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週末読みたい本『多肉植物生活のすすめ』
アートな多肉植物と一緒に暮らしてみよう。
こんにちは。植物好きのKeinaです。
今週の週末読みたい本は、『多肉植物生活のすすめ』です。こちらは、グリーンデザイナーユニット、TOKIIRO(トキイロ)による、多肉植物のアレンジや愉しみ方などを紹介する本です。
(写真提供:主婦と生活社)
わたしは植物が好きで、いままで何度か多肉植物を育てたことはあるけれど、茎がや葉が伸びてしまったあと、どうしていいのかイマイチ分からず、そのうち気づいたら枯れてしまった…なんてことがありました。そろそろ多肉植物生活にリベンジしたいなと思っていたところに、著者のTOKIIROさんが箱庭5周年記念イベントに出展してくれることになり、新しい本が発売したことを教えてもらいました。さっそく手に入れ、読みはじめてみると、多肉植物の知りたかったことがたくさん見つかり、目からウロコでした。
本書は、多肉植物の魅力には気づいているけれど、何度か育てて失敗してしまったり、育て方がよく分からない…という方におすすめしたい多肉のアイデアやヒントが詰まった1冊です。さっそくどんな内容なのか、チェックしてみましょう。
Chapter 1
器の中にある小さな宇宙
―コンテナに植える―
基本の道具/コンテナの作り方/手のひらサイズの小さなアレンジ/多肉植物の花たち……
まずは、多肉植物をアレンジする際に必要な基本の道具から丁寧に説明してくれます。 基本の道具を見ても、そんなに難しくなさそうな印象です。これならはじめての方でもチャレンジできそうですね。基本の作り方、穴のない器への植え方など、写真付きで説明があり、とても分かりやすいです。
基本の道具
01 網 / 02 器 / 03 ハサミ / 04 ピンセット / 05 へら / 06 ワイヤー / 07 スコップ / 08 土
基本の作り方で完成したアレンジがこちら!
手のひらサイズの小さなアレンジ
TOKIIROが提案する多肉植物のアレンジは、小さくて親しみやすいのが特徴です。そしてさらに、テーマを決めて、イメージをふくらませていること。キャンバスに向かって絵を描くとき、何をどんなふうに描きたいか、頭に描いてから描きはじめるのと同じです。テーマがあると、もっともっとアレンジが楽しくなります。
多肉植物アレンジの作例は、自分でつくるときの参考になりますね。しかもTOKIIROさんのアレンジは、ただのアレンジではなく、季節によって変化する多肉植物を選んでいるため、つくっておしまいではなく、季節とともに変化していく姿が楽しめるアレンジなんですよ。
赤い影をもつマチ
訪れる季節に影色を変えるマチ。今は赤影。それは深い冬の日の影。春を待つ冬ではなく冬を楽しんでいるような。そんなマチをイメージしてみました。夏になると緑影のマチに様を変えます。
いのち、受け継がれるもの
多肉植物の生きる力には本当に驚かされます。こぼれ落ちた葉から根を出す。枯れたと思った茎から、新芽を出す……。つなぐ命の尊さを多肉植物から学びました。
その場で育つ多肉たち
「多肉植物」と聞くと、まずこの種類を想像する方も多いのではないでしょうか。こちらの種類は、その場で育つ多肉たちで、TOKIIROがよく使う普遍種で、ロゼット状に葉が広がっていて美しく、なんだか花びらが開いているようにも見えますよね。左から白牡丹(しろぼたん)、七福神(しちふくじん)、ピーコッキープリンセスパール、パウダーブルーで、写真の上は成長したもの、下は子どもなんですって。この他にもいろんな種類の特性があり、上に伸びる多肉植物、広がるものたちなどもあるんですって。
計り知れない、生命力
新芽を出す際、下側の古い葉っぱが枯れてしまうことがある。これは失敗ではないのでお間違いなく。新芽が成長するための水分を、古い葉が供給して起こる現象。葉っぱの世代交代。
落ちた葉から新芽を出す方法も紹介されています。土の上に置くまでは知っていても、そのあとどうするのか、意外と知らないですよね。
Chapter 2
壁を彩る生きているオブジェ
―リース&タブローを作る―
リース/基本の道具/リースの作り方/エアプランツを使ったリース/タブロー/タブローの基本の道具と作り方
