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週末読みたい本『進化する!地域の注目デザイナーたち』
地域で活躍するデザイナー約120名と
地域の最新トレンドがわかるポートフォリオ集
こんにちは。Keinaです。
最近、個人的にも気になっている地域に関わるデザイン。住む場所や働き方も、少し前から比べると、ずいぶんと選択枠が広がり、デザイナーも様々な場所で活躍する方が増えましたね。そのおかげか、地域の魅力を伝えるデザインを目にする機会も増えましたね。
旅先で見かけたあのロゴタイプは誰が作ったんだろう?、旅行のおみやげでもらったあのパッケージは誰が作っているの?とても気になっていたけれど、じっくり調べても見つからないなーと思っていたときに見つけたのが、『進化する!地域の注目デザイナーたち』です。
今、全国各地で地域の特色をいかした取組みが行われています。それに伴い、地域に関わるデザインを全国に発信するデザイナーの存在感は増しています。本書では北海道から沖縄まで、その地域で活躍するデザイナー約120名の代表的な仕事と連絡先を紹介します。デザイナー個人、デザイン事務所の所在地により、北海道・東北地方、関東・甲信越、北陸・東海、近畿、四国・中国、九州・沖縄と、地域ごとに掲載しています。
さっそくどんな内容なのか、チェックしてみましょう。
北海道・東北地方
写真提供:パイ インターナショナル
ゲンマ マコト
デザイン事務所カギカッコ
http://cagicacco.jp/
PROFILE
アートディレクター/グラフィックデザイナー。1974年福岡県生まれ。デザイン事務所カギカッコ代表。北海道旭川市在住。ここ数年は地方→中央のための仕事が主です。商品開発からパッケージ、販路開拓まで、クライアントといっしょになってつくっています。フットワークかる~く、どこへでも行っちゃいます。あと、カレー好き。
なんと、商品開発から販路開拓まで、一緒になってつくっているという頼もしいデザイナーさんです。さすがカレー好きというだけあって、カレーのパッケージデザインも手がけていらっしゃいますね。
野村ソウ
STUDIO WONDER
http://studiowonder.info/
PROFILE
1982年札幌生まれ。スタジオワンダー代表アートディレクター/グラフィックデザイナー。札幌ADCグランプリ、準グランプリ、新人賞、松永真賞、岡田善敬賞。CIPB銅賞。JAGDA入選、TDC入選。
色数を抑え、男らしく、潔いデザインがかっこいいですね。STUDIO WONDERのInstagramやfacebookページでも作品がチェックできますよ。
メアラシ ケンイチ
APRIL
http://april-cr.com/
PROFILE
おもしろいことを作り続けたら、世の中はちょっとハッピーになる。そんな青臭いことを信じて、僕らはきょうも仕事をしています。社名のエイプリルは、待ち遠しい春の陽や新しい季節の期待感から。おもしろくしたいこと、お困りのことがあるときに、思い出していただけますように。
以前、右ページ中央の「サムライ煎兵衛」のロゴをどこかで見かけたことがあり、おもしろいデザインだなと思っていたら、おもしろいことが得意な方のようですね。WEBサイトのコンセプトページの言葉からも優しいお人柄を感じます。
石川竜太
フレーム
http://frame-d.jp/
PROFILE
1976年生まれ。株式会社フレーム代表。ブランディング、C.I・V.I計画、パッケージデザインなどを多く手がける。JAGDA賞、日本パッケージデザイン大賞銅賞、日本タイポグラフィ年鑑グランプリなど受賞。JAGDA会員、JPDA会員。
ダイナミックな形の月岡温泉摩周のVI、新潟の漆器のポスターやパッケージなど、ググッと目を惹くデザインが印象的です。
笹目亮太郎
トランク
http://trunk-inc.jp/
PROFILE
2014年設立。代表:笹目亮太郎。1971年生まれ/アートディレクター・グラフィックデザイナー/社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)会員。「きく かんがえる つくる つたえる」というポリシーのもと、企画立案、グラフィックデザイン、webデザイン、空間デザイン、商品開発などの分野で活動しています。
WEB上で偶然見つけて、いいなと思っていたto_ dining & daily goodthingsのロゴやDMを本書で見つけ、笹目さんがつくっていることを知りました。茨城県笠間市にあるグラフィックデザイン事務所TRUNKのInstagramやFacebookページ、BLOGでの発信もおもしろいですよ。
北陸・東海地方
一二明子
forêt communicative
