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モダンな空間で生まれるガラスの器たち

こんにちは。新潟在住ライターの渡辺まりこです。食べることが大好きな私は、料理も大好き。作家モノの器を多数集めているのですが、今最も注目しているのはガラスの器です。

そんな中、新潟市にガラスのギャラリー工場があるという情報を入手。なんと商品を買えるだけでなく、ジャズの音色に包まれる作業場を見学できたり、音楽ライブも行っていたりするというのです。一体どんな場所なのでしょうか?さっそく訪ねてみました。

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新潟市中心部から車で30分ほどの距離にある自然豊かな秋葉区。この地域はかつてより石油、鉄道、ガラスで有名でしたが、大量生産するガラス工場が倒産したために文化が廃れるピンチに陥ってしまいました。そこで、この工場を引き継ぎ、新潟のガラス文化を再び復活させようとしているのが「秋葉硝子」です。

「秋葉硝子」とは?

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業務用の大量生産時代と打って変わり、現在この工場で手がけているのは職人が仕上げる一点ものの「吹きガラス」。“料理やお酒に合うシンプルな器”をコンセプトに、ガラスのもつ繊細な美しさを引き出した作品を生み出しています。

代表作は「淡黄金(あわこがね)」シリーズ。グラス、ぐい呑み、プレートなど様々な商品がラインナップされています。

厚みのある部分はほんのりと黄みがかり、稲穂が実った田んぼの色を表現。薄い部分は透明で色あいに変化を付けています。温かな印象なのでオールシーズン活躍しそうです。

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あえて凹凸が作られた形状は、手にしっくりとなじみます。光が屈折して透過する美しさはガラスならでは。作品はハンドメイド販売サイト「Creema」でも購入可能です。


シンプルな器なので、料理の色合いを引き立ててくれます。スタッフさんによる秋葉硝子を使った素敵なテーブルコーディネートのInstagramは要チェックですよ!

作業場を見学しよう!

なんと、この素敵な器が生まれる作業場は見学もできるんです。工場稼働日の月~土曜であれば、予約不要で案内してもらえます(日曜は要予約)。

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巨大な溶解炉が目を引く広い空間。こだわりの音響機材からはジャズやロックが流れてきます。この日のBGMは、スタッフさんが好んで聴くというビートルズでした。

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現在メインで制作する職人さんは一人のため、使うのはこの溶解炉1台。ガラス作品が生みだされる工程を間近に感じられ、一つひとつていねいに手作りされていることが伝わってきます。

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工場を誰でも身近に感じてもらいたいと、イベントスペースも設置。これまでに地元カフェによるコーヒー講座など、様々な活動を行ってきました。

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工場のモダンな広い空間を活かし、ジャズライブなどの音楽イベントも不定期開催しています。コンサートホールとは異なる迫力を感じられそうです。

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自分でガラスの器を作ってみたい方は、「吹きガラス体験」はいかがでしょうか?イメージする形を職人さんと相談しながら、オリジナル作品を作ることができます。開催期間は不定期のためfacebookページをチェックしてみてください。

工場併設のギャラリーショップでお買いもの♪

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最後は、工場に併設するショップに立ち寄りましょう。

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「淡黄金」シリーズのほか、透明やあめ色の器、カラフルな豆皿、涼しげな風鈴、地元作家の陶芸品なども販売されています。

今年は7月14日~10月8日に新潟市内で開催される「水と土の芸術祭」にも参加予定とのこと。トークライブ、ダンス、ガラスの器を使った食事会など、「秋葉硝子」の作品と空間を楽しめる内容が盛りだくさんです。

新潟県ではオープンファクトリーや工場見学イベントが増えてきているものの、「秋葉硝子」のように“常にオープン”な工場はなかなかありません。ジャズが流れる空間で生まれるガラスたちを眺めれば、きっと器たちに愛着が湧いてくるはず。唯一無二な工場へぜひ足を運んでみてください。