のためにだけでなく、友人や家族にプレゼントしたくなる、そんなお菓子なんですね。
お菓子と金工、両方があるからこそ生まれるもの。
独特の絵柄が印象的な、カワチ製菓のおやつに押された焼き印たち。もちろんこれも、金工作家である川地さんの手作りです。こんな風にランダムに紙に押されても、かわいいですね。
川地さんのお話を伺ったり、作り出すものを見たりしていると、金工作家とおやつ作家は、川地さんの中で全くバラバラでないことが分かります。金工作品とお菓子、一見それぞれ違う畑だと感じてしまう両方の活動は、川地さんの生活から自然と必要とされるという意味では、同じものなのかもしれないと感じました。
愛らしい女の子の形が人気のクッキーを作るときの“クッキー型”も、川地さんの手作り。作りたいお菓子を再現する時、道具から作ってしまうのは、川地さんだからこそ出来ることですね。
さて、最後に嬉しいお知らせを発表したいと思います。
川地さんのおやつや金工作品を、実際に手に取ることのできる機会となる個展が11/19(土)より中目黒デッサンで開催されます。
今回の展示は、山形に拠点を移されてから、より生活に絡めながら作品づくりをするようになったという川地さんご自身の、“本当に欲しいもの”として作られた作品とお菓子が並ぶそう。
ご覧の通りの可愛らしさから、見た目に注目されることが多いカワチ製菓のおやつですが、全粒粉+菜種油+てんさい糖がベースの素朴な味は、体にすっと馴染むような感覚になるような美味しさ。それは、川地さんご自身にとっても一番毎日食べたい味で、無いと困るお菓子なんだそう。
金工もおやつ制作も、「表現」としてではなく、「必要なもの」として作っているということに気付き、それを今回の展示タイトルにした、とのことです。どんな展示になるのか、今からとっても楽しみです!
最後に、この記事を読んでくださる読者のみなさんへ、川地さんからメッセージを頂きました!
金属の器は陶器などと比べて身近ではないかもしれませんが、軽くて丈夫で活躍しますし、色が落ち着いていくのも味わいがあります。お試しにちょうどいい、豆皿もいろいろご用意しています。ホームページの日記をまとめたZINEもあります。食まわりの道具あり、食器あり、おやつあり、と作品展というよりは、生活展、のような感じになるかもしれません。ぜひ、お気軽にお越し下さい。
豆皿や、ZINEまで…!これは、行くしかないですね。
会期の後半に少し追加もあるそうですが、お菓子は限定数なので早めに行くのがおすすめだそうですよ。私も早めに遊びに行きたいと思います~!
川地あや香/カワチ製菓展「必要なもの」
会期:2016年11月19日[土]→ 11月28日[月]
時間:12:00-20:00[火曜休み]
会場:デッサン | dessin
住所:東京都目黒区東山1-9-7-1F
TEL:03-3710-2310
※入場無料
※初日11/19は、開店から17時まではご本人在廊だそうですよ。
◆川地あや香/カワチ製菓
ホームページ:http://www.kawachiayaka.com/