PROFILE
商品開発・ブランディングを中心に、ブックデザインも多数手がけています。クライアントと共に考え作っていくプロセスを大切に、作り手の思いが伝わるデザインを目指しています。JAGDA会員・金沢ADC会員、専門学校非常勤講師。また石川の女性グラフィックデザイナー集団「金澤女子店舗」のメンバーとしても活躍中。
左ページ左下の柴舟小出の「らいのとり」「くるみさん」のお菓子パッケージが素敵です。お店で見つけたら、手に取りたくなるデザインです。
羽田 純
PROFILE
1984年大阪出身。大学卒業後、芸文ギャラリーのキュレーションを8年間担当。富山県を拠点に、地元職人団体や醤油会社・書店・老舗の商店街ほか、団体や商店、企業の広告や商品開発、映像やイベント企画など、業態やジャンルを問わず、そこで今起こっている「活動」の魅力をデザインしている。2015年、富山県高岡市に事務所「ROLE(ロール)」を立ち上げる。JAGDA、TOYAMA ADC、高岡伝統産業青年会会員。
右ページ右上の富山県を感じさせる「かまぼこ大學」のポスターデザインが好きです。イラストを大きく配置しているデザインは、まるで絵本や書籍のデザインのようで物語が続いていくような印象もあり、引き込まれてしまいました。
近畿地方
UMA / design farm
PROFILE
2007年、原田祐馬により設立。大阪を拠点に文化や福祉、地域に関わるプロジェクトを中心に、グラフィック、空間、展覧会や企画開発などを通して、理念を可視化し新しい体験をつくりだすことを目指している。「共に考え、共につくる」を大切に、対話と実験を繰り返すデザインを実践。現在のメンバーは、原田祐馬、山副佳祐、西野亮介、津田祐果、平川かな江の5人。
以前、箱庭で紹介させていただいた「KYOTO ART HOSTEL kumagusuku」、「HOSTEL 64 Osaka」「HOTEL ANTEROOM KYOTO」のロゴや「CMY(シミィ)/POT」のデザインを担当していたのがUMA / design farmさん。何かと目にする機会も多い、すきなデザイナーです。
先崎哲進
PROFILE
佐賀県唐津市生まれ。九州芸術工科大学卒業。2009年「テツシンデザインオフィス」設立。2015年「工房まる」など5社共同で社会と福祉の出会い直しをコンセプトに「株式会社ふくしごと」を設立。福岡・九州をベースに活動中。
左ページ下の「伊都安蔵里」「KANAZAWA BIO」のロゴやパッケージデザインが素敵です。また、福祉や保育園などに関わるデザインも手がけているので、とても勉強になります。
DEJIMAGRAPH
PROFILE
主宰/羽山潤一。1977年生まれ。長崎県諫早市出身。印刷会社、デザイン事務所を経て、2011年DEJIMAGRAPHを設立。デザインだけでなく、プランディングや売る仕組みづくりから関わる案件を得意とする。
地方にこそアイデアやデザインを待つ「魅力あるもの」があふれていると感じている、長崎県長崎市のデザイン事務所DEJIMAGRAPH。右ページ上の波佐見焼展「あいもこいも」、加加阿伝来所 OPEN 告知フライヤーのデザインが目を惹きます。
DEJIMAGRAPHの羽山さんは、本書のカバーデザインも担当しています。
金の箔押しの色が観る角度によって変化するので、本屋さんでも目立ちそうですね!
連絡先はもちろん、主に手掛けている制作物の種類にチェックが入っているので、発注したいときに役立ちます。広告、地方自治体の関係者の方々や広告、パッケージ制作に携わるグラフィックデザイナーの方が、現在の地域デザインのトレンドを知る手がかりとして、とても役立つ1冊です。
東京のデザイナーを知っていても、意外と地域の注目デザイナーは知らなかったりします。これを機に気になった方のSNSをフォローして、他にどんなお仕事を手掛けているか、どんな日々を過ごしているのか、チェックしてみたいと思います。本当にいいデザイナーさん揃いで、見ていて刺激をたくさんもらいました!今後も地域の注目デザイナーたちから目が離せませんね。ぜひ、あなたも手に取ってご覧ください。

『進化する!地域の注目デザイナーたち』
地域の最新トレンドがわかるデザイナー・ポートフォリオ
今、全国各地で地域の特色をいかした取組みが行われています。それに伴い、地域に関わるデザインを全国に発信するデザイナーの存在感は増しています。本書では北海道から沖縄まで、その地域で活躍するデザイナー約120名の代表的な仕事と連絡先を紹介します。
編著:パイ インターナショナル
仕様:B5判(257×182mm)
ページ数:240 Pages(Full Color)
装丁:ソフトカバー
ISBN:978-4-7562-4856-5 C3070
発売元 パイ インターナショナル
定価 (本体5,800円+税)