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“織り”にこだわったネクタイ生地で、ものづくりができるお店「giraffe 吉祥寺店」
手芸好きにはたまならい、ネクタイとネクタイ生地のお店
こんにちは、箱庭の森です。
生地屋さんや毛糸屋さんなど、手芸店が多い街として知られる吉祥寺に、新しく手芸好きにたまらないお店「giraffe 吉祥寺店」がオープンしました。
このお店、ちょっと面白いのは、ふつうの生地屋さんではなく、ネクタイとネクタイ生地のお店というところ。
女性にとっては、男性へのギフトなど限られた機会でしか触れることのないネクタイの世界ですが、「giraffe 吉祥寺店」はネクタイ生地を使ってものづくりができるお店として、いままでにない新しいお店となっています。
今回は、giraffeのデザイナー中村さん(写真右)と、販促室長の須永さん(写真左)に伺ったお話もまじえながら、どんなお店なのかをご紹介していきます。
サラリーマンを元気にしたい。そんな想いからはじまった「giraffe」
既に知っているという方も多いかと思いますが、まずはgiraffeのご紹介を少し。
ネクタイ専門店として、「giraffe」は2006年に誕生しました。giraffeのネクタイは、無地やストライプ模様もあるけれど、遊び心があって、楽しいデザインが多め。個性的だけど、さり気ないというか、よくよく見るとハッ!とするデザインで、スーツにも取り入れやすいのが特徴です。
たとえば、2016AWのテーマは『GOOD MORNING!』。
水玉模様かと思ったら目玉焼きがあったり、ストライプかと思ったら歯磨き粉だったりと、「朝」にまつわるアイテムをネクタイで表現しています。このネクタイを身に着けていたら一日を楽しくスタートできそうだし、会話が広がったり、女子に褒められそう、という面白いデザインです。
「giraffeでは、ハッピーな気持ちになってもらうため、ネガティブなデザインはしないということを決めています。そのため、迷彩やドクロ柄はありません。迷彩と見せかけたゴルフ場デザインはありますけど(笑)。」とデザイナーの中村さん。
こういった背景には、オープン当初から変わらないgiraffeの「サラリーマンを元気にしたい」という想いがありました。私たちの生活や環境は、サラリーマンと呼ばれる人たちの仕事によって存在しているけれど、街で目にするサラリーマンは、なんだか元気がない。だから、自らの首をぎゅっと締め上げ、キリンのように高い視点で遠くを見つめられるように。そんな想いがgiraffeのネクタイには詰まっているんだそうです。
ふつうのネクタイ店とはちょっと違う!?布とミシンが並ぶお店
そんなgiraffeが新しい試みとして、今回オープンしたのがこの吉祥寺店です。
ネクタイの種類も豊富ですが、もう一方の壁にずらーっと並ぶ生地とミシンが、ふつうのネクタイ専門店とは全く異なりますよね。
「giraffeの生地は、ネクタイとして魅力的につくられているのはもちろんなんですけど、生地そのものの魅力も非常に高いんですね。たとえば、このロール状の生地を見て、まさかネクタイに使われている生地とは思わないですよね。他にはないこだわりのある生地なので、この生地を使ってものづくりを楽しんでもらったらどうだろうと思いました。」と、販促の須永さん。
ロール状の生地は、10cm単位で購入が可能。お店に設置してあるミシンは、生地を購入したお客様は自由に使えます。縫製アドバイザーが、実際に縫い方を教えてくれたり、様々な相談にも乗ってくれるそうです。今後吉祥寺店では、縫製の初心者でも気軽に参加できるワークショップも開催していくとのこと。
デザイナーのこだわりと熟練の職人技でできる、ネクタイ生地
では、実際にgiraffeの生地にはどんなこだわりがあるのでしょうか。生地を見せてもらいつつ、デザイナーの中村さんに話を聞きました。
「giraffeの生地は、いろいろなテクニックのものがあるんですけど、代表的なものは”織り”の生地です。giraffeを立ち上げる際に工場を探していたのですが、その時に京都・丹後の職人さんと出会ったのが、giraffeにとって非常に大きなターニングポイントだったと思います。」(デザイナー中村さん)
このデザインを織りで表現しているとは!これを織りで表現するって、相当難しそうですけど…。
(写真右が生地の表地、写真左が生地の裏地)
「そうなんです。giraffeの生地デザインは、織りで表現するには難しいものばかりです。生地を織るのに、紋紙という指示書のようなものが必要になってくるんですけど、私がつくったデザインを紋紙のデータに書き起こす職人さんの技術と、それを緻密に織ってくれる職人さんの技術があって、はじめてつくることができる生地です。なかなかネクタイの裏側を見る機会はないと思うんですが、この柄を出すのに、これだけの糸量があってつくられているとか…。ここでは、そういうところから興味を持ってもらえる場になると良いなと思います。」(デザイナー中村さん)
たしかに、すごい糸量です。
ネクタイとして活用するだけじゃなく、その生地、女性にも使わせて~と言いたくなる生地ですよね。それにしても可愛いですね、ビリヤード柄生地。
ネクタイのパッチ(はぎれ)を量り売り。コースターやバッヂづくりも
吉祥寺店では、ネクタイの製造過程で生まれるパッチ(はぎれ)を活用したコースターやバッヂ、ポーチなども販売されています。
私は全く知らなかったんですが、ネクタイは生地の方向に対して45°の角度で裁断してつくられるんだそうです。
「実は、ネクタイって単純なようで、結構技術がいるものなんです。生地は、布に対して45°の角度で裁断すると伸び縮みするんですけど、たて地やよこ地の地の目で裁断してしまうと伸びないんです。ネクタイは、結んできゅっと締めて使うので、この伸びが重要となり、締め心地につながるので、生地の方向に対して45°の角度で裁断するのが必要になってきます。」とデザイナー中村さん。
ネクタイに斜めストライプのデザインが多いのは、そういう経緯があったからなんだそうです。こういった話を聞くことができるのも、ネクタイとネクタイ生地のお店ならでは。
ネクタイのパッチは、これまでもバッヂやロゼットに使われていたそうですが、ネクタイの数だけパッチが出るということで、ここでは量り売りで購入することもできます。
パッチといえども、こだわりのあるネクタイ生地です。さまざまな種類のパッチ生地が置いてありますので、宝探しのようにお気に入りを見つけてもらえたらと思います。購入した生地で、お店でコースターやバッヂづくりもできます。
お店に飾られていたテディベアも、ネクタイのパッチだけでできたんだそうです。
これからクリスマスやバレンタインなどイベントごとが多い季節。
もちろんプレゼントとしてネクタイを選びに行くのもいいけれど、生地を探して、ものづくりができるお店なので、ぜひものづくりが好きな女性にふら~っと立ち寄ってもらいたいお店です。カフェスペースもありますよ。
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giraffe 吉祥寺店
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-18-8 KOMORIビル1F
営業時間:11:00-20:00
電話番号:0422-27-6337
URL:http://giraffe-tie.com/shop/kichijyoji