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美術館で過ごす一日を楽しみ尽くす2つのショップ「東京都庭園美術館 BLANC/NOIR」
美術館の一部、そして展覧会の一部のように楽しめるショップ
こんにちは。箱庭編集部のみさきです。
全国各地のミュージアムショップをファイリングしていくように紹介していく連載「Museum shop file」。vol.4となる今回は、目黒駅と白金台駅の間にある、東京都庭園美術館のミュージアムショップをご紹介します。
アール・デコ様式で統一された、モダンな重要文化財建築
東京都庭園美術館は、1983年に開館しました。
旧皇族・朝香宮夫妻の元邸宅であるこの建物は、建造された1933年当時最新の建築様式である、フランスのアール・デコの装飾家たちによって造られており、壁飾りから家具、照明器機、そして空気口といったところまで、豪華な内装で統一されていることが特徴的です。2015年には、国の重要文化財に指定されました。
庭園美術館は、建造物の歴史的な面を大切にしながら、今の時代の“新しさ”をうまく取り入れることに力を入れており、これまでもリニューアルを繰りかえしています。
2011年~2014年には大リニューアルをし、ホワイトボックスをイメージした新館が設立されました。最近も、2017年の4月10日~11月17日の間改装のため休館し、再オープンしたばかりです。
美術館がある敷地内はとても広く、庭園や豊かな木々もあり、春は桜、秋は紅葉を楽しむことができます。
私が訪れた日はぎりぎり紅葉がみられました!空気も澄んでいて気持ちが良かったです。
庭園美術館の特色を活かした2つのミュージアムショップ
庭園美術館にはミュージアムショップが2つあり、それぞれフランス語で白を意味する「BLANC(ブラン)」と黒を意味する「NOIR(ノワール)」という名前が付けられています。
庭園美術館の特色はミュージアムショップにも活かされており、ショップには「装飾」や、「コンテンポラリー」をテーマに選び抜かれたこだわりのアイテムが揃えてあります。「BLANC」と「NOIR」、どちらもとても魅力的なショップだったので、それぞれの魅力をたっぷりご紹介します!
MUSEUM SHOP BLANC
美術館の入り口の門を入ってすぐ見えるのが、「BLANC」。
もともとは邸宅の守衛さんが利用していた建物を改装したこのショップは、美術館に入館した方以外も利用できるので、白金に住む人がふらっと立ち寄ることも多いそうです。
BLANCは、アートを生活の一部に取り込むことができるようなアイテムが揃っています。また、庭園の入り口にあるということから、庭園にある自然を連想させるアイテムが集められているんです!
店内のアイテムはどれも素敵で、見るたびに欲しい~と思っちゃうものばかり。全部ご紹介したい気持ちはありますが、今回は特に私が気になったものをピックアップしてみます!
「neconecodesign PAPER ARTS」
まずご紹介したいのは、ショップの入り口を飾っていた、たくさんのペーパーアート!紙を使ってArt&Productを創り上げるデザインカンパニー「neconecodesign PAPER ARTS」が、このショップのために作り上げた展示なのだそう。よく見ると、美術館内にある装飾のモチーフも隠れているんです…!
そして、その展示の下にはneconecodesign PAPER ARTSのレターセットやピアス・イヤリングなどが並んでいます。すべて紙で作られた繊細なモチーフのアクセサリーは、上品でありながら存在感があり、とても素敵でした。
「アルパカと花」
「アルパカと花」のアクセサリーは、葉っぱや花びら加工して樹脂で固めたもの。だから商品のタイトルは同じでも、どれも一点ものなんです!これなら普段使いだけでなくパーティーなどの装いにも使えそうですよね。
自然溢れる庭園に訪れた思い出に、花びらなどの自然がモチーフになったアクセサリーを持ち帰る。それって、すごく素敵だと思いませんか?
「StoryTiles」
StoryTilesは、オランダの伝統的な焼き方で焼かれたタイルを用いて作ったアート作品。
アートを飾るのは敷居が高いなぁ…と思う人も気軽に飾れるようなお値段・サイズなので、おうちの色んな所に飾れます。左下にちらっと見えているのは、ゴッホのあの「ひまわり」をモデルにデザインしたもの。ポップで遊び心のあるデザインばかりです。
このように、BLANCでは、自然を連想させるアイテムや、アートを身近に感じられるアイテムが揃っています。様々なアイテムとの出会いは、まるで展示を見ているようでもあります。デザイン性が高いものが多いので、プレゼント選びにもぴったり。アイテムのラインナップは随時変わるそうなので、定期的に訪れたくなりました。
私が訪れた時期は、ちょうどイイダ傘店の「冬の傘店」もやっていました!
