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日本初のビオホテル 長野『カミツレの宿 八寿恵荘』に泊まってきました!
こんにちは!箱庭編集部の祥子です。
オーガニックな情報を検索していると、最近よく目にするようになった「ビオホテル」というキーワード。
BIO(ビオ)とは、有機、オーガニックのこと。ビオヨーグルト、ビオワインなど食品でもよく見かけますが、ついにはホテルまで誕生していたんですね!
2001年にヨーロッパで発足した、志の高いホテルや生産団体が集まる「ビオホテル協会(Die BIO HOTELS)」の厳しい基準をクリアした認定ホテルのことを「ビオホテル」と言うそうで、食事にコスメ、タオルやベッドリネン類など、使用するものすべてがビオ(オーガニック)なんです。
海外のビオホテルの写真を眺めながら、すてきだなあ、いつか行ってみたいなあ…と夢見ていたら、そんなビオホテルがなんと日本にもあると聞きました。
そこで今回の「週末からだ時間」では、少し遠出をしてからだとこころをリフレッシュ!日本初のビオホテル認証を受けた、長野県の「カミツレの宿 八寿恵荘(やすえそう)」に泊まってきました。
オーガニックを未来につなげていくビオホテル
東京から新幹線、そこから電車に乗って、車で山を登り約180分ほど。自然豊かな長野県北安曇郡池田町のカミツレの里に、八寿恵荘はあります。
現在ビオホテルは、ドイツ、オーストリア、イタリア、スイス、フランス、スペイン、ギリシャの7か国で、約100軒。日本では、ビオホテル協会公認の「ビオホテルジャパン」が、この活動を広げていくために独自の基準で認定活動を行なっています。
日本で初めてビオホテルジャパンの認証を受けた八寿恵荘は、食事をはじめ使用する化粧品、寝具などが可能なかぎりオーガニックまたはオーガニック相当であることはもちろん、ホテルの建材もできる限り自然な素材を使用し、再生可能エネルギーの活用やCO2排出量の削減といった環境への配慮もしています。
個々のからだとこころのためだけではなく、もっと広く長期的な視点でオーガニックをつなげていっているんですね。もともとカモミールにこだわったスキンケアブランド「華密恋」を作る株式会社相互カミツレ研究所の保養所だった八寿恵荘。周囲から利用を希望する声を多く受け、「誰もが心地よくすこやかに過ごせる場所を作りたい」という想いの元にホテルへ。さらに多くの人が気兼ねなく過ごせるよう、2015年5月にビオホテルとしてリニューアルしたのだとか。
ホテルの名前になっている「八寿恵(やすえ)」は、カミツレ研究所代表・北條さんのお祖母様の名前。そこには、ふるさとのように心からくつろいでほしいという願いが込められています。
自然の中にいるかのような心地よい空間
扉を開けて中に入ると、館内にふんわり漂う木の香り。八寿恵荘は、9種類の地元の木材を使用して作られています。玄関や階段にはヒノキ、家具は杉、洗面台は桜など、それぞれの特性を活かした使い方をしているのだそう。
赤松を使用した床は、ほのかに温かい!輻射暖房と言われる方法で、床下に温水が流れるホースが張り巡らされているのだとか。じんわり温まるので、からだにもやさしいそう。その他にも断熱材補強や木製窓サッシなど、環境に配慮したナチュラルな方法で過ごしやすい空間に整えています。
さらに、壁は漆喰、塗装剤も自然由来の成分がベースとなったものを使用していて、室内なのですが、自然の中にいるような爽やかで心地よい空気が流れています。
木の名前がついた和める部屋
八寿恵荘の7つの部屋には、建物に使われている木の名前がつけられています。それぞれの建材でつくられた部屋の鍵のプレートも、とってもかわいい!
