作家が暮らしながら、展示できるギャラリー「ondo STAY&EXHIBITION」

清澄白河にある、山小屋のような滞在型ギャラリー

こんにちは。Keinaです。
本日は、2017年4月に清澄白河にオープンしたばかりのギャラリーをご紹介したいと思います。
「ondo STAY&EXHIBITION」は、東京・清澄白河にある、作家が暮らしながら、展示できるギャラリーです。東京・大阪で展開するデザイン会社 G_GRAPHICS INC.が、「もっと日常的に。もっと自然体で。いいものをいい。と言えるシンプルな価値観を大切に、地方、東京、海外をフラットにつなげていこう」という想いで、 企画・運営しています。ギャラリーは、東京の他にも大阪にondo tosabori、かもめブックスさんの企画運営で、神楽坂にondo kagurazakaがあります。

東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄大江戸線「清澄白河駅」A3番出口から歩いて5分のところに ondo STAY&EXHIBITIONがあります。白い立て看板が目印です。
東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄大江戸線「清澄白河駅」A3番出口から歩いて5分のところに ondo STAY&EXHIBITIONがあります。白い立て看板が目印です。

ギャラリーは入口を入って2階にあります。なんだか懐かしい気分になる、いい佇まい。
ギャラリーは入口を入って2階にあります。なんだか懐かしい気分になる、いい佇まい。

白いブロックの上を歩いて入口へ進みます。
白いブロックの上を歩いて入口へ進みます。

小さな真鍮のサインが素敵。
小さな真鍮のサインが素敵。

階段をのぼると作品がお出迎え。
階段をのぼると作品がお出迎え。

窓から自然光が入る、気持ちのいいギャラリーです。
窓から自然光が入る、気持ちのいいギャラリーです。

入ってすぐ右には、ondoが企画・販売するアイテムを販売するSHOPスペースがあります。
入ってすぐ右には、ondoが企画・販売するアイテムを販売するSHOPスペースがあります。ondo のテキスタイルブランド「ARTS&TEXTILES」は、箱庭5周年記念イベント「アナログとデジタル祭」のマーケットにも出展していただきました。

ギャラリー右奥には、G_GRAPHICS INC.の事務所スペースもあります。奥にある大きな山の絵は、ギャラリーのこけら落とし展示をしたdannyさんの作品。
ギャラリー右奥には、G_GRAPHICS INC.の事務所スペースもあります。奥にある大きな山の絵は、ギャラリーのこけら落とし展示をしたdannyさんの作品。

上を見上げると梯子がありました。この屋根裏のスペースに展示をする作家さんが寝泊りできるんですって!寝袋やシャワールームもあって、なんだか山小屋感がありますね。
上を見上げると梯子がありました。この屋根裏のスペースに展示をする作家さんが寝泊りできるんですって!寝袋やシャワールームもあって、なんだか山小屋感がありますね。

今回展示しているのは、大阪を拠点に活動する木彫作家・北浦和也さん。
今回展示しているのは、大阪を拠点に活動する木彫作家・北浦和也さん。主に木を用い、木の彫跡の無骨さと共存するポップな色彩、ユーモアに富んだ独自のモチーフが、見る人を思わず微笑まずにはいられないキボリ作品を制作しています。ondo注目の作家さんで、東京のギャラリーではなんと初個展とのこと。今回は、新作旧作と合わせてズラリ30点ほど木彫作品が展示されています。

北浦さんとondo STAY&EXHIBITIONスタッフの橋本さんお話を聞いてきました。

― 今まで展示したところに泊まったことはありますか?
北浦和也さん(以下、北浦さん):展示してるところに泊まるのは初めてですね。

― 夜は、思い思いに過ごしているんですか?
北浦さん:夜に誰もいなくなってから梯子にのぼって、上から自分の作品を眺めていました。

ondo STAY&EXHIBITION 橋本さん(以下、ondo):なかなか自分の作品に囲まれて夜を過ごすことはないですよね。滞在制作とはまた違いますよね。

北浦さん:展示もして管理もしている感じです(笑)

ondo:北浦さんは今回お一人で展示ですが、前回の「えがく展」は、グループ展だったので、事務所スペースに4人くらい座って、展示中のちょっと時間のあるときに絵を描き始めて、作家さん同士で「普段は何を思いながら描いてますか?」「画材は何使ってますか?」など、作家同士ならではの話をしていて、ギャラリーの持つ空気感もあってか、なかなかそんな場所ないんじゃないかと思っています。

― なにげない会話も自然とできるいい環境ですね。
ondo:そうですね!

北浦さん:しかも、作っている姿を他の作家に見せるわけじゃないですか、どんな風に描いているか見れるのは楽しそうですね~!