傘やバックといった定番アイテムだけでなく、カレンダーやご祝儀袋なども販売されていましたよ!12月26日(火)までの開催なので、興味がある人はぜひチェックしてみてください。
MUSEUM SHOP NOIR
お次は、本館の渡り廊下を渡り新館を入ったところにある、「NOIR」。
ホワイトボックスがイメージの新館の一画にあるこちらのショップ。外から見ると本当にボックスのような形になっており、店内は天気がいい日はガラス張りの壁から差し込む光がとても気持ちがいいですよ~。
NOIRは、展覧会を観覧した後に、お客さんがたどり着く場所。それゆえ、展覧会のチケットがある方のみこちらを利用することができ、商品のラインナップはそれを意識したものになっています。庭園美術館のオリジナルグッズもこちらで購入することができますよ。
展覧会を意識したラインナップにするために、毎回学芸員の方から展覧会の内容やコンセプトを聞きながらショップの品揃えを考えていくそうです!
今は、開催中の「装飾は流転する」という展覧会に合わせて、“装飾”をテーマにしながらも、「これも装飾なんだ!」と思ってもらえるようなアイテムが並んでいます。
「writtenafterwards」の靴下
私が中でも気になったのが、こちら!これは、今展覧会に出演しているデザイナーの山縣良和さんのブランド「writtenafterwards」の靴下です。ビビッドな色の花柄の刺繍が目を引きますが、靴下自体がシースルー素材なので、履いたときに肌の色が透けて、ちょっぴり上品、可愛くなりすぎないです。存在感があるこの靴下は、シンプルな服に合わせるとよく栄える、まさに装飾ですよね。
山縣良和さんは、今回庭園美術館で2018年の春夏コレクションのファッションショーも行ったそうですよ!
また、書籍コーナーには、箱庭読者にはご存知の方も多いであろう、松陰神社前の古本屋「nostos books」とのコラボも発見!このコラボではnostos booksが、今展覧会のテーマに基づいて選んだ古書が並んでいました。これぞ庭園美術館クオリティ、書籍コーナーからも企画力をひしひしと感じました。
それでは、NOIRのほうで見つけたオリジナルグッズの中から、素敵なアイテムをいくつかご紹介します!
オリジナルノート
美術館のオリジナルグッズは、どれもこだわりがあって素敵でしたが、特にいいなと思ったのがオリジナルノートです。「篠原紙工」という東京の製本会社と共同で開発したもので、庭園美術館の建物にある空気口の模様をレーザー加工で表現しているんだとか!表紙だけでなく中の紙も上質で書きやすそうです。
和綴じでありながら、紙と糸の色合いはフランス雑貨をイメージしていて、和と洋の融合を表現。ここにも、庭園美術館らしさが出ています!
ラリックチョコレート
庭園美術館オリジナルのアイテムでもう一つ注目したいのが、このチョコレート!
本館に入るとまず出迎えてくれるガラスレリーフの女性像。アール・デコを代表する工芸家ルネ・ラリックによるこの作品を、白金台にある人気チョコレート専門店「ショコラティエ エリカ」が再現したこの商品は、庭園美術館限定販売だそうです。
箱を開けると二種類のチョコレートが!箱も素敵ですし、サイズもちょうどいいので、プレゼントに良いですね。
「ショコラティエ エリカ」は、店舗以外にチョコレートを出さないお店ということもあり、珍しくてまとめ買いしていく方も多いそうです。
その他にもたくさん可愛いアイテムがありましたよ~!
BLANCは、庭園の自然を思わせるラインナップでしたが、NOIRの方は展覧会の余韻にひたりながら、その気持ちを持ち帰られるようなアイテムが揃っていました。どちらも、美術館に訪れる一日を更に楽しくしてくれる、素敵なショップでした。
展覧会ごとに訪れたくなる、庭園美術館
いかがでしたでしょうか?庭園美術館に訪れる方は、物のバックグラウンドがしっかりとあるものが好きで、素材や産地にこだわりがある方が多く、そういった方に満足してもらえるよう、ミュージアムショップのアイテムもこだわり抜いたものばかりでした。
旧館と新館をつなぐ渡り廊下の光と影や、NOIRの併設カフェにある今展覧会特別メニューのケーキなど、まだ語りたいことはたくさんありますが…ぜひみなさん、実際に足を運んで楽しんでいただければと思います。
「装飾は流転する 「今」と向きあう7つの方法」の会期は2018年2月25日(日)まで。本館・新館ともに撮影可能という珍しい会です。ぜひ会期中に行ってみてくださいね。
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東京都庭園美術館 MUSEUM SHOP BLANC/NOIR
URL:http://www.teien-art-museum.ne.jp/cafe_shop/shop.html
住所:〒108-0071 東京都港区白金台5丁目21-9
・「BLANC(ブラン)」
TEL:03-6447-7992
営業時間:10:00~18:30
定休日:毎月第2、第4水曜日 ※美術館休館日に準ずる
・「NOIR(ノワール)」
TEL:03-6447-7932
営業時間:10:00~18:00(入館は17:30まで) ※美術館営業時間に準ずる
定休日:毎月第2、第4水曜日・展覧会準備期間 ※美術館休館日に準ずる
◆Museum shop file 目次
Vol.1|東京的視点で発信する「国立新美術館 スーベニアフロムトーキョー」
Vol.2|ユニークな新潟みやげも充実!「新潟市美術館ミュージアムショップ ルルル」
Vol.3|2020年に向けて東京を世界へ発信!「東京都美術館 ミュージアムショップ」