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100人の作家による100通りの”I Love You”

こんにちは、箱庭キュレーターのカナコです。
夏目漱石が”I Love You”を「月がきれいですね」と訳したという話、きっと皆さんも聞いたことがありますよね。それでは、他の作家さんならどのような言葉で”I Love You”を表すのでしょうか?
今日ご紹介する『I Love You の訳し方』では国内外100人の作家さんが、作品や手紙に記したさまざまな愛の「ことば」を楽しめます。
それでは早速、中身を覗いてみましょう。

1ページ1ページに物語が詰まっています

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「情熱的に」「感傷的に」「個性的に」「狂気的に」「浪漫的に」という5つのカテゴリーで”I Love You”を紹介しています。気分によって、読むジャンルを変えてみるのも楽しいかもしれませんね。ちなみにイラストを手がけているのはジュリエット・スミスさん。繊細でかわいいキャラクターたちが本に彩りを添えていますよ。

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ページをめくっていると気が付くのですが、この本の製本は糸で綴じられているタイプではなく、ページが背表紙に糊付けされている仕様。とっても開きやすいんです。中身に使われている紙も手触りのいい柔らかいもの。”I Love You”というフレーズに特別感があるように、この本自体も大切に扱いたい気持ちにさせてくれます。

ここから、気になるフレーズをいくつかご紹介していきます!
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「君を夏の日にたとえようか。いや、君の方がずっと美しく、おだやかだ」
こちらは、歴史的詩人・シェイクスピアの”I Love You”。
400年も前の言葉ですが、今聞いてもとてもロマンティックですよね。

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「あなた様なしには 私の今後の芸術は成り立ちませぬ もし あなた様と芸術とが両立しなければ 私は喜んで芸術の方を捨ててしまいます」
近代を代表する作家・谷崎潤一郎の言葉です。なんと、こちらはのちに奥さんとなる人へ宛てた手紙からとったものなんだとか。

今まで触れたことのなかった作家さんの作風や言葉遣いを知ることができるのもこの本の魅力。気になる作家さんの作品を読めば、新たな世界が広がるかもしれません。

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「たくさんのおんなのひとがいるなかでわたしをみつけてくれてありがとう」
こちらは、歌人・今橋愛さんの作品から。運命的なものを感じさせる一文ですね。ストレートで素直な言い回しが心地よく、可愛い女の子のセリフなのかなと勝手に想像をめぐらせてしまいます(笑)
個人的にイチオシのフレーズです。

性別や世代、個人の好みなどによって心に刺さる言葉は違いそうですね。誰かと一緒に読んでみるのも楽しいかもしれません。お気に入りの1フレーズを見つけてみてくださいね!

表現豊かな日本語の美しさに気づくきっかけに

どんなロマンティックな本なんだろうと思って読み始めましたが、次第に日本語の細やかな言葉遣いやニュアンスの表現の多様さ、奥深さに惹かれるようになりました。
100通りの”I Love You”を通して、日本語がもっと好きになれる一冊です。
気になる方はぜひお手に取ってみてくださいね〜!