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もがきながらも戦い、生きていくということ。映画『3月のライオン』
大人気コミックがついに映画化!
こんにちは。あいぽんです。
今日はこの春公開の映画「3月のライオン」を紹介したいと思います。「ハチミツとクローバー」の作者でおなじみの羽海野チカさんが2007年から連載しているコミックが原作の映画です。って、ここまではご存知の方も多いですよね。きっと。
私は「ハチミツとクローバー」のコミックが大好きすぎて、学生時代に制作に行き詰まったり(建築学科でした!行き詰まるところ含め竹本くんと一緒!)、恋に悩んだときに何度も何度も読み返したバイブル的マンガです。
そんなわけで、「3月のライオン」1巻からずっと買い集めていました。映画化の話を知ってからは、ドキドキワクワクソワソワ。だって、あの大好きな世界観がどうなるんだろうって…。期待と不安でグルグルしてました。
そしてついにその「3月のライオン」が2部作で完成したということで、一足お先に試写会に行ってきました!
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あらすじ
- 17歳の将棋のプロ棋士・桐山零と、彼をめぐる人々の終わりなき冒険の物語。
- 中学生でプロ棋士としてデビューした桐山零は、東京の下町にひとりで暮らしている。幼い頃に交通事故で両親と妹を失い、父の友人である棋士の幸田に引き取られたが、ある事情から幸田家を出るしかなかったからだ。深い孤独を抱えてすがりつくように将棋を指し続けていたある日、零は近隣の町に住む川本家の3姉妹と出会い、彼女たちとのにぎやかな食卓に居場所を見出していく。今、様々な人生を背負った棋士たちが、頭脳と肉体と精神の全てを賭けて挑む、想像を絶する戦いが零を待ち受ける!
将棋の緊張感、人のあたたかさ
あらすじからも分かるようにこの映画に将棋のシーンがたくさん登場します。私は正直将棋をほとんど知らないのですが、映画を見るとその迫力と緊張感に圧倒されます。一手一手コマを打つときの音、息遣い、思考や心がめまぐるしく動く様。それらが画面からビシビシと伝わってきて、見るこちら側も息をするのを忘れそうになるくらい。
もともと羽海野さんが佐々木蔵之介さんをモデルにしていたという島田役を演じる佐々木さん
なんでも、役者の皆さんは事前に将棋のレッスンを受けるだけでなく、棋士として対局の流れをすべて覚え、一手一手に意味があることを理解し、その上でそれぞれの役を演じていたのだとか。
将棋の緊張感から川本家に行くとほっこり優しい気持ちに。原作でいつも川本家のごはんおいそうだな〜と思って見ていたんですが、映画の中のごはんもおいしそう!部屋に置かれている小道具などめちゃめちゃリアル。この家はセットではなく、実際にある家なのだそう。羽海野さんも「マンガの中のあの家を現実に探し出してくれたんだ!」と驚き&感動していたそうです。
マンガの映画化だと思ったらとんでもない!
川本家のようにマンガを忠実に再現しているものもありますが、この映画のおもしろいところはマンガを忠実に映画化したところではないと思っています。
さきほどの対局時の息遣いや時間の流れをよりリアルに感じることができるのも映画だからこそ。さらにマンガとは違う視点のエピソードも盛りだくさんなんです。例えば、桐山が引き取られた先の家の長女・香子のエピソードやA級プロ棋士・後藤のエピソード。登場人物それぞれに抱えている想いや後悔、願いが丁寧に描かれています。
原作では桐山の内面がモノローグで綴られるシーンが多くあります。桐山のいろいろな葛藤や戦いがいつも胸をぐぎゅぎゅぎゅーと締め付けてくるんですよね。
映画ではモノローグもありながらも、桐山めっちゃ行動するんです。いろんな人に会いに行って、話して、ぶつかったり、和解したり。その中でもやっぱりもがいているんですけどね。
マンガでは内面を細かく理解することができ、映画では行動を知ることができます。このふたつの側面から桐山を知れたことで、戦うこと、生きること、何かと向き合うことがこんなにも壮絶なものだったのか!と、さらに痛感しました。
作者の羽海野チカさんも絶賛!
「もの凄い密度でした。私は漫画を描くときに密度を濃く描くことで(本を)ずっと手元に置いてもらえるのではないかと心がけていますが、映画も本当に密度が濃かった。それがとても嬉しかったです。たとえば川本家の食卓シーンは、料理・洋服・家具・そしてみんなの表情……ワンシーンのなかにもの凄い情報が入っていて、何度も観たくなります。気づくと作品の世界に引き込まれている…そういう力がこの映画にはありました。
大友監督は本当に凄い、大友さんが監督を引き受けてくださって良かったと心から思いました。また監督が『桐山零を見ていて、自分がこの仕事をすると決めて一本立ちをしたときのことを思い出しました』とおっしゃってくれたことも嬉しかったです」とは原作者の羽海野さんの言葉。
マンガと映画のそれぞれの手法でもって、濃い密度で描かれている「3月のライオン」。もともとマンガのファンでしたが、映画を観てますます「3月のライオン」の世界に引き込まれ、大好きになり、そして強さや優しさの意味を教えてもらったような気がします。マンガと映画のこんな素敵な関係ってあるんですね!
毎日もがきながらも生きていくすべての人に強さと優しさを教えてくれる結末は必見。もちろん、マンガ未見の方も楽しめますよ!
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映画『3月のライオン』
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- 【前編】3月18日(土) 【後編】4月22日(土)
- 2部作連続・全国ロードショー
- ©2017映画「3月のライオン」製作委員会
- 監督:大友啓史
- 原作:羽海野チカ「3月のライオン」(白泉社刊・ヤングアニマル連載)
- 脚本:岩下悠子、渡部亮平、大友啓史
- 音楽:菅野祐悟
- 出演:神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、清原果耶、佐々木蔵之介、加瀬 亮、伊勢谷友介、前田 吟、高橋一生、岩松 了、斉木しげる、中村倫也、尾上寛之、奥野瑛太、甲本雅裕、新津ちせ、板谷由夏
- 伊藤英明/豊川悦司
- 製作:『3月のライオン』製作委員会
- 制作プロダクション:アスミック・エース、ROBOT
- 配給:東宝=アスミック・エース
- 公式サイト:http://3lion-movie.com