kappan_01

活版印刷の名刺作りや、体験を楽しみながら未来に繋げられる取り組み。

こんにちは!箱庭編集部みのりです。
アナログなものづくりを見直す中で、近年広まってきた活版印刷。独特の風合いやアナログ感が好きな箱庭読者の方も多いと思いますが、実際に体験できる場所が少ないのも実情です。
今回は、そんな活版印刷のオープンアトリエ作りを目指す面白いプロジェクトを発見しました!アトリエ作りを応援しながら、私たちもさまざまな形でその魅力を楽しむことができるというのですが、どのような取り組みなのでしょうか?さっそく紹介していきたいと思います。

そもそも活版印刷って?

kappan_02
活版印刷とは、一文字一文字がバラバラになった「活字」を組み合わせて凸版をつくり、インキをのせ、紙に圧着するという印刷手法。イメージとしては版画のような仕組みです。
印刷時に圧力をかけることで紙に凸凹ができ、手触りがよくあたたかみを感じさせてくれるのが特徴です。硬い活字で印刷した文字はキリッと美しく、一度活版印刷の魅力に触れると病みつきになってしまう人も多いのだとか。

そんな活版印刷に魅せられ、ものづくりを行う洋服と活版印刷のブランド「服とタイポグラフ」が、アトリエ利用チケットを使って自由に活字や活版印刷機を使えるオープンアトリエを作ることを目指し、現在クラウドファンディングを行っています。

kappan_03
アトリエ完成図はこちら!現在所蔵している活字をすべて並べ、自由に組んで印刷できる空間を予定しているそうです。活版印刷を体験できるワークショップの開催や、実際に活版印刷を使って作ったポストカードや詩集などの紙モノ、洋服などの展示販売も予定しています。なんだか、想像するだけでワクワクしてきますよね。

活版印刷が広まっている今だからこそ、きちんと次の世代へ。

kappan_04
今回アトリエ作りを目指すきっかけとなったのは、2年前に戦後から続く活版印刷所が廃業し、たくさんの活字を譲り受けたこと。また同時に、古くからある活版印刷所が次々と廃業されるという知らせが入ってきたことだそうです。貴重な活字と同時に、その活字を組む技術も一緒になくなっていくことが悲しく、どうにか残せないかという想いが強くなり、アトリエを作ることに至ったそうです。

kappan_05
また、こだわっているのが「活字組版」に特化した活版印刷のアトリエを目指しているということ。実は、活版印刷の基本である活字を組むためには、活字を持っておくスペースやコストが必要となり、とてもハードルが高いのだそうです。そのため樹脂版を起こして印刷するレタープレスという手法が主流になっていますが、やはり活字を組んだ紙面とは仕上がりや味わいが違ってきます。
若い世代の方が活版印刷に注目する今だからこそ、活字を組む技術もしっかりと次の世代へ受け継いでいきたい。今回のプロジェクトを立ち上げた根底には、こんな想いがあるそうです。

名刺作りや、自分のイラストを使った活版印刷など、様々なリターンにも注目。

クラウドファンディングの楽しみといえば、活動を応援しながら、支援金額に応じてさまざまなリターンを受けられるということ。魅力的なリターンの中から、いくつか紹介したいと思います。

kappan_06
こちらは、活版印刷ファンにとっては憧れの、組版による活版名刺です!支援金額15,000円で、書体やポイント数などを丁寧にヒアリングしてもらいながら、こだわりの活版名刺に仕上げることができますよ。自分らしさを伝えつつ、初対面の人の記憶に残る活版印刷の名刺は、仕事以外の2枚目の名刺におすすめです!

kappan_07
デザイナーさんやイラストレーターさんが気になりそうだなと思ったのが、自分のイラストやデザインを樹脂版に起こし、活版で印刷してもらえる10,000円のリターン。希望すれば、オープンアトリエで販売することも可能だそうです。活版で印刷することで、自分のデザインがどんな印象になるのか試してみたくなりますよね。

kappan_08
まずは一度体験してみたいという方は、支援金額5,000円で参加可能な、オープンアトリエで開催されるワークショップをチョイスしてみてはいかがでしょうか?組版の基本をじっくりレクチャーしてもらえるので、基礎から学びたいという人にぴったりですよ。
他にもたくさんの魅力的なリターンが揃っています。

さまざまな方法で楽しみながら、活版印刷を未来に繋いでいくことができる今回のプロジェクト。気になった方は、ぜひこちらから詳細をチェックしてみてね。

    捨てられた活字たちに救いの手を:活版印刷を未来に残したい

    WEBサイト:https://readyfor.jp/projects/vett
    プロジェクト公開期間:2018年4月4日~5月11日