― ここで寝泊りしているから、ギャラリーなのに自分の場所というか部屋のようになっている状態で、いろんな人と自然に触れ合えるのがいいですね。
ondo:そうですね。展示中に4日間くらい一緒にいると、少し家族みたいな気持ちになりますね。次もがんばりましょうね!みたいに最後展示が終わるという感じですね。

― 展示は今回で何回目ですか?
ondo:今回で5回目です。その間に泊まった作家さんは、関西から来た人はほとんど泊まっていますね。地方の作家が、東京で展示することって、交通費や滞在費など含め、やはりハードルが高いのもあるのでしょうね。

北浦さん:嬉しいですよね。泊まる先が確保されているのは。

― 展示中に家族のようになった方たちが、またここに戻ってきて展示できるといいですね。
ondo:そうですね!ここを拠点に、それぞれが東京の街や人との関係性を築いていってもらいたいと考えています。

北浦さん:普段は展示空間を1日中見れる時間ってなかなかないので、ギャラリーが閉まってからも寝ながら見れるという経験はとても不思議ですよ。

― ギャラリーの中で暮らすことで、展示する側もいつもと違って新鮮な気持ちになれますね。
ondo:そうですね。みなさん、そういうことを言ってくれますね。

北浦さん:ここは展示方法をゆっくり考えられるのもいいですよ。

ondo:半日くらいかけて搬入・設営して、その後食事に行ったり、次の日の朝も展示準備して展示がスタートするという感じなので、一緒になって作り上げていく感じがありますね。そういえば、今回は、棚をつけるために、そこにある壁を一部はがしましたね。

― 展示のために壁をはがしたんですか!? どこまで展示方法をOKとしてるんですか?
ondo:展示終了後に壁は戻しますが、展示方法はあまり決めてないんです。作家さんの作品が一番よく見えるような方法を選んでいきたいと思っています。今回ハシゴの途中に棚を作ったのも初めてです。北浦さんは関西の作家さんなので、東京に来るまでにも色々な話をしてきてるので、展示の時もどういう風にしたいですか?という話をしながらつくっています。

― 作家さんにとって、一緒になってつくってくれるのはとても心強いですね!
北浦さん:そうですね。

― 東京の作家さんが大阪に行くときはどうしてるんですか?
ondo:大阪は泊まるとこないですね…。でもある作家さんは、ギャラリーの床で寝ていましたね(笑)東京の展示が好評で、大阪のギャラリーでもやってほしいというときは、宿の話になると1 週間滞在制作したらけっこう大変ですよね。そんな時、東京のondo STAY&EXHIBITIONなら宿の心配もないですよ。大阪ではいい宿が紹介できたらいいですねー。

北浦さん:いいところ知っていますよ。

ondo:あとで教えてください(笑)

― こちらで展示してみたいです!という方はどうすればいいんですか?
ondo:このギャラリーは、ondoの企画展示のみで、貸しギャラリーはやっていないんです。展示したい方は、ondoで作品を見せていただいて、一緒にやっていきたいという方に展示のお話しをしています。海外の作家さんは、ondoからスカウトすることもあります。海外の作家さんが展示する場合は、東京では宿泊込みで展示もできて、大阪にはギャラリーがあるので、ロングステイで巡回してもらうこともできますね。そして展示するからには作品を売ってあげたいですね。

― 大阪のondo tosaboriと東京のondo STAY&EXHIBITIONで巡回する方もいるんですか?
ondo:いま大阪で展示している巻田はるかさんは、東京でも展示しますね。この次展示する方もそうですね。こんな風に、地方、東京、海外が日常的にフラットにつながっていけるような場所になれると、とても嬉しいです。

北浦さんのユーモアに富んだ作品の数々は、日々見てきたものなどをインプットし、その中で記憶に残っているおもしろいものだけを作品としてアウトプットしているそうです。こちらの作品は、人物の頭の中にある思考が形となり頭上に出てきたというイメージなんですって。
北浦さんのユーモアに富んだ作品の数々は、日々見てきたものなどをインプットし、その中で記憶に残っているおもしろいものだけを作品としてアウトプットしているそうです。こちらの作品は、人物の頭の中にある思考が形となり頭上に出てきたというイメージなんですって。