階段を上がった2階にある部屋は、畳の香りが落ち着く和室。やさしいフォルムのテーブルは、部屋によって形や建材が異なるのだそう。和室以外に、バリアフリーでトイレ付きの洋室も1室用意があります。
押入れから出して敷く寝具はオーガニックコットン100%。やさしい色合いの枕カバーはカミツレの里で栽培されたカミツレで染め上げています。洗濯も地球にやさしい自然由来洗剤を使用するために専門のランドリーに依頼するという徹底ぶりは、ビオホテルならではですね!
カモミールたっぷりのビオランチ
食堂「だいにんぐ」では、化学調味料や添加物を一切使用しないオーガニックな食事が楽しめます。食材は、自社農園や地元池田町の契約農家で丹精込めて育てられた野菜が中心です。
こちらは、ファンも多いという事前予約制の「八寿恵荘おむすびランチ」。連泊の場合、2泊目以降のランチがサービスになるそうですよ。
ともにサーブされる有機カモミールティーは、クセがほとんどないさらりと爽やかな味わい。丁寧に花の部分だけを摘んで使用することで、エグミのない味わいになるそうです。
敷地内の農園で育てた無農薬野菜を使ったサラダは、ものすごくみずみずしい!採れたてだという人参は身がキュッとしまっていて、野性味を感じました。
コロッケには、細かく刻んだカモミールが混ぜ込まれています。口に入れると広がるふんわりやさしい香りが、ホクホクのじゃがいもと好相性。
おにぎりに使用しているお米は、カモミールを育てた畑で、カモミールの絞りカスを肥料にして作っています。カモミールのパッションが入った、言わばカモミール米!オーガニックな食事って雑穀や玄米のイメージが強いですが、デトックスはもちろんのこと「しっかり食べてしっかり元気になってほしい」と、八寿恵荘では白米を提供しているそうです。
デザートのアイスクリームにもカモミールが入っていて、カモミールづくし…!実はカモミールは、日本でも江戸時代末期から薬草として親しまれていて、「ハーブの女王」とも言われるほど、からだとこころに役立つ性質を持っているのだとか。
そんなカモミールを思う存分堪能することができるなんて…とっても贅沢だなあとしみじみ。
たっぷりのカミツレエキスでからだをほぐす「華密恋の湯」
さらにカモミールを堪能できるのが、カミツレエキスがたっぷり入った「華密恋の湯」。琥珀色の湯船から、甘いカミツレの香りが立ち上ってきます。深夜から早朝のお湯の張り替え時以外は何度でも入浴できるので、夜はもちろん、窓から自然の風景が楽しめる朝や日中の入浴もおすすめですよ。
シャンプーやボディソープなどは、すべてのアイテムにカミツレエキスがたっぷりと配合されている華密恋。しっとりなめらかな使用感と、使うたびに広がるカミツレのやさしい香りにうっとり…。
華密恋の湯は熱すぎずぬる過ぎない絶妙な湯加減だったのですが、これは環境にやさしいバイオマス燃料である木質チップで温めているのだとか。地元の間伐材などを利用して、山の環境保全や地元林業の活性化にも繋がっているそうです。湯船を温める方法にまで気を配っているなんて本当にすごいですね…!
自由にくつろげるスペースでこころも癒す
八寿恵荘では、オーガニックにこだわった建物、寝具、食事、入浴…と言う風にからだからはもちろん、こころからもやさしく癒してくれます。畳のスペース「らうんじ」や地下のフリースペース「ふれあいの間」では、自然素材に囲まれて自由気ままにくつろぐことができます。
何にも縛られずゆったりとした時間の中、静かに自分のこころの中を見つめなおすのもいいかもしれませんね。
のんびり皆で出掛ける「夕涼み散策ツアー」
八寿恵荘には、宿泊中自由に参加できるツアーもいくつかあります。「夕涼みの散策ツアー」では、八寿恵荘スタッフの方の案内で、八寿恵荘周辺をゆるりと散策。カモミールの丘のくるみの木の上には、大人のためのツリーハウスがあります。高いところから景色を眺めることで、自分自身のさまざまな気持ちの変化に気づいて欲しいという願いを込めて作られたそう。ここで、ゆっくり自分だけの時間を過ごしたいですね。階段には、リスがクルミを食べにやってきた形跡がありましたよ!
