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週末読みたい本『和のかわいい配色パターン』
朱、瑠璃、白藍、萌黄、絹鼠など、
和の伝統色37色と約500種類のかわいい配色パターン。
こんにちは。Keinaです。
今週の週末読みたい本は、『和のかわいい配色パターン』です。
このところ、日本の伝統色が気になっています。日本は長期にわたって独自の文化を育んだからか、色彩と色の名前の表現が、どの国よりも美しく、風情があるように感じます。デザインするときも、そんな美しい伝統色をさらりと上手に使いこなせるようになりたいものです。
そんなタイミングで、マスキングテープmtのデザインを手がけるiyamadesign(イヤマデザイン)による大人気の配色シリーズから4冊目となる日本の伝統色をテーマにした配色本が登場しました。本書では、日本の伝統色から37色を選び、約500種類の配色パターンを色別に分類しています。ジャパニーズ・モダンな雰囲気を出したいとき、洗練された若々しい和を演出したいときに、プロのデザイナーによるワンランク上の配色パターンは、きっと素敵なインスピレーションを与えてくれることでしょう。
配色パターンは、暖色系、寒色系、茶や灰などの渋い色、金銀で分類されています。
写真提供:グラフィック社
▲ 朱色 / しゅいろ
黄色味を帯びた鮮やかな赤色。最も古い色のひとつで、朱色があしらわれた土器や土偶などが発掘されており、縄文時代から使用していたと言われています。
配色以外に和の伝統色の特徴と由来も紹介されていて、色について学ぶこともできます。
配色サンプルの形は、四角ではなく、イメージごとに違う形・面積比で掲載されているので、テキスタイルなどのパターンとしても利用することが可能です。具体的な形をあてはめることで、実際の商品などで展開する配色を検討することができます。
▲ 虹色 / にじいろ
黄色味を帯びた、薄い紅色。カラフルな虹の薄い紅部分が、光の反射によって様々な色に見えたため、そう呼ばれるようになったそうです。
テキスタイルのように美しい配色サンプル。
各色には印刷で使うCMYK、モニタ上で使うRGB、Webカラーの各数値を記載し、使いたい配色をどのメディア上でも再現できるよう構成されています。
直感で好きな配色が選べますね。
▲ 留紺 / とめこん
わずかに赤みを含んだ濃い青色。藍染の中で最も濃い色で、これ以上は濃く染まらないということから「留紺」と呼ばれるようになったそうです。
たとえば、「紺」がつく色には、茄子紺、紫紺、留紺、紺鼠など、色のバリエーションも見られるようになっています。
こちらの配色サンプルは、風鈴の形ですね。
▲ 黄金 / こがね
輝かしい光沢のある黄色。縁起の良い色のひとつとして、古くから装飾品や美術品に使用されてきました。
▲ 白金 / しろがね
美しい光沢のある灰色。白と黒の中間色で、どんな色にも合わせやすい色です。
着物、和食、和菓子、日本茶、旅館、料亭の販促物など、具体的な製品やサービスの配色に使うのも効果的です。
和の伝統色というと、渋くなってしまうイメージでしたが、
色の組み合わせひとつで、実はたくさんの和のかわいい配色ができます。
日本の伝統色をデザインに取り入れたい方、配色のひきだしを増やしたい方におすすめの一冊です。ものづくりが好きな友人、デザイン・アート好きの海外の友人などの贈り物にもぴったりです。本書の他にもロングセラー『女性をひきつける配色パターン』(現在4刷)、『季節を感じる配色パターン』、箱庭の記事でも紹介している『ピンクのかわいい配色パターン』も発売しているので、あわせてチェックしてみてはいかがでしょうか。

和のかわいい配色パターン
著者:iyamadesign
仕様:A5 並製 総160頁
発売日:2017年6月刊行
定価:本体1,800円(税別)
ISBN:978-4-7661-3036-2 C3070
iyamadesign イヤマデザイン
アートディレクター居山浩二が代表を務めるデザイン事務所。カモ井加工紙のマスキングテープブランドmtをはじめ、さまざまな企業やブランドのデザインを手がけている。NY ADCやD&ADなど海外のデザイン賞も多数受賞。
◆関連サイト
和のかわいい配色パターン|グラフィック社
iyamadesign inc. – Koji Iyama/居山浩二