多肉植物のリースはTOKIIROの原点です。はじめて作ったリースに導かれ、多肉を一生の生業にすることになりました。つまり、この出会いがなければ、TOKIIROは生まれなかったことでしょう。そんな大切なリースですから、みなさんにもぜひ作っていただきたいのです。TOKIIROが提案するのは“生きているリース”。季節の移ろいを感じて、時とともに緑から赤へ、赤から緑へと変化するのは、多肉のリースならでは。生きているからなせる、特別なことです。1年を通して愉しんでください。
リースには、「花の輪」という意味のほかに、「永遠、不滅」という意味があるのをご存知ですか?そのような目で見ると、丸く整った形には終わりがなく、いつまでもつながる幸せが宿っているように思います。それを多肉植物で作りましょう。季節によって、緑だったり、紅葉したり、永遠の季節のつながりを、そこから感じていただけますように。
Chapter 3
空に浮かぶ希望のかたち
―ハンギングに植える―
器の中を飛び出して、空に浮いている多肉のかたちがハンギングです。
ハンギングに使いたい多肉たち
キク科のグリーンネックレスやルビーネックレスなどが垂れるものの代表です。ハンギングの場合、器の中をじっくりのぞくのでなく、器から飛び出した世界を愉しむことが特徴。それを表現するために、ぜひ使いたいものです。これ以外のものは、実はたれるようにあえてつくられた株です。年月をかけて大切にしてきた賜物、農家さんへの敬意を感じないではいられません。
ハンギングと1章のコンテナの違いは、吊るすか置くか。多肉のアレンジ方法は、基本同じです。そのため、ハンギングの章では、吊るす器を準備することがポイントになります。吊るし方は2とおり。天井から引っ掛けて吊るすタイプと、壁に引っ掛けるタイプ。それぞれの方法をお伝えしましょう。
Chapter 4
多肉植物と上手に暮らしを愉しむために…
“いままで多肉植物のアレンジをいろいろとお伝えしてきました。でも、本当に、知っておいてほしいことは、この紹介もしれません。多肉植物と共存して、愉しい暮らしを営むために、どうしてもお伝えしたいことなのです。その一番は「多肉は生きています。多肉目線で多肉を見てください」。多肉がどんな環境で生きてきたか――。その一面を見るだけでも、多肉の心がうかがえると思います。”
多肉植物って?
“多肉植物”とひと言でいっても、その種類は数千種類。ただ共通していえるのは、“葉、茎、または根の内部に水を貯蔵している”ということです。それらを総称して“多肉植物”と呼んでいます。特にTOKIIROが扱う多肉植物は、主に葉の中に水と栄養を貯蔵するタイプで、ベンケイソウ科、キク科、ユリ科の一部。茎に貯蔵するタイプの代表としてはサボテン類、根に貯蔵するタイプとしてはコーデックス類があります。
多肉植物のある暮らしを上手に愉しもう!
最後の章では、「多肉植物は水が大好き!」「水好きは光合成のため」「多肉植物を上手に育てるQ&A」など、なるほどそうだったのか!という多肉にまつわる知識がたくさん学べます。知っていそうで、意外と知らないことだらけの多肉植物の世界。ぜひ週末に、この本を読みながら、自分用にアレンジをつくったり、誰かにさりげなくプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

『多肉植物生活のすすめ』
アートな多肉で、もっと素敵な暮らしを!
グリーンデザイナーユニット、TOKIIRO(トキイロ)の、多肉植物のアレンジ本。「トキイロ」はもともと「季色」と書き、「季節の移ろいを、多肉植物のなかに感じてほしい」との願いから名づけられました。その名のように、多肉は秋になると紅葉し、ある時期になると花を咲かせます。そんな多肉植物と素敵に暮らすためのアレンジ法と、暮らし方のヒントを満載にしました。TOKIIROテイストのアートな多肉アレンジは、まるでオブジェ。暮らしを彩るアイテムとして、一緒に暮らしてみませんか?
著者:TOKIIRO
仕様:22 x 21.2 x 0.7 cm
ページ数:95ページ
装丁:単行本(ソフトカバー)
ISBN-10: 4391149958
ISBN-13: 978-4391149951
出版社: 主婦と生活社 (2017/3/24)
定価:1,500円+税
TOKIIRO
近藤義展、近藤友美とのユニット。千葉県浦安にアトリエを持ち、2008年より多肉植物に特化したアレンジを提案する。ユニット名の由来は、「季節(とき)の移ろいを多肉の中に感じ、ともに暮らしてほしい」という思いから。グリーンデザイン、ガーデンデザイン、ワークショップ開催など、多岐にわたる活動は、昨今、海外へと幅を広げる。
http://www.tokiiro.com