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週末読みたい本『ReBuild New Culture』
単なる会社案内じゃない!これから先の未来が垣間見える本。
こんにちは、ミユです。
みなさんは、長野県諏訪市に昨年OPENした「ReBuilding Center JAPAN」をご存知でしょうか?
以前私がインタビューさせていただいた、空間つくりクリエイターのmedicalaのおふたりがスタッフの方々と一緒に始めた、建築古材のリサイクルショップです。
(※インタビューは、『medicala』東野さんご夫妻 前編・後編をご覧ください。)
色々なメディアで取り上げられているので、どこかで目にしたことのある方も多いかもしれませんね。
そんな「ReBuilding Center JAPAN」(略してリビセン)が、「自分たちのやっていることは、想像しにくい。もっときちんと説明するためのツールとして会社案内をつくろう!」という気持ちから発行に至ったのが、今回ご紹介するリビセンのコンセプトブック『ReBuild New Culture』です。
リビセンの、愛ある理念に触れる
リビセンの理念は、タイトルにもなっている「ReBuild New Culture」
世の中に見捨てられたものに価値を見出して再利用することで、豊かな暮らしをつくっていくこと。
その理念を叶えるために、いろいろな活動をしています。
空き家から、焼却処分されてしまう運命にあった古材や古道具を”レスキュー”して、新しい価値を見出して販売したり、使い道を示すことが一番の大きな柱。
古材の使い道を示すために、併設されたカフェの内装にもテーブルにも古材が使われ、椅子や花瓶などもレスキューした古道具です。このカフェがとってもおしゃれだし、行くたびにレイアウトが変わっているので、「古材や古道具ってこうやって使えばいいんだー!」といつも新鮮な発見があるんです。
カフェ(Culture Center)の他に、「古材チーム(Builders Center)」や「デザインチーム(Design Center)」があるのですが、それぞれがどういった仕事に、どういった考えで臨んでいるのかが分かりやすく説明されています。「Supporters System」というスタッフと一緒にリビセンの仕事をすることができる制度があるのですが、それも「リビセンのチーム編成」というくくりに入っているところに、リビセンの愛を感じます。
また、OPEN以降にリビセンがデザインに携わった事例も紹介されています。
店主の方が以前働いていたお店が解体されたときにレスキューした階段の板を使っていたりと、ストーリーが感じられます。愛着や思い出のあるものが、別の形になって残る。きっと店主にとっては涙が出るほど嬉しいものだろうし、その古材を見るたび初心に返ることができるのかもしれない。お客さんとしていく私たちにとっても、そうやって店内を見ることができるって楽しいことですよね。
そして、この本の中でとっても胸がぎゅっとなるのが、コラムのコーナー。
自分たちの利益のためでなく、もっと大きな、リビセンの実現したい世界のために、どういった心でいるのかを知ることができます。何度読んでも、身が引き締まる思いがします。
あの人からみた「リビセン」
そしてそして、ぜひぜひ読んでいただきたいのが「あの人からみたリビセン」のコーナー。
豪華メンバーとの対談は、リビセンのこと、そしてそれぞれが見ている未来のことを垣間見ることができるのですが、何度でも読み返したい言葉がきっしりつまっているんです。
(私はこの対談部分の取材&撮影を担当させていただきました。しあわせ!)
ひとり目は、パンと日用品の店「わざわざ」店主 平田はる香さん。
平田さんとは、これからの働き方について対談しています。
「アルバイトさんには、得意なことをしてもらう。嫌がってる人にやらせない、助け合いの文化が生まれた。」という話は、手が届きそうでまだまだ遠い、少し先の未来を見せてもらったようで、とっても印象に残りました。
それぞれができる(したい)ことを、できる(したい)ぶんだけ選べる世界になったらいいですよね。
そして、働き方研究家でLiving World代表の 西村佳哲さん。
「他でもない自分が」「身近な人たちと」出会いを形にして、「今いる土地や場所の特性を活かして」続けていくことについてお話しされています。これに近い話を、以前西村さんの講座でもお聞きしたのですが、日々意識したいことだなあとずっと思っています。やっぱりこれからの時代は、誰かを目指すんじゃなくて、自分がすでに持っているものや、身近にあるものを活かすことが個性になるんだろうな。
あとは、「東京いる店いない店」のお話がおもしろかった!
そして、Open A代表で東京R不動産ディレクターの馬場正尊さん。
馬場さんとは、リノベーションや建築についてお話を交わされています。
馬場さんのお話の中では、リビセンができるまでの経緯あり、リノベーションや建築界のお話ありで、この対談を読めば、時代背景含めリビセンのできた必然性とか、リビセンにどうしてこうも多くの人が魅せられるのかとか(私もそのひとり!)がとってもよくわかると思います。
この本には、これから先の未来がぎゅぎゅっと詰まっていると思う。
今回ピックアップさせてもらった箇所の他にも、心に刻みたい言葉がたくさんあるんです。
色々なヒントをもらうもよし、リビセンの愛ある理念に触れて(私のように)感化されるもよし。
ぜひぜひ読んでもらいたい、そしてリビセンに足を運んでもらえたらと思います!
※ちなみに写真は、リビセンの「ダイニングテーブルつくりワークショップ」に参加して作ったテーブルに置いて撮りました。ハードルが高いと思っていたDIYがめちゃくちゃ身近になりますよ。こちらもおすすめ!
『ReBuild New Culture 』
ReBuilding Center JAPAN
2017/9/28
定価:1300円(税抜)
仕様: B5 カラー 60ページ(表紙背表紙込み)
私達ReBuilding Center JAPANは、解体される建物から古材や古道具をレスキュー・販売する、建築建材のリサイクルショップを長野県諏訪市にて営んでいます。 私達の理念はReBuild New Culture。 次の世代に繋いでいきたいモノと文化を掬いあげ再構築し、楽しくたくましく生きていけるこれからの景色をデザインします。 とはいえ、随分とわかりづらいことをやっているなぁ、 と自分達のことを人に説明するたびに思うので、 会社案内をつくるぞ!と挑んでいたら、 いつのまにか小さな本のようなものになりました。 オープンしてからもうすぐ1年、 私達の活動についてお伝えするために本をつくりました。 どんな風にかんがえて、どんな場所をつくっていて、 その先に私達がなにをみているのか。 60ページに、ぎゅ、と詰め込みました。 各地でリビセンやリビセンのようなものをつくることに興味のあるかたも、ぜひ。
目次:
レスキューとは -レスキューをするわけ -レスキューの流れ
リビセンの組織図 -Builders Center -Design Center -Culture Center
実例紹介
あの人からみたリビセン
-パンと日用品わざわざ 平田はる香
-西村佳哲(リビングワールド代表)
-馬場正尊(Open A代表)
ご予約はこちらから。
初刷は全て発送完了しており、2刷は12月頃お届け予定とのこと。
◆関連リンク
ReBuilding Center JAPAN