弁天島

雪があるから出逢える景色や文化がある!冬の東北、岩手県西和賀町へ。

こんにちは、箱庭編集部です。

“雪の世界”と聞くと、凍える寒さを想像して、旅する気持ちを閉じ込めていませんか? その概念、覆しましょう!今回、私たちは以前ご紹介した岩手県西和賀町の『ユキノチカラツアー』に参加してきました。そこで出逢ったのは、雪の世界の美しさ、力強さ、あたたかさです。雪国・西和賀町から『ユキノチカラ』をあますことなくお伝えします。

幻想的で美しい、絵画のような世界が広がる西和賀町

雪景色
岩手県盛岡駅から約1時間。岩手と秋田の県境に位置する西和賀町は、北国・岩手県の中でも屈指の豪雪地帯とあって、見事なまでの雪景色。見える世界すべてが真っ白です。雪の世界って、写真で撮影すると絵画のように見えるんですね。どこを切り取っても絵になりますが、西和賀町に行くなら、絶対に訪れてほしい場所があります。

弁天島
およそ40mの川幅にポツンと浮かぶ小島。七福神の一神で両腕に琵琶を抱える弁財天をまつる厳島神社があることから、『弁天島』と呼ばれている島があります。神社は雪で覆われていて入ることができませんでしたが、赤い橋から見た川の雪景色が絶景として、地元民から愛されている場所なんです。

雪景色"
真っ白な世界に赤い橋。この橋から川を見てみると…

雪景色
小島や岩に雪がふわふわもこもこと積もっている景色に出逢えます。晴れている時も良いですが、こんな風に雪が降っている時は、降っている雪の水玉とマシュマロの競演が楽しめる絶景です。「雪国ってこんなに美しかったんだ。」そんな風に想わせてくれる景色です。

    ・弁天島
    住所:岩手県和賀郡西和賀町沢内字猿橋31地割内

雪の下で春を待つ自然に出逢える、スノートレッキング体験

スノートレッキング
雪国に行くなら体験したいのが、スノートレッキングですよね。ユキノチカラツアーでは雪国で昔から使われているカンジキを履き、森や雪原を歩きました。西和賀町雪国文化研究所と、自然観察を毎月開催している「カタクリの会」の地元をよく知るベテランガイドの方々による案内です。

カンジキ
カンジキを準備してもらえて、歩きながら自然を学べるので、はじめての人にもぜひ体験してもらいたいです。

スノートレッキング

スノートレッキング
トレッキングのコースは、スキーやスノーボードで入ることのない森の世界。

植物
雪に覆われた世界だと思っていても、植物は力強く生きていて、少しずつ春の準備をはじめています。

植物

植物

植物
植物の生命力をこんなにたくさん感じられるのも雪国だからかな。森の中で1時間ほど歩いた私たちを待ってくれていたのは、またしても絶景でした!

氷瀑
写真右下に案内人の姿が写っていますが、この迫力伝わりますでしょうか。
自然がつくり出した氷瀑は、息をのむ美しさです。2時間ほどのコースですが、東京では味わえない自然体験に、もうこんなに歩いていたんだ…!?と感じるトレッキングです。

西和賀町全体がスノーミュージアムに変わる日

西和賀町の魅力はまだまだ終わりません。西和賀町の真冬の風物詩といえば、町民みなさんが口をそろえて『雪あかり』と答えます。各家々の前に小さなミニかまくらを作ったり、地域の人たちが集まって雪像を作ったりと、西和賀町の6,000人の住民が総参加する1日限定イベントです。その数はなんと22,000灯にもなるんだそう。
雪あかり

雪あかり

雪あかり

雪あかり

雪あかり
雪と灯りがあたたかなイベントですが、なによりも町民みなさんがとても楽しんでつくりあげていること、そして見に来る人に喜んでもらいたいという町民のおもてなし心をたくさん感じるイベントでした。
町の人も「雪を使ったイベントは全国でも多いですが、これだけ地元の皆で作り上げているイベントは無いんじゃないかなと、誇りに感じているイベントです。」と話します。
実は、私たちも町民のみなさんに交じって、雪像づくりに参加させてもらいました。

雪像づくり

雪像づくり
完成したのは白くまの雪像。

雪像づくり
ちょっとマッチョになったけど、ご愛敬ということで(笑)。製作中はいろんな方が助けてくれたり、話してくれたり。このイベントが物語っていますが、本当にあたたかい町です。

