かくたみほ写真集『光の粒子』
こんにちは、箱庭編集部の森です。
今週の週末読みたい本は、写真家・かくたみほさんの最新写真集『光の粒子』です。

かくたみほさんは、雑誌やCDジャケット、ファッションブランドカタログなどで活躍中の女性写真家です。
ライフワークとして10年前から撮り続ける森と湖の国フィンランドの写真集『MOIMOI そばにいる』を昨年2月に発売し、『光の粒子』は2冊目のフィンランド写真集となります。(写真集『MOIMOI そばにいる』発売時のインタビューはこちらから)

今回のテーマは、「光」。

かくたみほ写真集『光の粒子』
「写真を撮り始めて20年弱になってきましたがとにかく、光なんです。」(かくたさん)
かくたさんが話すように、本当に光の美しい世界が広がっています。
こんなに美しい世界があるんだなーと思うと、大げさかもしれないけど、地球の美しさって凄いと思える写真集です。

フィンランドを代表する詩人カイ・ニエミネンの一編の詩と、静かな朝の1 枚に始まり、深い森や湖の一隅、窓辺や庭先の木漏れ日、草原に咲く野の花、暮れゆく水辺の夕暮れなど、かくたみほが見つけた「美しきものたち」が、フィンランドの尽きない魅力へといざないます。

かくたみほ写真集『光の粒子』

かくたみほ写真集『光の粒子』

かくたみほ写真集『光の粒子』

かくたみほ写真集『光の粒子』

かくたみほ写真集『光の粒子』

かくたみほ写真集『光の粒子』

かくたみほ写真集『光の粒子』
かくたさんはこうも話します。

「光はいろんな生命体が生きていく上でなくてはならないもの。当たり前に毎日あって、もちろんその対である夜、暗闇も大好きなんですが、都会にいると、夜に街の明るさや情報の多さが際立っているような感じがします。夜が明るくなってしまったこの時代ではやはりバランスが取れなくて、良い意味での陰にも惹かれる動物的な自分がいるんです。

今回はいつもの軽やかで光あふれる写真もありますが、影に光の差した暗部の多い写真もセレクトしています。
フィンランドのユバスキュラで8月末にオーロラが出て、写真を撮るにはファームハウスの敷地外の暗闇の森の奥にある湖からじゃないと撮れないなとなって、一人でiPhoneのライトを頼りに入っていきました。夜の空は星があるので意外と黒くなくて、歩いている木々の間は星の光は届かないので、本当に闇でした。暗い森の中では想定以上の種類の動物の鳴き声や落ち葉を踏むような音が聞こえるしで、感覚のほかに毛穴が開いてザワザワした記憶があります。感覚をひらいて、ちょっとした冒険をしている気分になれることが趣味です。苦笑。
日中でもやはり撮る感覚を意識してないと、撮れたという手応えがないです。ある種、それは自分ではコントロールできないことが重なって、手応えのあるカットが撮れるので撮らされているという感じです。

器用ではないので、冴えるように作品撮りは一人で。いろんなモノと対話した、10年分のベストショットです。」

かくたさんの10年分のベストショットをぜひご覧ください。美しい写真があなたの心をハッと驚かせてくれるはずです。

    ◆かくたみほ
    1977年、三重県鈴鹿市生まれ。
    スタジオLOFTスタジオマンを経て写真家小林幹幸に師事後、独立。雑誌やCDジャケット、ファッションブランドカタログなどの撮影と平行して、光とトーンを活かした作風で活動中。
    ライフワークではフィルムカメラを愛用して旅をベースに光、暮し、自然、対なるものに重きを置いて制作。
    フィンランドやブータンの風景や人々をテーマにしたNOTE BOOK写真集もシリーズで刊行を続ける。
    著書に『あふるる』(自社出版 2009年)『dog photographer』(翔泳社 2009年)『写真の撮り方 きほんBOOK』(マイコミ 2010年)『ふんわりかわいい写真の撮り方ノート』(インプレスジャパン 2010年)『キラリキラリ』(パイインターナショナル 2013年)『MOIMOIそばにいる』(求龍堂 2017年)などがある。
    2004年より各地で個展、グループ展多数開催。