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なぜ500色展開に!?フェリシモ驚きのヒット商品「500色の色えんぴつ」開発の裏側
25年前に誕生してから10万セット以上を売り上げた、フェリシモの大ヒット商品「500色の色えんぴつ」。箱庭読者の皆さんの中にも、既に愛用している方がいらっしゃるかもしれませんね。今年3月には、4世代目となる新シリーズ「TOKYO SEEDS」が発売されました。
でも、どうして500色展開なの?リニューアルしてどう変わったの?など、気になる開発の裏側に迫るべく、フェリシモ開発者にお話を伺いました。
「500色の色えんぴつ」ってどんな商品?
「500色の色えんぴつ」はフェリシモのオリジナル商品で、その名の通り500本=500色の色えんぴつのこと。注文すると毎月1セット20本が手元に届き、25ヵ月かけて500色の壮大な数の色鉛筆を揃えていきます。1992年にシリーズ第一弾を発売しましたが、販売終了後、復活を望む声が相次ぎ、2009年に第二弾、2012年に第三弾を売り出してきました。日本国内だけでなく海外でも人気を集め、販売先は世界55ヵ国・地域にものぼる世界的大ヒット商品です。
「思いもよらない、でもこれがほしかった!」そんな商品をつくりたい。
今や伝説級の商品「500色の色えんぴつ」ですが、製作しているフェリシモは文具メーカーではありません。そんなフェリシモが25年前、なぜ色えんぴつをつくることになったのでしょう。
「フェリシモは、これまでも衣料品、雑貨品、食品といったあらゆるカテゴリを超えた商品を扱ってきました。たとえば、『親子お揃いのウエア』が大変な支持を受けてきましたが、『婦人服』『子供服』といったカテゴリの範囲で仕事をしていたら、それはおそらく生まれなかったでしょう。私たちは、お客さまが「思いもよらない、でもこれがほしかった!」と言っていただけるものを作り続けてきたんです。
「500色の色えんぴつ」に関しても同じです。「生活者の方が、どうすればしあわせや感動を感じられるのか」が起点になっています。」(フェリシモ開発担当者)
フェリシモ矢崎社長が、子供の頃ふだん使っていた6色の色鉛筆から24色の色鉛筆に変わった時に、とても嬉しく感動したという想いもこの企画に繋がっているのだとか。ではなぜ、100色でも300色でもなく、500色だったんでしょう。
「当初、『びっくりするほど色数の多い色えんぴつをつくったらすごく素敵かも!』ということで1000色?とか1225色?とか夢物語のような話が社内で繰り広げられていました。ただ、どのくらいの色が実現可能かわからないし、一般のご家庭では多すぎてもお困りになるだろうし、という現実的な問題もあって、最終的には発売する年がちょうどコロンブスのアメリカ大陸発見500年だったので、その偉業にちなんで500色に思いを託そうということになりました。(フェリシモ開発担当者)
25か月間しあわせを届けたい。リニューアルで考えた工夫とは?
500色の色えんぴつは、毎月届くことで徐々に使っていく楽しみ、揃っていく楽しみを感じてほしい。そう考えて初代からフェリシモならではの「定期便」というシステムが採用されています。今作は、お届け期間がこれまでよりも5ヵ月増え、25ヵ月となりました。
「毎月のお届けをいかに楽しんでいただくかということも、とても大事です。旧作では同系の色が届くと、色ごとの微妙なバリエーションは楽しめるものの、使いづらいといったご意見をいただくこともあり、今回は計25のテーマを設けることで、色のバリエーションを楽しんでいただけるようにしました。
『世界中のしあわせを表わした500色』というコンセプトの元、しあわせを表現できそうなあらゆるテーマを書き出し、そのテーマに最適な色をセレクトする、という方法をとりました。」(フェリシモ開発担当者)
500色の色えんぴつには、それぞれの色にふさわしい名前も英名、日本名の両名でつけられています。具体的には“Your life is colored with Delights.”(あなたの人生は喜びで彩られている!)というキーワードをもとに、人生のさまざまなシーンや喜び、しあわせを考えているのだとか。
500色の名前を考えるだけでも大変な作業ですが、考案された名前がその色にふさわしいかどうか、お客さまに受け入れられるか、1色1色フェリシモ社内で考えぬかれた名前になっています。
更に今作では、小さな作品づくりが楽しめるペーパークラフトが色えんぴつと共に毎回届くようになりました。
「今作は、塗り心地に絶対の自信がありましたので、是非塗ること・描くことに使ってほしいと思いました。そこで、届ける際に『塗らずにいられないような』楽しい仕掛けを追加することになりました。ぬり絵ではありきたりになってしまうので、色を塗って、折ったり、組み立てて作ることができるプチギフトをご提案しています。」(フェリシモ開発担当者)
よりよい品質の追求と、日本のものづくりへの想い
今回のリニューアルでは、お客さまを楽しませる工夫と共に、今まで以上に色えんぴつ本体の機能にこだわったそうです。芯の材質にも注意を払うことで、塗りやすさと発色の美しさの両方を実現しています。また、えんぴつの形状も丸や六角形ではなく珍しい正方形なのですが、絶妙な角の丸みが手になじみ、大人も子どもも持ちやすい形状になっています。
実際に使ってみると、滑らかな描き心地に感動します。芯が硬すぎず、柔らかすぎないので広範囲を塗りつぶすのも疲れないし、細かい部分を綺麗に塗ることもできる優れものです。
よりよい品質を追求した結果、たどり着いたのは『日本製』であること。500色もの微小な色分けを可能にする色芯や、一般的ではない太めの四角い形状を実現するため、高い技術を求め、関係者を一軒一軒当たるところから製造がはじまったのです。
技術的な理由とは別に、『日本のものづくりの灯を絶やしたくない』というフェリシモの想いもありました。フェリシモではこれまでも、日本の職人技や伝統文化、和の暮らしに密着した商品を販売してきました。フェリシモがオリジナル商品を作り続けてきた長い歴史は、日本のものづくりに支えられてきたとも言えます。そんなフェリシモだからこそ、『今までにないモノを作り、世の中を驚かせたい。職人のプライドも伝えたい』という使命を持っていたのです。
眺めるだけでも私たちをしあわせな気持ちにさせてくれる500色の色えんぴつですが、構想から発売まで、開発にかかった期間はなんと丸2年という長さ。一本一本がお客さまを楽しませるものにという想いから、長い月日をかけてつくられていることが分かりました。
今回は500色の色えんぴつの開発の裏側をお伝えしましたが、今後公開する第二弾では、実際に工場で色えんぴつが製造されている様子や、フェリシモの日本のものづくりへの想いをたっぷりお伝えする予定です。こちらもお楽しみに!
フェリシモ「500色の色えんぴつ」
価格:1セット(20色)2,808円(税込)
WEBサイト:http://www.500.gifts/