話している中で驚いたことがありました。北浦さんの作品に使う木は、すべて1本の木から削りだしていて、材料となる木は作品をつくるために切られた木ではなく、不要になった木を譲りうけたり、造園の仕事で切られた木があった時は連絡くださいと声をかけておき、木をリユースして木彫作品を作っているそうです。
話している中で驚いたことがありました。北浦さんの作品に使う木は、すべて1本の木から削りだしていて、材料となる木は作品をつくるために切られた木ではなく、不要になった木を譲りうけたり、造園の仕事で切られた木があった時は連絡くださいと声をかけておき、木をリユースして木彫作品を作っているそうです。だからときどき、古道具のツルハシの柄の部分を削ったり、木彫にはあまり向かないような固い木を削ることもあるんだとか。だから、大きい作品から、とても小さい作品まであるんですね。材料の選び方やこだわりに驚き、さらに作品が愛らしく輝いて見えました。展示中に作家さんに話しかけてみると、こんな風に裏話が聞けてとてもおもしろいですよ。

わたしの一番お気に入りの作品は、鹿の角でダンスする「Let's dance」。見事なバランス!
わたしの一番お気に入りの作品は、鹿の角でダンスする「Let’s dance」。見事なバランス!

お相撲さんのブローチもナイスです。
お相撲さんのブローチもナイスです。

ひとつひとつの作品にニヤリとしてしまいました。
ひとつひとつの作品にニヤリとしてしまいました。

ondo STAY&EXHIBITIONのフライヤーは、告知物のサイズ&形状を統一し、ファイリングしていくことでondoセレクトのイラストレーター&作家ブックとしての役割も持たせているそうです。
ondo STAY&EXHIBITIONのフライヤーは、告知物のサイズ&形状を統一し、ファイリングしていくことでondoセレクトのイラストレーター&作家ブックとしての役割も持たせているそうです。

ギャラリーのオープン時に送っていただいたフライヤーにリングファイルがついてきたので、毎回フライヤーが送られてくるたびに、そこに集めて保管するのが楽しみです。
ギャラリーのオープン時に送っていただいたフライヤーにリングファイルがついてきたので、毎回フライヤーが送られてくるたびに、そこに集めて保管するのが楽しみです。ファイルを持っていない方でも市販のリングファイルが使用可能です。集めたくなるフライヤーデザインもナイスアイデア!

「ondo STAY&EXHIBITION」を通して、場所や距離にとらわれずに作家さんが活躍できるようになることは素晴らしい取り組みですね!今後の展示や作家さんとの出会いも楽しみです。北浦和也さんの展示期間は残り僅かですが、ぜひ遊びに行ってみてください。

    ondo STAY&EXHIBITION

    〒135-0024 東京都 江東区清澄2-6-12
    TEL:03-6240-3673 FAX:03-6240-3674
    12:00 – 19:00
    CLOSE 月・火休
    東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄大江戸線「清澄白河駅」A3番出口から徒歩5分
    [web]http://ondo-info.net/
    [online store]http://store.ondo-info.net/
    Twitter @stay_exhibition
    facebook @ondogallery
    Instagram @stay_exhibition

    今後の展示
    ●6.29-7.9  田中 紗樹 個展「光の寝床」
    ●7.13-7.23 巻田はるか個展「月日」

    北浦和也個展「good things」

    展示期間:2017 年6 月15 日(木)~25 日(日) 12:00 – 19:00(※最終日18:00まで)
    入場料:無料
    大阪を拠点に活動する、木彫作家・北浦和也の展示を開催いたします。本展は「good things」と題し、人物の思考を、動物にて表現する最新シリーズを中心に、過去作含め、約30点を展示いたします。木彫作品の発表を軸に、イベントなどの出店、最近ではイラストレーションへの展開など活動の幅を広げる注目の作家です。今回が、東京初個展となります。みなさま、ぜひご高覧ください。

    「似顔絵キボリ」WORK SHOP
    6/24[sat] 12:00-19:00
    「似顔絵キボリ」WORK SHOP
    木にあなたの似顔絵を彫ります。(事前予約優先)12:00~17:00にお越しいただき、簡単に写真を撮影し、それを元に先着順で彫って行きます。当日お渡しできない場合は、後日発送となります。(送料別)
    お一人様¥4,000(税別)※所要時間は1体あたりおよそ40分
    [事前予約]
    hashimoto@g-graphics.net(担当:橋本)まで、以下の内容をお送りください。
    追ってご返信させていただきます。
    〇お名前
    〇ご連絡先(電話番号)
    〇希望個数
    ※先着順となりますので、ご希望に添えない場合はご了承ください
    ※予約受付は1日10個まで(1人2個まで)
    ※当日受付もいたしますので、受付までお問い合わせください。

    北浦和也

    木彫作家。1983年大阪生まれ。大阪在住。主に木を用い、木の彫跡の無骨さと共存するポップな色彩、ユーモアに富んだ独自のモチーフが、見る人を思わず微笑まずにはいられないキボリ作品を制作しています。
    URL kazdose.com