180223ym_00

グラフィックデザインの名作が詰まった珠玉の1冊

こんにちは、箱庭編集部 moです。
今週の週末読みたい本は、デザイナーやクリエーターのみなさんにオススメな1冊『日本のグラフィック100年』です。

本書はその名の通り、日本の商業デザイナーが登場した約100年前から現在に至るまでのグラフィックデザインをぎゅっとまとめた1冊。日本のデザインの黎明期といえる明治・大正時代から、日本人に希望を与えた戦後のグラフィック、高度経済成長期に企業と共に作り上げた日本独自の広告表現。そしてグラフィックの枠を越えて、空間やプロダクトまで総合的にデザインする現代まで、100年の間に起こったグラフィックデザインにおける様々なエポックとその作品が紹介されています。
作品を楽しむのはもちろん、グラフィックデザインの変化から日本社会の100年を感じられる1冊となっています。では早速内容を見てみましょう〜!

日本のグラフィック100年
こちらは、三越の図案を制作した日本初の商業デザイナー杉浦非水が手がけた広告。関東大震災前の大正時代に、新時代の到来を告げる欧米文化としての図案は一世を風靡したそう。本書は随所に解説の小文が記されており、その時代の背景や流行などを垣間見ることができます。

日本のグラフィック100年
こちらは1964年に開催された東京オリンピックとパラリンピックのビジュアルです。現在開催中の平昌オリンピックや、2020年には東京オリンピックが控えていることで、オリンピック関連のデザインに興味を持たれている方も多いのでは?
1964年のオリンピックでは、アジア初で英語が通じない国での開催だったことから、田中一光、福田繁雄、横尾忠則、宇野亜喜良たちのデザイン・チームが右ページのような施設ピクトグラムをはじめて制作したそう。こういったピクトグラムや絵文字は現代のデザインでは当たり前ですが、このオリンピックの時にうまれ、日本のデザインの骨組みになったなんて、なんだか感慨深いです!

日本のグラフィック100年
このほか、身体や浮世のモチーフを使って大衆的美学やウラの文化をコラージュした、横尾忠則の代表作品や、

日本のグラフィック100年
NHK連続テレビ小説にも取り上げられ注目された、花森安治の「暮しの手帖」など、時代の流れとともに変化してきたグラフィックデザインの100年を一挙に振り返ることができます。

400ページにもわたる、どっしりとして色んな意味で重みのある本書。作品集のように楽しむ事もできますし、デザイナーやクリエーターのみなさんにもきっと役立つ1冊ですよ。

気になった方はぜひチェックしてみてくださいね。

    日本のグラフィック100年

    日本のグラフィック100年
    編集・著:山形 季央
    仕様:B5判、400 ページ(フルカラー)、ソフトカバー
    ISBN:978-4-7562-4885-5 C3070
    発売元:パイ インターナショナル
    定価:本体3,900円+税