世界の布と雑貨のお店&JOURNEYのつくりかた vol.17|明るく閉店!?するための3つのステップ

苦しくも実店舗が閉店となってしまったけれど…
「閉店」という機会をチャンスに変えて、明るく閉店!

こんにちは!世界の布と雑貨のお店「&JOURNEY」店主の未希です。
2016年12月末、西荻窪の実店舗を閉店しました。1年弱という短い間でしたが、この場所でたくさんの方と出会い、応援していただき、本当にありがとうございました!

「起業する人の90%は5年以内に廃業する」
お店を始める前、幾人かの友人に相談したところ、そのうちの1人、仕事のできる元同僚の男性に言われました。わたしの場合はサンフランシスコに移住するためなので廃業ではないけれど、すみません…1年で店舗を閉めました。

結局1年で実店舗を閉めることになるなんて…
自分が一番ビックリです。

女性は結婚や出産などのライフプランもお仕事の仕方に大きく関わってきます。20代はがむしゃらに会社員デザイナーとして身を粉にして働いてきた私。アラサーになってふと立ち止まり、自分の身体の変化や身の回りの状況の変化に不安になって、モヤモヤしていた時期もありました。

とはいえ、ライフプランなんて考えてもそのとおりになるとは限らないのだから、今できること、やりたいことに対して素直に没頭して楽しむのが一番!と思いきって脱サラし、目の前のタイミングに飛びつき、お店をはじめたのが1年前。

それが、お店をはじめるころには予想もしていなかった流れで「 結婚 → 閉店 → アメリカ移住 」をすることとなりました。もちろん、実店舗については1年間積み重ねたことがもったいないな…と思うし、こんな「お店のつくりかた」は決してオススメできませんが…(苦笑)。短い期間でも一生モノだ~!と思える出会いや出来事たくさんあって、今後もオンラインショップなど、続けていけるものがあるのだから、開店も閉店も、全く後悔はありません。

さて話を本題に戻して…
開店のときのお話はこれまで書いてきましたが、お店を閉めることについても驚かれ、「閉店できるの!? どうするのこの場所!?」と、たくさんの方に聞かれたので、閉店の方法もこの機会にお話しておこうと思います。

1・2・3♫ 明るく「閉店」するための3つのステップ

そう、「閉店」…というちょっと後ろ向きなできごと…!
経営難や移転など、理由はそれぞれですが、なるべく在庫を減らすべく売りきらなければならないし、お店を閉めるその日まで明るく営業したいですよね。そしてなるべく金銭的にもマイナスなく閉めたいところ。

STEP1 次の借り手を探して「居抜き」売却!

STEP1 次の借り手を探して「居抜き」売却!

不動産との契約では、解約2ヶ月前に申告…となっていました。

わたしが店舗契約したときは、以前この店舗を借りていたモロッコ人店主が造作したままの状態だったため、特に新たな施工をせずに借りることができました。そのため不動産屋さんは、「仕入れ品などを残さずに出てくれればいいよ~」というゆるい感じでした。

借りたときの状態によっては「現状復帰」の契約で、「スケルトン」(店舗の内装や設備工事など、全く手を加えていない状態)に戻さなければいけないこともあるそうです。せっかく開店前にお金をかけてつくった内装&外装も現状復帰となると、それもまたお金がかかって大変です!私も閉店までに備品類を売ったり、処分したり…を考えるだけでも、こりゃ大変だ~!と焦りました。

しかし、閉店3ヶ月前くらいから、まわりのお店の人などに少しづつ相談していたところ、「居抜き」(前テナントが利用していた造作・設備・什器等がついたままの物件)で、店舗の引継ぎを検討したいという方もちらほら…!結局、棚や備品を一部そのまま次の方に売却できることになり、私が開店するときに買い取った居抜き分が戻ってきました。閉店するために全てを処分し、リサイクル業者を探したりするのも大変なので、まるごと店舗を気に入っていただいて譲れるのはありがたいことでした。新しくお店を始める方にとっても、一から店舗を施行するのは、お金も時間もかかることなので、お互いに嬉しいことでした!

こうしてこの店舗の異国情緒ある青い扉もまた次の方へと受け継がれていけそうです。
次の方のお店も、&JOURNEY時代の面影を残しつつ、どんなお店に変化していくのか楽しみですね!

STEP2 閉店SALEで売り切ろう!

