仏像の本 手のひら版

初心者でも専門用語を知らなくても楽しめる、仏像の1冊。

こんにちは、箱庭編集部 moです。
今週の読みたい本は『仏像の本 手のひら版』です。
仏像って言われてもあんまり知らないし難しそう…と思った方もご安心を。こちらの本は専門用語や難しい言葉や知識は抜きにして、仏像のお姿をじっくり感じる1冊です。写真やイラストでわかりやすく紹介されているので仏像初心者のみなさんにも楽しめる内容となっています。

仏像の本 手のひら版
また本書は2008年に仏像ブームを牽引した「仏像ガール」こと廣瀬郁実さんの著作『〜感じる・調べる・もっと近づく〜仏像の本』を改定し、手のひらサイズになって再出版されたもの。持ち運びしやすいサイズなので旅先に持って行き仏像と照らし合わしながら楽しむこともできる1冊です。
それでは中身を見てみましょう〜!

仏像を感じる

まず第1章は「仏像を感じる」がテーマ。著者の廣瀬さんによると仏像は「見るもの」ではなく、「出会うもの」、「感じるもの」だそう。感じ方は十人十色なので、まずは仏像のかたちを何も考えず自由に感じる楽しみ方が紹介されています。
仏像の本 手のひら版
じっくりと仏像の姿・かたちを感じるには、じっと近づいて見てみるところから。仏像のかたちに関して解説が記されているので、自分が気になるパーツから読んでみるのがおすすめです。
わたしが気になった髪型のページはこんな感じ。解説を読むと、よく見るパンチパーマのような仏像の髪型は悟りを開いた如来さまだけの特権の髪型だそう!もともと私たちと同じような髪型だったものが、悟りを開くと同時に、シュルシュルと渦を巻いてこのようになったんだとか。

仏像の本 手のひら版
仏像の首に着目したことは今までありませんでしたが、こちらの仏像のように首に3本の線が入っているのは立派な仏像の証なんだとか。それぞれのかたち1つ1つにこんな意味があったと知ると、今までと仏像の感じ方が変わって楽しい!

パーツから仏像を知る

仏像の本 手のひら版
第2章では「髪型」「服装」「手のかたち」「持ちもの」「乗りもの」など仏像のパーツから、どんな意味があるのかを引いて調べられる内容となっています。

仏像の本 手のひら版
OKのように指を曲げた手のかたちの仏像をよく見る気がしますが、この手のかたちは亡くなった方を極楽に「お迎えします」の意味で、阿弥陀如来だけの手のかたちだそう。次からこの手のかたちの仏像に出会ったら、阿弥陀如来だ!と得意げになりそうです(笑)。

仏像の本 手のひら版
続いてこちらは乗りもののページ。乗りものって…?と思うかもしれませんが、仏さまの下にある蓮の花や雲などの台座のことです。鬼に仏さまが乗っている場合、それは「天」の仏像で、仏さまの世界の守護神である四天王さまなどが乗っているそう。乗りものによって乗っている仏像の種類も違うなんて全然知りませんでした〜!

仏像の世界を知る

仏さまの世界では「如来」「菩薩」「明王」「天」の4つの役割があるそうですが、誰とでも並んでいいわけではなく、それぞれの仏さまには決まった仲間がいて組み合わせが決まっているそう。
第3章ではそんな仏さまと仲間たちがされており、気になった仏像を調べることが出来ます。
仏像の本 手のひら版
たとえばこちらはお釈迦さまファミリー。釈迦如来がいるときは普賢菩薩と文殊菩薩が脇侍になるとのこと。文殊菩薩って?と思えば、菩薩のページでどんな仏さまか調べられます。
「千手観音」や「毘沙門天」、「薬師如来」などよく耳にする仏像もどんな役割でどんな仲間といるのか、気になった仏像をチェックできます。今まで出会った仏像で気になるものがあれば是非調べてみてくださいね。

これからの仏像との出会いが楽しくなる

本書を読んで、仏像ってこんなにひとつひとつ思いや意味が込められて作られたものだったんだなぁと改めて気づき、今までより仏像が魅力的ですばらしいものだなぁと感じる内容でした。
本書を読めば旅先の立派な仏像だったり、近所にある小さなお地蔵さまだったり、きっと今まで以上に仏像の存在がが気になってしまいますよ。

かばんに気軽に入れられる手のひら版のこの1冊。ぜひお出かけや旅のお供にして、これからの仏像との出会いを楽しんでくださいね〜!