雪国生活から生まれた手しごと『あけび蔓細工』

今回参加したツアーのプロジェクト『ユキノチカラ』は、豪雪地帯のウィークポイントを逆手にとって魅力に変える地域ブランドですが、この町では昔からマイナスに思われがちな雪をプラスへと変えていました。そのひとつが、手しごとの『あけび蔓細工』です。
あけび蔓細工
西和賀町のあけび蔓は雪のおかげで丈夫かつ、節が小さくて綺麗。

あけび蔓細工
春や夏は畑仕事などをしているおじいちゃんやおばあちゃんが、冬は若畑地区農家高齢者創作館という場所に集まって籠細工を製作しています。自分たちで採取してきたあけび蔓を、パーツによって様々な編み方をして繋ぎ合わせていき、編み上げの作業をはじめて3日ほどで1作品が完成するんだそうです。

あけび蔓細工
見学をすることも、購入することもできるということで、私たちもこの写真の籠をゲットしてきました。
あけび蔓の採集から編み上げるまで、すべて手作業のあけび蔓細工。一つひとつの作品から、森の恵みのあたたかさと、手作りのぬくもりを感じます。この籠を買うためだけでももう一度訪れたいくらい!

    ・若畑地区農家高齢者創作館
    住所:岩手県和賀郡西和賀町沢内字若畑11地割70-2
    お問い合わせ先:0197-85-5440

豊富な雪がもたらしてくれた、美味しい水と食

わらび
ここまで西和賀の魅力をたっぷりと伝えてきましたが、最後にご紹介するのは西和賀の食。西和賀には、豊富な雪がもたらしてくれた、美味しい水と食材があります。西和賀の特産品は、冬の厳しい環境の中育った山菜の『西わらび』。あくが少なく独特の粘りを持ち、とろっとした食感が特徴です。

そしてもう一つの名産品は、西わらび餅!

実は、わらび餅って山菜のわらびからつくられていたって知っていましたか?

名前はどちらも“ワラビ”ですが、わらび餅から山菜のワラビを想像する人は、少ないですよね。最近では、サツマイモ等のデンプンからつくられることが多いわらび餅ですが、もともとは山菜のワラビの根から採れるデンプンでつくられたんだそうです。

わらび餅

わらび餅

わらび餅
西和賀町にある『おかし処たかはし』の西わらび餅は、今でも昔の製法そのままに、西わらびからわずか5%だけ採れる貴重な本わらび粉「西わらびねっ粉」を使ってつくられます。口あたりがなめらかで、もちもちでぷるっぷるなんです!これまでのわらび餅の概念が覆されるほど、最高の味です。

『ユキノチカラ』では、わらび餅のように、西和賀町の自然が生み出した美味しい食をさらに発信していくため、西和賀町の食品メーカー6事業者と、盛岡に拠点を置き活躍する6人のデザイナーが協働した、商品も発売しています。

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今回、わらび餅づくりを実演してくれた『お菓子処たかはし』からも、西和賀のはちみつとそば粉を使った『金と銀のフィナンシェ』やほろ酔い気分のリラックスウィーツ『カクテルケーキ』が発売中です。(写真は『金と銀のフィナンシェ』)

景色から文化、食に至るまで、岩手県・西和賀町の魅力をたっぷりご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。西和賀町で築かれたモノ・コトには、「雪」という存在が大きくかかわっていますが、『ユキノチカラ』というのは、決して「雪」そのものではないということ。雪を資源・財産として何かを築こうとしたり、雪を楽しもうとする人の力であるということを感じました。
これからも西和賀町は、私たちに『ユキノチカラ』を教えてくれるに違いありません! みなさんもぜひ、ユキノチカラを感じに、西和賀に遊びにいってみてください。春はカタクリの花が美しいですよ。

イベント情報

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2017年新商品を含むユキノチカラ商品を、3月18日(土)19日(日)日本百貨店しょくひんかん(東京 秋葉原)にて販売されます。
西和賀から事業者の皆さんもやってきて、試食試飲の提供もあるそうです!ぜひ足を運んでみてください。
日本百貨店しょくひんかん
住所:東京都千代田区神田練塀町8-2 CHABARA(ちゃばら)内
営業時間:11:00~20:00
URL:http://syokuhinkan.nippon-dept.jp

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