STEP2 閉店SALEで売り切ろう!

実際やってみて気づきましたが…閉店SALEこそ重要な集客時期!

おかげさまで、最後だから…とやって来てくれた方がたくさんいらっしゃいました!お別れということもあり、いつもよりもじっくりご覧いただいて、来客数も滞在時間も売上も、実は最高の月となりました。お店を閉めてからもオンラインショップを続けるつもりでいたので、オンラインショップでは大きさや質感が伝わりにくい物やアンティーク品、シーズン物を中心に大幅に値下げし在庫を減らし、逆にネットで売りやすい写真映えする物や新商品は少しのお値下げで、残りやすく工夫してみました。

また、最後まで良い店だったと思ってもらえるように、手持ちの在庫を売り切っても、値下げできない良質商品や売れ残っても返却できる委託品も充実させておくこで、閉店日まで魅力的な商品がある状態を保つようにしておきました。今後カタチ変えてお店を続けていくうえでも、最後の印象って大事だな…と思いました。

STEP3 在庫の行く先は…?

STEP3 在庫の行く先は…?
&JOURNEYはオンラインショップを継続するので在庫を残しましたが、本当にまっさらに閉店しなければならない場合は、在庫の一括買取業者などを利用する手があります。しかし、それではほとんど利益が出ないそうなので、閉店SALEできれいに売りきることが一番いい方法のようです。

&JOURNEYの在庫はというと…
実家のある群馬県の姉の家の一部屋が在庫置き場となりました。オンラインショップの運営自体は私が引き続きコツコツ続けていきますが、発送作業だけ姉に託すことになっていますので、ご購入いただいた際の配送料も国内仕様ですのでご安心を。
お引っ越しの日は、家族総出で軽トラで荷物を運び出しました!商品の梱包作業や運び出し…在庫管理のための整理整頓…。実は、閉店作業は開店準備以上になかなかの労力と時間のかかる作業でしたが、家族や友人のたくさんの協力のもと、無事に済みました。

…それにしても、在庫を抱える小売業の大変さも身に染みた1年。
閉店後の展開次第でも在庫の処分方法は異なりますが、オンラインショップなどその後も売れる仕組みを考えながら、閉店SALEで売れる機会に、きれいに売り切ることが大切…!ですね。

1・2・3♫ 明るく閉店!?するための3つのステップまとめ

STEP1
次の借り手を探して「居抜き」売却!

STEP2
閉店SALEで売り切ろう!
全てを安く売り叩くのではなく、最後の印象も大切に。

STEP3
在庫はその後も売れる仕組みを考えながら、きれいに売り切ろう!

せっかく始めた実店舗、閉店さえも次へのステップに!

実店舗をもつというのは、経済的にも体力的にもとっても労力のいることです。けれど、実店舗でしかできない経験や出会い、楽しさが確実にあって、ここから始めることができて本当によかったなぁと思います。誰でも簡単にオンラインショップでお店持てるようになった昨今だからこそ、リアルな「場」の価値は絶対にあった…と強く思います。

&JOURNEYは今、固定の「場」を失って、これからまた別のやり方を模索していかなければなりませんが、ここで得たことは絶対に、今後の活動につながってくることでしょう。これからも買い付けや旅の様子、もっともっと素敵な手仕事や民芸、それをつくる遠くて近い世界中の人々の暮らし、想いまで…お届けできるように、そしてまた直接、再会できる場を持てるように、がんばります!

あらためて、西荻窪の実店舗で出会えた皆さま、
どうもありがとうございました!!
これからは、本当に旅する雑貨屋となって旅立つ&JOURNEYを
今後ともよろしくお願いします。

つづく

    &JOURNEY NEWS

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    『Snip!』は旅の本をつくる、
    Momoさん(編集)とSaoさん(デザイナー)のふたり組。

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    『Snip!』創刊号「Snip!ミャンマー少数民族が暮らす小さな村へ」とお二人の視点で選ばれる、他では手に入らない当店に相性ぴったりの雑貨を、今後も&JOURNEYにて継続的に販売していくことになりましたのでお楽しみに☆

    &JOURNEY

    「日々の暮らしに旅を」
    世界の布と雑貨のお店 “&JOURNEY” は世界各国の手仕事を巡る「旅」のエッセンスを集め、日常に取り入れられるようご紹介させていただくセレクトショップです。
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