楽しみながらお米を炊く「かまど炊飯体験」
八寿恵荘の横にあるかまどで、薪割りから始めてご飯を炊く、かまど体験にも参加できます。
スタッフ手作りの「愛農かまど」での炊飯時間は気温によって左右されるので、炊き上がりはお米の音を頼りに。参加者全員でお米の音に静かに耳を澄ませるのも、なんとも豊かでかけがえのない時間でした。
自分で炊いたお米が食べられる夕食
夕食では、かまどで一生懸命炊いた白米とともに、季節ごとのメニューを味わうことができます。季節の野菜を使った鮮やかなサラダにサクサクの天麩羅…運ばれてくるメニューは、もう全部おいしい!
皆で炊いたふかふかのご飯から、自然と宿泊者同士の会話が弾んで、とても心地よいアットホームな雰囲気を楽しみました。
からだをいたわるやさしい朝ごはん
次の日の朝食はおかゆ。薬味とともに甘いお米の味をゆっくり味わいながら鍋いっぱいのおかゆを食べたのですが、食べ終えてもからだが不思議と重くない!まだお腹が起きていない朝は、お腹を無理させずにいたわるということも大切ですね。
1日の始まりにゆっくり落ち着いてご飯をとることで、こころの中も整理できた気がします。
華密恋の魅力を再発見できる「カミツレエキス製造工場見学」
朝食を食べた後は、カミツレエキス製造工場の見学へ。この見学会は宿泊者向けに毎朝開催されます。八寿恵荘に併設されているカミツレエキス製造工場では、日々華密恋の製品が作られているんですよ。
華密恋を代表する「華密恋薬用入浴剤」は、自社農園や契約農家で農薬を使わずに育てたカモミールの花から茎や葉まで使ってじっくり有効成分を非加熱抽出し、タンクで約30日間も熟成するそうです!かなりの時間と手間暇がかかっているんですね…。
ひとつひとつ丁寧に時間をかけて手作業で作られている、その背景を間近で見ることができて、華密恋の魅力を再実感できる見学でした。
たくさんの出会いが楽しめる八寿恵荘
そして、気づけばもうチェックアウトの時間。八寿恵荘スタッフの皆さんに見送られ、送迎バスで駅へと向かいます。
同じ時間を過ごした宿泊者の方々と挨拶を交わして別れ、東京に向かう電車の中、なんだかちょっぴり寂しい気持ちに。慌ただしい都会ではなかなか味わうことのできない、人の温かなつながりや思いやりに触れることのできた八寿恵荘での日々。かたく強張っていたからだとこころが、ゆるやかにほどけたような気がします。
5月中旬から6月上旬にかけて、八寿恵荘はあたり一面満開のカモミールに包まれるそう。ふるさとに帰るような気持ちで、また泊まりに行きたいなあと思っています。
この週末はちょっぴり足を伸ばして、八寿恵荘でからだとこころをいたわってみませんか?
イベント情報
2018年6月2日(土)3日(日) カミツレ花まつり
10:00〜16:00
カモミール満開の6月、カミツレの里で“つなぐ”をテーマにした「カミツレ花まつり」が開催されます。オーガニック・ナチュラルなフードや雑貨の並ぶマーケット、ウォークラリーやカモミール刈り取り、染色体験、ライブなど…楽しみは盛りだくさん!イベントの詳細は「カミツレ花まつり」公式Facebookで随時更新されるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
カミツレの宿 八寿恵荘
場所:長野県北安曇郡池田町広津4098
チェックイン時間:15:00〜
チェックアウト時間:〜10:00
日帰り入浴:土・日曜日 11:00〜18:00(最終受付17:30)※平日は要問い合わせ
定休日:不定期 ※メンテナンス等、および冬季(1〜3月)は休館となる場合があります。
電話番号:0261-62-9119
公式Webサイト:http://yasuesou.com/
Facebook:https://www.facebook.com/yasuesou
Instagram:https://www.instagram.com/yasuesou/